ある日のこと。ピカチュウとレオンが2人で歩いているところに、プリンとロコンがやってきた。

プリン「ピカチュウ君!レオン君!2人でどこか行くの?」

ピカチュウ「プリンにロコンちゃん!聞いてよ!今日はレオンと僕が『ピカピカサミット』に招待されたんだ!」

プリン「なにそれ!?」

レオン「全世界からいろいろなピカチュウがやってきて、ピカチュウ界の未来について語り合う場なんだ!今回はこの東ポケモン島が会場に選ばれてね。僕らピカチュウにとって、これに招待されることはすごく名誉なことなんだよ!」

ロコン「ピカチュウがたくさん集まるんだ。なんか可愛いような気もする・・・。」

ピカチュウ「プリン達にはないの?『プリプリサミット』とかさ。」

プリン「そんな怒ってるみたいな会ないわよ!!」

レオン「ロコンちゃんは?『ロコロコサミット』とかないの?」

ロコン「なんかロコモコみたい・・・。」

ピカチュウ「まあそんなわけだからさ。レオンと2人で行ってくるね。」

プリン「う、うん。いってらっしゃい・・・。」

ピカチュウとレオンはウキウキしながら会場へと向かっていった。

プリン「(気になる・・・。一体どんな会なのかしら・・・。怪しい気もするわ・・・。)」

ロコン「プリンちゃん?」

プリン「ごめんロコンちゃん!私、ちょっと急用思い出した!」

ロコン「え!?ちょっとプリンちゃん!?」

プリンはすぐにピカチュウとレオンを追って走っていってしまった。


会場はポケモン島でも特に大きなホテルの大ホールで行われていた。

どうしてもピカピカサミットの内容が気になったプリンは、ピカチュウに変装をして会場に忍び込んだ。

プリン「つけ耳につけほっぺにつけしっぽ。体も黄色くぬって、どこからどう見てもピカチュウだわ!いたいた、ピカチュウ君達だ!」

受付のピカチュウ「ようこそピカピカサミットへ。招待状をお見せ下さい。」

ピカチュウ「はい。」

ピカチュウとレオンは招待状を見せて入っていった。

プリン「まずいわね。私、招待状持ってないし・・・。仕方がない。かくなるうえは・・・。」

プリンの歌う!受付のピカチュウは眠ってしまった!

