ポケモン高校で開かれたメガシンカ講習会以降も、ポケモン島では次々に発見されるメガストーンの配布や使い方の講習を行っていた。

ピカノ「あ〜、と、いうわけで。今回はヤドランのメガストーンが発見されたということで。今日のポケモン学の授業は3年全員が見てる中、特別に本人にメガシンカを体験してもらおうと思う。」

ヤドラン「うひょ〜!!待ってました!ヒュ〜ヒュ〜!!」

リザードン「ヒュ〜ヒュ〜!!」

ピカノ「リザードン!なんでお前がいるんだよ!」

リザードン「だって見たいもん新しいメガシンカ!」

ピカノ「しょうがねえなあ。勝手にしろ。このメガシンカオタクめ。ほら、ヤドラン。これがお前ら用のメガストーンだ。使ってみ。」

ヤドラン「よっしゃああああああ!!ヤドラン超進化!!」

ヤドランはメガストーンを使った!

しっぽに噛み付いていた貝(シェルダー)がみるみると大きくなり、本体を包み込む!

ヤドランはメガヤドランにメガシンカした!!

ヤドラン「ガッハッハッハッハッハ!!どうだ!これが俺のメガシ・・・」

と、同時にバランスが取れずにずっこけた!

ヤドラン「ごへえっ!!前歯打った!!欠けてない?欠けてない?」

ピカノ「ったくしょうがねえなあ。せっかくメガシンカできたのにいきなりこけてんじゃねえよ。ほら、早く立って皆に姿を見せてやれ。」

ヤドラン「よ、よしきた。」

貝からかろうじて出ている手をじたばたさせるヤドラン。

ヤドラン「・・・・・・・・・・・・。」

ピカノ「どうした?」

ヤドラン「あのお、立てないんだけど・・・。」

ピカノ「はあ!?」

ヤドラン「だって見ろよこの姿!手がちょこっと出ているだけだぞ!どうやって立つんだよ!」

ピカノ「はい、ここで問題。さあ、メガヤドランは通常、どうやって立っているでしょうか?」

ヤドラン「授業はいいから!いつもそんな真面目に授業してねえだろうが!」

ミュウ「はい!メガヤドランは通常、尻尾の力を使って立っています!」

ピカノ「正解!さすがミュウだ。つまりお前は尻尾を鍛えたりてねえんだよ。」

ヤドラン「いつ鍛えるんだよ尻尾なんて!」

ピカノ「うるせえなあ。他のヤドラン達は立派に尻尾で立てるんだぞ。ぼ〜っとしてるように見えて皆ちゃんと鍛えてるところは鍛えてるんだよ。それをお前はなんだ?活発ヤドランが聞いて呆れるぜ。」

リザードン「ヤドラン!精進だ!メガシンカを使いこなすには訓練が必要だということだ!!」

ヤルキモノ「うおおおおおおおお!!精進!訓練!努力!汗!涙!青春!!俺そういうの大好き!!変わってくれヤドラン!!」

ヤドラン「うるせえ!!変われるなら変わりてえよ!!」

ピカノ「ったく。これじゃあ授業になんねえな。はやく戻れ。」

ヤドラン「よ、よし。」

???「おっと。そうはいかねえ。」

ヤドランがメガシンカを解除しようとしたそのとき、謎の声が響き渡る。

ヤドラン「ぎゃあああああああ!!いででででででで!!」

ピカチュウ「なんだ!?なんか急に苦しみはじめたぞ!?」

ヤドラン「貝のやつの噛み付きが!噛み付きが強くなってる!!」

ピカチュウ「なんだって!?」

???「この時を待っていた・・・。お前の意思を乗っ取れるこの時をな!!」

ヤドラン「お、お前は・・・!まさか・・・!」

貝「そうだ!俺はずっとお前に噛み付いていた元シェルダーだ!!」

ヤドラン「てめえ!やっぱり意思を持っていたか!!」

貝「メガシンカしてお前は動けなくなり、その一方で俺は巨大化して力を得た。いずれ弱ったお前の意思を乗っ取り、俺が本体となるのだ・・・!」

ヤドラン「なにい!?我が尻尾ながらなんという企みを!!助けて!誰か助けてくれ〜!!」

ウツドン「しょうがねえな。まあ一応ボーッ一族のリーダーだしな。助けてやるか。」

ウツドンの溶解液!

