今、またしてもポケモン島に新たなる危機が訪れようとしていた!

はるか遠くの宇宙よりポケモン島へ近づいてくる黒い影・・・。

かつて伝説の鉱石を奪うため、ルカリオを襲撃したポケモン・・・。その名は!

ギラティナ「ぐわははははは!!ギラティナ様だ〜!!!帰ってきたぞ憎きクレセリアめ!まずは地球のポケモン島を支配し、奴へ復讐するのだ!!」

ギラティナは高笑いをあげながら、神の島・中央ポケモン島へ着いた。

ギラティナ「出てこいクレセリア〜!!ギラティナ様が貴様へ復讐に来たぞ!!ぐわははははは!!いや、ギララララララ!!の方が悪者っぽい笑い方かな?」

ダークライ「ん?お客さん?いらっしゃ〜い。」

ギラティナ「あぁん?なんだ貴様は。クレセリアはどうした?この島の神は奴だろう?」

ダークライ「クレっちゃん?クレっちゃんはもう宇宙全域のポケモン島をまとめてる神様だから、いつもここにいるわけじゃないよ?今は地球のポケモン島をまとめてるのは俺なんだよねえ。でもなんで?」

ギラティナ「なにい?こしゃくにも出世しおったというわけか!まあいい。ここが元・奴の担当区域には違いない。まずは地球のポケモン島を支配して、奴をおびきよせてやる!ギララララララ!!」