プリン「やった!大成功!」

プリンはまんまと会場内に忍び込むことに成功した。


ホール内では、いろんなピカチュウ達がざっと数百匹は集まっていた。

まずは立食パーティーでピカチュウ同士の親交を深めているらしい。

プリンはピカチュウとレオンを見つけ、すぐに会話を盗み聞きしはじめた。

まずはピカチュウ同士の挨拶からはじまる。

ピカチュウ「はじめまして!ピカチュウです!」

「どうもどうも。ピカチュウです。」

「こんにちは。ピカチュウです。」

プリン「(みんなピカチュウでしょ!?)」

「おお、君のその髪型は素晴らしい!セットに時間がかかるのかい?」

レオン「えへへ。まあ髪型にはこだわってるんで。ここだけは他のピカチュウに負けたくないんです。」

レオンは髪型を褒められてご満悦だった。

「え!?君はあのなみのりピカチュウなのかい!?」

ピカチュウ「ええ。幼い頃からサーフィンが大好きで。気づいたらなみのりピカチュウになってました。」

「すごい!なみのりピカチュウに会えるなんて!」

「みんな!なみのりピカチュウがいるぞ!」

「なみのりピカチュウだって!?」

ピカチュウもなみのりが出来ることで、すっかり人気者になっている。


プリン「(2人とも割と注目あびてるわね・・・。)」

プリンにも1匹のピカチュウが話しかけてくる。

「どうも。ピカチュウです。」

プリン「あ、はい。私、プリ・・・じゃなくてピカチュウです。」

「おやおや。どうしたんだい?この腹は。こんなに丸いピカチュウは初めて見たよ。もう少しダイエットしないと。ピカチュウの恥だよ?」

プリン「なんですって!?女の子に体型のことを言うなんて信じられない!プリンちゃんナックル!じゃなかった、ピカチュウちゃんナックル!」

「ぐわっ!!」


「見ろ!あっちにそらをとぶピカチュウさんがいるぞ!」

プリン「(あら、今度はそんなピカチュウまで来てるのね。)」

「あっちにはたきのぼりピカチュウさんだ!」

プリン「(そんなのいるの!?)」

「10万ボルトピカチュウさんも来てるぞ!」

プリン「(それ普通のピカチュウじゃないの!?もうツッコミが追いつかないわ!ピカチュウ君もさぞかしツッコミまくりなことでしょうね・・・。)」

プリンはピカチュウの方に目を向けた。

ピカチュウ「みなさんは何万ボルトまで出せるんですか?」

「そうだねえ。僕が今までで出した中で最高は2億5千万ボルトかなあ。」

レオン「今年は電力消費が激しくて辛いですね。湿度の影響ですかね?」

「いやまったくですなあ。」

プリン「(変な会話してる〜!!!)」


さらに、プリンの後ろの方で大歓声があがる。

プリン「(今度は何!?)」

「大変だ!ピカチュウの聖地と言われるトキワの森出身のピカチュウさんがいらっしゃってるぞ!」

「なんだって!?トキワの森の!?」

プリン「(そこ歓声あがるところなの!?凄さがわからない!)」

トキワのピカチュウ「ははは。あんなところ大したことないですよ。虫ばかりですからね。」

「またまたご謙遜を!」

「今度皆さんで聖地巡礼に行きたいですなあ。」

プリン「(あそこ人間界でしょ!?トレーナーに捕まるわよ!?)」

ピカチュウ「うわあ、僕、サインもらおうかなあ。」

プリン「(ピカチュウ君!お願いだからツッコミの心を思い出して〜!!)」


そんなこんなで、本題の話し合いが始まるようで、壇上に司会と思われるピカチュウが上がってくる。

司会ピカチュウ「どうも。今回の司会を務めさせていただきますピカチュウです。よろしくお願いします。それでは今回のピカピカサミットの話し合いに移りたいと思いますので、皆さんどうぞご着席ください。」

すべてのピカチュウ達が席につきはじめる。今までの和やかな雰囲気とは一転、一人一人の表情が真面目な顔つきに変わる。

プリン「(いよいよね・・・。一体どんな話し合いなのかしら・・・。)」

司会ピカチュウ「まず最初の議題は、恒例のポケモン界におけるピカチュウ人気についてです。意見のある人は挙手をお願いいたします。」

「はい!最近はイーブイとその進化系達が急速に力をつけており、我々ピカチュウを脅かす存在になりつつあると考えております!一刻もはやく、対策をうつべきかと!」

「はい!さらに、最近はデデンネやエモンガをはじめとした、我々に似たほっぺをもつポケモン達も力をつけているように思います。このほっぺ、電気袋は我々ピカチュウのアイデンティティであるということを世間に改めてアピールするべきかと!」

「はい!ここは伝説のゲーム『ポケットピカチュウ』をスマートフォン向けにリメイクし、再びピカチュウのイメージアップをはかるというのはどうでしょう!?」

プリン「(なんなのこの話し合い!?なんだかどす黒さを感じるんだけど!?人気取りに必死すぎない!?)」


司会ピカチュウ「続いての議題です。最近は進化をしないピチューが増加傾向にあります。当ピカピカサミットで制定したピカチュウ条約において、ピチュー達への進化の促しが定められておりますが、これに関して意見のある方はいらっしゃいますか?」

ピカチュウ「はい!」

司会ピカチュウ「東ポケモン島のピカチュウさん。どうぞ。」

プリン「(あら、ピカチュウ君が出てきた。何を言う気かしら?)」

ピカチュウ「僕にもピチューの弟がいますが、特に進化を促していません。うちのピチューには、進化に関しては本人の自由にさせてあげたいと思ってます。」

ざわつく場内。

「なんだって!?それではピカチュウ条約に反するじゃないか!」

ピカチュウ「確かに反するかもしれません。でも無理に進化を促すなんて、逆にピチュー達にとってピカチュウに進化することへのイメージを悪くしてしまいます。将来ピカチュウになるかもしれない子供達はもっとのびのびと育っていって欲しいというのが僕の考えです。」

「ううむ、なるほど・・・。」

「確かに強要は良くないという意見には納得できます。条約を見つめ直したほうがよいかもしれませんな。」

ピカチュウの意見に拍手が送られる場内。

プリン「(う〜ん。まあここは素直に立派な意見かしらね。さすがピカチュウ君。)」

ピカチュウ「まあライチュウになりたいって言ったら全力で阻止しますけどね。」

プリン「(ええ〜!!?)」

「そうだそうだ!ライチュウになるのだけは何としても阻止しなければならない!!」

「ストップ・ザ・ライチュウ!」

ピカチュウに更に強い拍手が送られた。

プリン「(う〜ん・・・。うちの学校のライチュウ君は好きじゃないけど、ここまでくるといいかげん不憫に思えてきたわ・・・。)」


話し合いも一段落し、ピカピカサミットもお開きの空気になりはじめる。

司会ピカチュウ「では、経理報告は以上です。最後に、今年度最高齢ピカチュウとして認められ、ピカピカ栄誉賞を受賞した長老からのお言葉をいただきたいと思います。では長老。お願いします。」

長老と呼ばれた老ピカチュウが壇上に上がる。

長老ピカチュウ「え〜・・・。今年も決して我々ピカチュウにとって楽な年ではなかったと思う。じゃが、我々ピカチュウが倒れたら、ポケモン界は終わりじゃ。我々はポケモン界の柱であることを一人一人が理解し、皆で協力し、共にポケモン界を支えていこうではないか。」

「ううっ。長老・・・!」

会場のピカチュウ達が一斉に涙ぐむ。

プリン「(そっか。ひどい会だと思ってたけど、皆ポケモン界を支えていこうと頑張ってるのね。忍び込んだりして悪いことしちゃったかしら・・・。)」

こうしてピカピカサミットはおひらきとなった。


プリン「ふう。ただいまー。ピカチュウ君達も頑張ってるんだし、私達プリンも頑張らないとなあ。」

ププリン「お姉ちゃんおかえり〜!お手紙来てるよ!」

プリン「あら。誰からかしら?」

ププリン「あのね、プリプリサミット招待状だって!」

プリン「本当にあったの!!?」
続く


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