貝「ふん。そんなものはきかん。」

ミュウ「確かメガヤドランの防御力は今までの比じゃないくらいに跳ね上がったんですよね?」

ピカノ「そうだな。ちょっとやそっとの攻撃じゃビクともしないぞ。諦めろヤドラン。はっはっは。」

ヤドラン「なんてこと言うんだ!!うう、こんなはずじゃ・・・!かっこよくメガシンカしてロコンちゃんに惚れ直してもらってレオンなんかけちょんけちょんにしてやるはずが・・・!」

レオン「十万ボルト!!」

ヤドラン「あぎゃあああああ!!」

レオン「う〜んダメだ。やっぱり十万ボルト程度じゃ壊れないや。ははは。」

ピカチュウ「レオン、腹立つ気持ちはわかるけどやめなって・・・。ねえ、プリンなら壊せるんじゃない?」

プリン「自信はあるけど、中身の無事は保証できないわよ?」

ヤドラン「スト〜ップ!!お前は何もするな!いいな!おい!シェルダー!我がボーッ一族のシェルダー!!」

シェルダー「どうした?」

ヤドラン「元はと言えばお前の同族だろうが!!なんとかしてくれ!!」

シェルダー「そんなこと言われてもなあ。しょうがねえ。話してみるか。なあ同族のお兄さん。」

貝「なんだ?」

シェルダー「そんなやつの身体のっとって成り代わってもろくな人生じゃありませんぜ。女にはフラれて、日々ちまちまとしたイタズラで皆に小さな迷惑かけることだけが生きがいの小さい男でさあ。」

ヤドラン「お、お前俺のことそんなふうに思っていたのか・・・!」

シェルダー「いや、これはその・・・。」

貝「なあ同族の少年よ。俺はなあ、こいつに噛み付いちまってからもう離れ離れになれなくなっちまって・・・。そのちまちまとしたイタズラの日々を後ろで見てるだけの悲しい青春を送ったのさ・・・。」

