ここはポケモン島・・・。

ハンター事件収束後、1ヶ月程の月日が流れ、ピカチュウたちは高校3年生になった。

各ポケモン島は、事件後にセキュリティバリアや島の管理体制の見直しがされた。

まず行われたのは、他の近隣のポケモン島との協力体制の強化である。

これは、今後また大きなトラブルがおこっても、ポケモンアイランド全体で連携をとっていけるようにするためのものだ。

ピカチュウたちの「東ポケモン島」と並ぶ大きな島である「西ポケモン島」「北ポケモン島」「南ポケモン島」はもちろんのこと、「白黒島」や「XY諸島」と呼ばれる今までほとんど交流のなかった島々との交流が盛んになった。

それにより、たくさんのポケモンが他の島からやってきて、これまで以上に様々なポケモンが東ポケモン島に住むようになったのである。

ポケモン高校にもたくさんの編入生がやってきた。

今日は始業式、入学式と共に、その編入生たちを歓迎する「編入生歓迎会」が体育館にて行われていた。


ピカノ「よおお前ら!5年ぶりだな!」

ピカチュウ「5年もたってない!まだ1ヶ月!いきなりなに言ってんだよ!」

ピカノ「あ〜、そうだったな。なんか久しぶりな気がしてな。さて、お前らも知ってのとおり、今年から他の島からの編入生がたくさん来た。今日はその代表の連中に挨拶してもらうからな。」

レオン「うわあ、楽しみだな。」

プリン「本当に知らないポケモン増えたよね〜。強い奴とかいないかしら?」

代表の編入生たちが壇上に上がる。

ピカノ「そんじゃ、端から挨拶していけ。」

まず前に出てきたのは、大きな耳と赤いほっぺのポケモン・・・。

デデンネ「こんにちは!XY諸島から来ましたデデンネです!」

ピカチュウ「おらあ!」

ピカチュウの爆裂パンチ!