ダークライ「ふ〜ん。まあなんでもいいけどさ、ちょうどよかった!エンテイちゃん達も出張してて暇なんだよね〜。ねえねえ、モンハン4やらない?」

ギラティナ「ええい、うざったい!XYやれよ!!見ていろ!今から地球のポケモン島は暗黒につつまれるのだ!!ギ〜ラララララララ!!」

ダークライ「え?もう行っちゃうの?ちょっと待ってよ〜!寂しいんだよ〜!遊ぼうよ〜!」

ギラティナはまたしても高笑いをあげ、ピカチュウ達の東ポケモン島へ向かった。


ギラティナが降り立った駅前広場では、売れないアイドルのメロエッタが自作の特設ステージで路上ライブを行っていた。

しかし、その周りにはファンは誰もいない。歌声がむなしくひびいている。

メロエッタ「うう〜・・・。なんで誰も聞いてくれないの〜!?」

ギラティナ「ギ〜ララララララ!!どけ小娘!」

メロエッタ「きゃっ!なになに?おじさん!そこ私のステージなんですけど!あ、それとも私のファン?」

ギラティナはメロエッタを無視して演説を開始した。

ギラティナ「聞けい!!愚かなポケモン共よ!!俺様はギラティナ!!このポケモン島を支配しに来た!!!」

突然の変なポケモンの登場に、誰もいなかったステージの周りにギャラリーが集まってくる。

メロエッタ「きゃー!人集まってきた!おじさんナイス!私歌うからどいてどいて!」

ギラティナ「ええい、お前こそどいてろ!いいか、俺様は本気だ!!従わなければこの小娘がどうなっても知らんぞ!!」

メロエッタ「えっ?私?きゃー!怖い〜!誰か〜!」

ヒトデマン「うおおおおお!!悪者キター!!!今こそ、正義のヒーローの私の出番だ!!とおお〜っ!!!」

ギラティナ「なんだ貴様!」

ヒトデマン「正義のヒーローヒトデマン!今ここに参上!!覚悟しろ悪党め!ヒトデキ〜ック!!」

ギラティナ「ギ〜ラララララララ!!面白い!受けてたってやる!!」

戦いを始めるヒトデマンとギラティナ。

ビーダル「カクレオンさん、どうします?悪党とヒーローが戦ってますけど。」

カクレオン「う〜む。一応生中継してみるか。はいはい、どいて〜。ポケモンテレビが生中継するよ〜。」

メロエッタ「キャ〜!カメラキター!!あ〜れ〜!た〜す〜け〜て〜!見て見て!演技もできる私!」

ギラティナ「貴様、人質なんだから緊張感をだせ!」

メロエッタ「緊張感?嫌よ。木の実食べられなくなっちゃう。」


健闘むなしくふっとばされるヒトデマン。

ヒトデマン「ぐふっ!無念!正義はここでついえるのか・・・!」

ギラティナ「ギ〜ラララララララ!!見たか!ヒーローは倒したぞ!!これで俺様はこの島の支配者だ!!ギ〜ラララララララ!!!」

ハクリュー「待ちなさい!警察です!!」

ギラティナ「警察だと!?面白い!この俺様が止められるかな!?」

ヒトデマン「やべっ!逃げなければ!シュワッチ!」

ハクリュー「あっ!ヒトデマン待ちなさい!!」

ギラティナ「えっ!?そっち!?」

ハクリューはヒトデマンを追っていってしまった。


ギラティナ「う、ううむ。よくわからんがもはや俺様を止めるものは誰もいない!この島は俺様のものだ!!!ギ〜ラララララララ!!」

テッカニン「待て待て〜!!正義の忍者テッカニン見参!悪は許さんでござる!!」

ギラティナ「忍者だと!?面白い!かかってこい!」

???「待てい!!」

ギラティナ「今度はなんだ!?」

ゲッコウガ「拙者は正義の忍者ゲッコウガでござる!」

ギラティナ「また忍者だと!?」

テッカニン「貴様!月光流でござるな!」

ゲッコウガ「そういうお前はライバルの鉄火流でござるか!ここで会ったが2週間目!」

テッカニン「うむ!いざ尋常に決着の時でござる!!先手必勝!鉄火流忍法・魔新岩(マシンガン)の術!!」

ゲッコウガ「なんの!月光流・身代わりの術!」

ゲッコウガは通りすがりのアブソルを盾にした!

アブソル「ぎゃああああああ!!なんで僕!?」

ゲッコウガ「今度はこちらの番でござる!月光流忍法・水手裏剣!」

テッカニン「ならばこちらも身代わりの術でござる!!」

テッカニンもアブソルを盾にした!

アブソル「ぎゃあああああ!!だからなんで僕!?身代わりなら技として使ってよ!!」

スピアー「どうも〜。行商人です。よければ売りますよ?身代わりの技マシン。」

ギラティナ「貴様ら!俺様を無視して話を進めるな!!」

カクレオン「おい!あっちの忍者の戦いのほうが面白そうだ!カメラあっちに向けろ!」

ビーダル「へ〜い。」

メロエッタ「え?カメラそっちいっちゃうの?おじさんごめん!私もあっち行くわ!サインはまた今度ね!」

ギラティナ「なに!?おい、ちょっと待て!」

次々とギャラリーの注目も忍者達にうつり、結局ギラティナは一人ぼっちになってしまった。


ギラティナ「貴様ら〜!!!俺様をなめているのか〜!!!」

ミュウ「いや、そうじゃないよ。」

ギラティナ「あぁ!?今度はなんだ!?」

ミュウ「さっきから君の主張を聞いてたんだけど、君の言っていることには具体性が欠けているんだ。」

ギラティナ「具体性だと?」

ミュウ「そうだよ。支配支配って言っても結局なにをしたいのかがわからないんだ。今後どうしたいかを含めて具体的に語らないと、誰も君の言うことに耳を貸さないよ。」

ギラティナ「え、ええと・・・。そうだ暗黒!俺様はこの島を暗黒に染めに来たのだ!」

ミュウ「つまり、太陽を消し去るとかそういうこと?」

ギラティナ「う、ううむ。まあそういうことかな?どうだ!困るだろう!?太陽がなければ生きられまい!!俺様は闇のポケモンだから平気だがな!ギラララララララ!!」

ミュウ「それは確かに困るね。でもどうやってそんな大きなことをするつもりだい?」

ギラティナ「え、ええと・・・。」

ミュウ「ほらね。君の主張には具体性が欠けてるんだよ。」

ギラティナ「ぐぬぬぬぬぬ・・・!細かいことをごちゃごちゃと・・・!とにかく!俺様は貴様らとクレセリアが困ることをしてやるのだ!!!」

ミュウ「つまり、何も決まってないんだね?仕方ないなあ。みんなに意見を聞いてみよう。ちょうどそこにミュウツー君がいるね。お〜い、ミュウツー君!君はどんなことをされたら困る?」

