レオン「え〜と、ピカチュウ君と学食なう、と。」
プリン「今日のお昼はマーイーカスミパスタ、と。」
ピカチュウ「ねえ二人とも。一体誰にそんなことメールしてるの?」
レオン「メールじゃないよ。ポケッター。」
ピカチュウ「ポケッター?」
ポケッターとは、今ポケモン島で流行っているSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)である。
パソコンやスマートフォンから、ポケートと呼ばれるつぶやきを発信したりする・・・まあ簡単な話がポケモン島のツイッターだ。
レオン「今時やってないのピカチュウ君くらいだよ。」
プリン「まあそう言わないであげて。ピカチュウ君ったらこういうの本当に苦手なの。ね?ピカチュウ君。」
ピカチュウ「むっ。悪かったね苦手で。」
プリンも別に嫌味で言ったのではないが、さすがのピカチュウも少しカチンときたようだ。
うめぼし「うむあ〜。僕もポケッターやってる〜。ピカチュウくんおくれてる〜!」
うめぼしでも使いこなしているのが悔しかったのか、ピカチュウはおもいきり立ち上がった。
ピカチュウ「レオン!僕もポケッターはじめる!やり方教えて!」
レオン「わ、わかったよ・・・。」
放課後、レオンに使い方を教わったピカチュウは、自宅でさっそくポケッターにアクセスしていた。
ピカチュウ「ふむふむ。こうやって皆のつぶやきが見れるのか。なんだ簡単じゃん。」
レオン:ロコンちゃんとショッピングなう
ピカチュウ「へえ。レオンはロコンちゃんとデート中か。どれどれ。僕もつぶやこう。えっと、今やってること・・・。」
ピカチュウ:ポケッターなう
それを見たプリンがピカチュウに反応する。
プリン:そんなのあたりまえでしょ!?そうじゃなくてさあ・・・
ピカチュウ「え!?違った!?なにがいけないんだ!?」
困惑するピカチュウだが、そんな間にどんどん知り合いのつぶやきが更新されていく。
ミュウツー:今からワンちゃん達の散歩メガ〜
ピカチュウ「ミュウツーはペットの散歩か。ってかメガシンカ中なのが丸分かりだな・・・。」
ダークライ:エンちゃん達とゲーセン来たよ〜!
ピカチュウ「お前ら神だろ!?もう少し働けよ!!」
メロエッタ:今日の12時からポケモン書店で握手会やります!皆来てね〜!
ピカチュウ「ふむふむ。なるほど。今やってること以外にもこういう使い方もあるんだな。」
ラプラス:ラプラスー!!ラプラスー!!
ピカチュウ「なんでこいつまでいるんだ!?言葉わからないだろうに!!」
アブソル:自動販売機が倒れてきて押しつぶされなう
ピカチュウ「つぶやいてる余裕あるの!?」
メロエッタ:牛丼屋でお昼なう
ピカチュウ「あれ!?握手会じゃないの!?来なかったんだ!誰も来なかったんだ!!」
ヘラクロス:プリンをストーキングなう
ピカチュウ「こいつはまた!」
プリン:カブトムシ退治なう
ピカチュウ「あ〜あ。やっぱり。」
エルフーン:狩りなう!
ピカチュウ「こいつ野生児なのにスマフォやパソコン持ってるの!?」
キルリア:┐〃〒ィッ勹τ〃ヵヮレヽレヽ了勹セ廾レ)→ゐ⊃レナT=∋〜!
ピカチュウ「何語!?」
ビリリダマ:今日は本屋で万引きをする若者を見かけた。私には口がなく喋れないので、店員へ伝えることができなかった。今回は店員が自ら気づき事なきを得たが、こんなことでは島の未来が不安である。そして、私は何もできなかった自らの無力さを恥じる。
ピカチュウ「こいつこんなこと考えてたの!?口どころか手もないけどどうやってつぶやいてるんだ!?」
ギルガルド:武器屋へ装備を整えに来た。常に万全な装備で戦いに挑むのが勇者の心得だ。
ピカチュウ「武器屋なんて物騒な場所がこのポケモン島に!?」
ギルガルド「おい武器屋!今日もこの伝説のガルドソードを磨いてくれ!頼むぞ!」
ルギア「だからうちは武器屋じゃなくてマッサージ屋なんですよねえ。まあ確かにあなたの体は武器ですけど。しかし鋼・ゴーストタイプがマッサージ受けて気持ちいいんですか?」
ゴロンダ:葉っぱバイキングなう
ピカチュウ「なんだそのバイキング!?需要なさすぎだろ!!」
ボーマンダ:ファイアローをサウナに誘った。ちなみに俺様は蒸し鶏も大好きだ
ピカチュウ「企みがつぶやきでバレバレだぞ!!ぜえ、ぜえ・・・。とんでもないツールだなこれ。さすがにツッコミ疲れてきたぞ・・・。・・・ん?」
ピチュー:さっきから兄ちゃんがスマフォに向かって叫び続けてる・・・。弟として心配です。
ピカチュウ「え!?」
ピカチュウは後ろを振り向いた。
ピチュー「あっ!」
ピチューはピカチュウと目が合うや否や、すぐに目をそらし部屋から逃げていってしまった。
ピカチュウ「ま、待ってピチュー!これにはちゃんとした理由があるんだよ!おい!ピチュー!!待ってくれよ!お〜い!!」
ピカチュウ:ピチューにドン引かれたなう
続く
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