シェルダー「同族のお兄さん・・・。」

貝「だからよお少年。俺はまた自分の意思で動いてみたいのさ。大地を踏み、海を泳ぎ、大空を自由に羽ばたきたいんだ・・・!」

ピカチュウ「元から飛べないだろお前。」

貝「そのためなら、例えこんなクズみたいな男に成り代わってもいい。俺は俺の自由を取り戻すんだ・・・!」

シェルダー「ううう・・・。わかった!わかったよお兄さん!!もう何も言わねえ!そのクズは好きにしてくれよ!!」

ヤドラン「てめえええ!!裏ぎるのかあああああ!!」

かろうじて出ている手と尻尾をじたばたとさせて怒るヤドラン。


レオン「ラティアスさんならなんとかできるんじゃない?」

ラティアス「わかんないわ。でもそう言うなら試してみよっかな〜?」

ヤドラン「待て待て待て!!尻尾に攻撃するフリして中身の俺をボコボコにして『やっぱりダメだったわ〜』とか白々しく言いそうな感じだ!!」

ラティアス「ちっ。ばれたか。」

チコリータ「メスを入れて手術してみますか?」

ヤドラン「やめろ!やめろ!!」


メガクチート「ヤドラン君も貝ちゃんと仲良くすればいいのに〜。私なんかアゴちゃん達と大の仲良し!」

アゴちゃんA「このやろう!くらえ!アゴBめ!」

アゴちゃんB「やめなさいアゴA!怒りますよ!!」

ピカチュウ「アゴちゃん同士で喧嘩してるけどね・・・。」


フシギダネ「油でも塗ってみれば滑って出てくるかもしれないぞ?」

油をヤドランにぶっかけるフシギダネ。

ヤドラン「ぎゃあ!ただただ気持ち悪い!!」

ボーマンダ「ここで火をつけて貝料理に・・・!」

ヤドラン「やめろ!!」

レオン「ヤドラン君!さっきからみんなが色々考えてくれてるのに、やめろやめろばかりじゃないか!助かりたくないの!?受け入れないと!!」

ヤドラン「ええ〜・・・。何故かレオンに怒られた・・・。」


ラティアス「あのさあ。皆そんな必死になって助ける価値がこいつにあるの?」

フシギダネ「ない。でも解けないパズルがあったら解いてみたくなるじゃん?」

ヤドラン「知恵の輪扱いか!?」


レックウザ「すいませ〜ん。風邪で遅刻しました。ごほっごほっ・・・。」

ピカノ「おおレックウザ。遅かったな。今日はヤドラン以外にお前のメガシンカも皆に披露してもらおうと思ってたんだ。授業も終わりの方だからちゃちゃっと見せてくれ。ほら、メガストーン。」

ヤドラン「おい!こっちの問題解決してないんだぞ!?」

リザードン「黙れ!俺はメガシンカが見たいんだ!!」

ヤドラン「ええ〜!?」

コダック「本当人望ないなお前。我がボスながら。」

レックウザ「ごほっ。じゃあメガストーン使います・・・。」

レックウザはメガストーンを使い、メガレックウザにメガシンカした!!

リザードン「うおおおおおおお!!」

レックウザ「はっくしょん!はあっくしょん!!」

ピカチュウ「あ、風邪は治ってないのね・・・。」

貝「・・・ん?鼻がムズムズする・・・。」

どこが鼻なのだろうか。

貝「はあっくしょおおおおおん!!」

ヤドラン「うおわっ!!」

貝は大きなくしゃみをし、同時にヤドラン(と、いうよりヤドン?)をおもいっきり吐き出した。

ヤドラン「やった!出られたぞ!!」

貝「くっ。しまった・・・!レックウザの風邪がうつったか・・・!はっくしょん!」

ヤドラン「メガシンカ解除だ!今度は俺の意思に従ってもらうぜ!おとなしく俺の尻尾に戻りやがれ!!」

ヤドランはメガシンカを解除した!

貝「おのれ・・・!諦めんぞ・・・!俺は隙あらばお前を乗っ取りにいくからな!!覚えていろおおお!!」

貝は元どおりヤドランの尻尾に戻っていった。

シェルダー「うわあああああ!!兄さあああん!!」

ヤドラン「はあ。やれやれ。災難だったぜ。はっくしょん!・・・あれ?」

ピカチュウ「まあなにはともあれ戻れて良かったじゃんヤドラン・・・はっくしょん!・・・ん?」

ヤルキモノ「はあっくしょおおん!!馬鹿な!まさか健康優良児のこの俺が風邪を!?」

ピカノ「ごほっごほっ!!なんだこりゃ!?」

レオン「げほげほ!もしかしてメガレックウザ君は風邪を人にうつす感染力が上がっているとか!?」

ピカチュウ「細菌兵器!?」

ミュウ「な、なるほど!きっとこれは彼のみの特殊能力だね!メモしないと!はっくしょん!」

リザードン「ごほごほごほっ!奥が深いぜメガシンカ!!」

チコリータ「皆さん!私が看病しますからおとなしく・・・くしゅんっ!!」

フシギダネ「お前もうつってんじゃねえか!げっほげほおっ!あ〜、これ熱あるわ・・・。」

レックウザ「ひいい、皆ごめんよおお・・・!ごっほげほっ!はああっくしょんっ!!」

次の日、ポケモン高校は学校閉鎖となったそうな。
続く


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