ミュウツー「そうだな、カルピスを買い占められたら困る。」

ギラティナ「よ、よし!それ!それ採用!」

ミュウ「うん。こういうふうに人の意見を聞いて取り入れていくのも大切だよ。それじゃ、僕は予備校に行く時間だから頑張ってね。」

ギラティナ「おお。すまんな。こうしちゃいられん!」


ギラティナはたくさんのポケモンに自分がされたら困ることを聞いて回り、再び駅前広場へ戻ってきた。

ギラティナ「聞けいポケモン共!!具体性のある主張を持って戻ってきたぞ!!!」

ピカチュウ「なんだなんだ?ああ、さっきテレビのヒーローものに出てた人か。ピチューがこのヒーローものつまんないって言ってすぐチャンネル回しちゃったけど。」

レオン「へえ。見てないけど芸能人ってこと?」

ギラティナ「違う!!!いいから聞け!!あ〜、俺様がこの島を支配したあかつきには、カルピスを買い占め、ポケモン島全域は写真撮影禁止!毎日梅干を食べることを義務とし、全ての家は高層ビルに建て替え、アニメ『プリティー魔女テールナー』を打ち切りとし、葉っぱを加えるのは禁止、それと・・・。」

ポケモン島のポケモンから聞いた各々の困ることを並べるギラティナ。

ギラティナ「以上!俺様がこの島を支配したら今のことを全て実行するぞ!どうだ!恐ろしいだろう!」

ヒノアラシ「はあ、なんだかよくわかんないけどもう終わりだ・・・。」

ギラティナ「おお、そうだ!もう終わりなのだ!絶望しろポケモン共!!ギララララララララ!!」

キルリア「わ〜!その笑い方可愛い〜!」

ピカチュウ「ええ、と・・・。なんのためにそんなことを?僕らを困らせて何か得が?」

ギラティナ「そうだ!貴様らが困ればクレセリアが困るだろう!?」

ピカチュウ「クレセリアさんを困らせたいの?なんで?」

キルリア「好きな子にいじわるしちゃう男の子っているよね〜。もう、ギラランってばお子ちゃまなんだから〜。」

ギラティナ「ち、違う!!後、そのあだ名やめろ!俺様が支配したら変な呼び方禁止だからな!!」

ルカリオ「あ、誰かと思えばあなたギラティナさんか。」

レオン「ルカリオ君知ってるの?」

ルカリオ「ええ。クレセリアさんの同期の神のポケモンだったらしいんですけど、すぐ怒るし、言ってることは支離滅裂だし、そもそも仕事ができないんでクビになって、それでずっと僕ら神のポケモンを逆恨みしてるんですって。」

キルリア「やだ〜!ギラランかっこわる〜い!」

ホウオウ「ケ〜ケッケッケ!神をクビだって!かっこわる〜い!ケ〜ッケッケ!」

ピカチュウ「お前が言うな。」

ギラティナ「ぐわあああ!!貴様!なぜそれを!?そうだ思い出したぞ!貴様は新人の神だな!?」

プリン「で、結局こいつは悪者でいいのよね?」

ルカリオ「ええ。僕も散々嫌がらせ受けてきたし、記憶失ったのも元はといえばこいつのせいだし、悪者ですね。」

プリン「オッケー。そういうことなら。」

プリンはギラティナの前に立ちはだかった。

ギラティナ「ギ〜ララララララ!!なんだ!?俺様に歯向かう気か!?面白い!やってみろ!」

プリン「それじゃ遠慮なく。プリンちゃんチョップ!」

ゴスッ!!

ギラティナ「・・・え?すごい痛いんだけど。」

プリン「フェアリータイプになった私の実力を見なさい!プリンちゃんアッパー!プリンちゃん旋風脚!プリンちゃん頭突き!プリンちゃんハイキック!プリンちゃんドロップキック!!」

ギラティナ「ぐばえおえああああああ!!」

ピカチュウ「もうタイプ相性とか関係ないよね、これ・・・。全部オリジナル技だし・・・。」

ギラティナ「ひ、ひいい!ちくしょー!覚えてろ!!次こそこの島を支配してやるからな!!ギラララララララ!!」

ギラティナは捨て台詞とともに泣きながら逃げていった。

ヤドラン「う〜む。あの姑息っぷり。顔がぼけ〜っとしてれば我がボ〜ッ一族のメンバーに入れたかったなあ。」
続く


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