デデンネ「ぎゃああああああ!!なんで!?」

ピカチュウ「ほっぺがかぶってて気に入らない。」

デデンネ「そ、そんな〜!見たでしょ先生!暴力です!」

ピカノ「あ〜?まあいいんじゃん?ほら、次。」

デデンネ「スルーされた!!」

続いて前に出てきたのは、クリっとした目と黄色いほっぺのポケモン・・・。

エモンガ「白黒高校から来ましたエモ・・・」

レオン「アイアンテール!!」

エモンガ「ンガアアアアアアアアア!!」

レオン「みんなして僕らのほっぺパクるな!」

エモンガ「ええ!?そんなこと言われても!」

ピカノ「はっはっは。流行なのか?そのほっぺ。」

ピカチュウ「違う!ファッションみたいに言うなよ!」

ホルビー「な、なんだかすごくバイオレンスな高校に入ってしまった気がする・・・。」

フシギダネ「なに言ってんだ。まだまだこんなもんじゃないぞ。」

マッギョ「マジっすか。ポケモン高校こわっ・・・。」


いきなりの悲惨な歓迎会にビビる編入生達。

見かねたリザードン先生がピカチュウたちを止めに入る。

リザードン「おい落ち着け!気持ちはわかるが友好的なイベントだからこれ!!」

ピカチュウ「ぬう・・・。」

ピカノ「さて、次だ次!」

メロエッタ「うふふ。次は私ね。きっとみんなビックリするわ。」

白黒島出身のメロエッタはアイドルである。

アイドルが学校に編入などしてきたら、それはもう大盛り上がりに違いない、というのがメロエッタの考えであった。

メロエッタ「白黒島から来ました!メロエッタです!よろしくお願いしま〜す!」

ピカノ「はい拍手〜。」

ぱちぱちぱち・・・。

メロエッタ「・・・あれ?反応薄くない?」

反応薄いのも当然。ポケモン島の女性アイドルはサーナイト1強で、メロエッタはアイドルとして全然売れていなかった。

ましてや今までの活動のメインは白黒島なので、はっきり言って知名度はゼロだ。

負けじとアイドル時の自己紹介をはじめるメロエッタ。

メロエッタ「あなたの心をメロメロに!メロメロ〜・・・メロエッタ〜!」

しーん・・・

ソーナンス「なんやそのネタ?すべっとるで〜!」

メロエッタ「ネタ!?違うわよ!ここは『メロエッタ〜!』の部分を皆で一緒に言うところでしょ!?みんな私のこと知らないの!?」

うめぼし「僕おねえちゃん知ってる〜!」

メロエッタ「でしょ!?ああ、やっといたわメロリスト!(メロエッタファンのこと)」

うめぼし「プリ○ュア!」

メロエッタ「違うわよ!!アイドルのメロエッタを知らないの!?ぶっちゃけありえない!!」

ヘラクロス「アイドル?プリンの方が数倍いい。」

サワムラー「ブースターのほうがずっといい。」

ミュウツー「カルピスのほうがいい。」

メロエッタ「ひどい!私、堪忍袋の尾がキレました!!絶対に許さない!!」

リザードン「まあまあ落ち着けって。ピカノ!進めろ!」

ピカノ「おう。そんじゃ次〜。」


続いてのポケモンが奇妙な機械音のような足音をたてて前にでてくる。

ゲノセクト「シロクロトウカラキタ、ゲノセクトデス。ヨロシク。」

うめぼし「ロボットだ!カッコいい!!」

ゲンガー「ワオ!ワンダフル!」

マクノシタ「ぶふっ!ロマンがつまってますなあw」

ゴースト「写真写真!」

ミュウ「どうやって動いているんだい?電気?」

カイリキー「かがくのちからってすげー!!」

メロエッタ「ムキ〜!私より人気ある〜!!」


ピカノ「はい、次〜。」

鳥のようなポケモンが前にでる。

ファイアロー「XY諸島から来たファイアローです。よろしく。」

ボーマンダ「焼き鳥・・・。」

ファイアロー「・・・え?」

ボーマンダ「焼き鳥食わせろおおお!!」

ファイアロー「うわあああああ!なんだこいつ!?」

ボーマンダとファイアローは追いかけっこをはじめた。

ピカノ「はい次次〜。」

ホルビー「本当に動じないっすね・・・。」


大柄で少し怖そうなポケモンが前にでる。

ゴロンダ「XY諸島のゴロンダだ。」

リザードン「おいコラ!そのくわえてる葉っぱ、タバコみたいで感じ悪いぞ!挨拶するときくらい口からだせ!」

ゴロンダ「いや、これは・・・。」

ゴロンダの口から葉っぱを取り上げるリザードン。

ゴロンダ「ぐわあああああああああああ!!!」

葉っぱが口から離れた瞬間、大声をあげてのたうちまわるゴロンダ。

リザードン「うわっ!おいどうした!?」

ゴロンダ「葉っぱあああああああ!!俺はその葉っぱがないとダメなんだああああああ!!苦しいいいいい!!はやく!はやく葉っぱああああああ!!」

リザードン「そ、そうなのか!?すまん!ほら、くわえろ!」

ゴロンダに葉っぱを差し出すリザードン。

一方、まだ追いかけっこ中のボーマンダとファイアロー。

ボーマンダ「焼き鳥!焼き鳥食わせろおおお!!」

ファイアロー「いいかげんにしろ!俺は焼き鳥じゃない!!」

ファイアローの火炎放射!

しかしファイアローの狙いははずれ、リザードンのほうに向かっていった。

リザードン「うわっ!危ねっ!」

間一髪避けたリザードン。しかし、手元の葉っぱがその身代わりとなり、燃え尽きていた。

リザードン「ああっ!葉っぱが!」

ゴロンダ「ぎゃああああああ!!俺の葉っぱあああああ!!」

リザードン「やばい!フシギダネ!お前ゴロンダにくわえられろ!代わりになるかも!」

フシギダネ「ふざけんな!キスみたいじゃねえか!!」

チコリータ「わ、私人命のためならゴロンダさんにファーストキスを・・・。」

プリン「やめてチコちゃん!もっと女大事にして!ほらフシギダネ君!あんたがやりなさいよ!」

フシギダネ「嫌だ!嫌だあああ!!」


ピカノ「いや〜。騒がしくなってきたな。これぞポケモン高校だよなあ。」

うめぼし「ねえねえ。ビームとか出せる?」

ゲノセクト「ダセマスヨ。ヤッテミセマショウカ。」

うめぼし「見たい見たい〜!」

ゲノセクト「デハオミセシマショウ。」

ウイーン、ガシャ・・・。

ピカチュウ「いや、ちょっとここ体育館・・・。」

ピカチュウの静止むなしく、次の瞬間にはゲノセクトの砲台から無数のビームが発射されていた。

ピカチュウ「しかもうちすぎいいいいい!!」

ドゴオオオオオオン!!!

大きな音を立て、体育館はくずれさった。


ピカノ「はっはっは!いきなり体育館大破とはな!と、いうことでようこそ諸君!ポケモン高校へ!」

ホルビー「マジでいつもこんな感じなんすか・・・。」

ピカチュウ「まあ大体ね・・・。」

ゴロンダ「葉っぱ!葉っぱああああああ!!」

こうしてピカチュウたちの新しい学校生活が今年もスタートしたのであった・・・。
続く


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