ピカチュウ達の暮らすポケモン島は、正式には東ポケモン島という。

そもそもポケモン島には、東ポケモン島・西ポケモン島・南ポケモン島・北ポケモン島の4つが存在している。

ちなみに、ピカ爺の住む遠いポケモン島などの小さい島は、東西南北ポケモン島の中で一番近いものに分類される。

これらを総称してポケモンアイランドと呼ぶ。


ピカチュウ「ふむふむ。ポケモン島で銀行強盗か〜。いや〜、なんだか最近本当に物騒だな〜。ピチュー達も外で遊ぶときは気をつけなよ?」

ピチュー「は〜い。」

トゲピー「トゲ〜!」

ピカチュウ「さて、僕は学校行ってくるね。」

ピチュー「いってらっしゃ〜い。」

トゲピー「トゲ〜!いってらっちゃ〜い!」


2年3組教室

ピカチュウ「ピカノの奴、遅いな〜。」

ミュウツー「まあ、あいつのことだ。どうせ職員室で居眠りでもしてるんだろう。」

ピカノ「おいおい、失礼なこというな。職員会議が長引いたんだよ。」

ピカチュウ「あ、ピカノ。」

ピカノ「いや〜、実はよお。このポケモン島に人間が入ってきたっていうんで騒いでたんだよ。」

ピカチュウ「人間!?」

ペルシアン「先生。この島には特殊なバリアが張られていて人間には入れないようになっている、と聞いたことがありますが。」

ピカノ「ああ。そうだ。それにも関わらず入ってきたからもめてるんだ。その特殊なバリアが壊れたんじゃないかってな。」

ピカチュウ「壊れたらどうなるんだ?」

ピカノ「この島にも人間が大量に入ってくることになる。」

キルリア「えぇ〜。キル、それちょっとやだな〜。」

ピカチュウ「ねえ、じゃあ校長はどうなるわけ?あいつも人間だろ?」

ピカノ「ああ、あのジジイは偶然バリアを潜って入ってきたって聞いた。ま、そういうこともあるってことだ。あんま深刻に考えることはないと思うけどな、俺は。大体、そのバリアはもう何百年何千年と壊れてないんだ。今更壊れないだろ。なんてったって特殊な力で出来てるんだからな。」

たまっち「わはは。僕は人間でもポケモンでもないけど、この島に入れたもんよ。」

ピカノ「・・・それが一番わけわからないんだっつーの。」

ピカチュウ「で、その人間はどうしたの?」

ピカノ「校長が船を与えて帰らせてやった。その人間、遭難者みたいだったからな。」

ピカチュウ「へぇ〜。でもちょっと見たかったなあ。校長以外の人間。」

ゴースト「あははははは。そうですねえ。ぜひとも写真におさめてみたかったものです。」

ピカノ「ほらほら!くだらねえこと言ってないで授業はじめるぞ!」


次の日

ピチュー「兄ちゃん早く〜!」

トゲピー「トゲ〜!はやくはやく〜!」

ピカチュウ「こら!はしゃがないの!」

ピチュー「だって兄ちゃんとお出かけ久しぶりだから嬉しいんだもん!」

ピカチュウ「ははは。でも今からそんなに飛ばしちゃ後でバテちゃうよ?・・・ん?」

人間「・・・やあ。」

ピカチュウ「(・・・人間!?)」

人間「へぇ。ピカチュウにピチューにトゲピー。みんな喋れるのか。この島が珍しいポケモンの楽園だってのは本当らしいな。」

ピカチュウ「・・・はあ。」

人間「そんじゃ、ゲットしないとな。」

ピカチュウ「あれは・・・モンスターボール!ピチュー!トゲピー!走れ!」

ピチュー「えっ!?」

人間「おっと!待てよ!」

ピカチュウの高速移動!

人間「ちぇっ。逃げられちまった。」

ポケモン島緊急島内放送です!ただいま、人間が島に侵入し、ポケモンを手当たり次第に捕獲をしているとの情報が入りました!皆さん、速やかに避難してください!

人間「おお、同志たちも派手にやってるみたいだなあ。さて、俺も頑張って捕まえなきゃ。」


ポケモン高校体育館

ピカチュウ「はぁ、はぁ・・・。なんとか逃げられたな・・・。」

レオン「ピカチュウ君!」

ピカチュウ「レオン!皆!」

プリン「よかった!無事だったのね!」

ピカチュウ「なあ!なんなんだよあいつら!今そこで人間に会ったぞ!しかも真っ先に僕らを捕まえようとしてきた!」

ピカノ「・・・まったくだ。おい!校長!」

ピカチュウ「ピカノ!」

ピカノ「たった今。ハクリューが俺の目の前で奴らにつかまった。」

ピカチュウ「ハクリューさんが!?」

ピカノ「どういうことなんだよ!人間ってのはあんなのばっかりなのか!?」

校長「・・・そんなわけないじゃろう!本来ならポケモンと人間はずっと昔から仲良く生きてきた、いわばパートナーのような関係じゃ!」

ピカノ「じゃあなんなんだよ!」

校長「・・・奴らはポケモンハンター。ポケモンを手当たり次第に捕まえてはコレクターや悪質なトレーナー、もしくはロケット団のような悪い組織に売ったりして金を稼いでいる奴らじゃ・・・。」

ピカノ「・・・おいおい。そんな奴らがなんでここに?」

校長「やはり・・・バリアが壊れてしまったのかのお・・・。」

ミュウ「皆!これを見て!人間向けのインターネットにアクセスしてみたんだ。そしたら案の定!悪質なポケモンサイトにポケモン島の位置が晒されている!だから悪い人間ばかりが島に来るんだ!」

ピカノ「何!?」

校長「・・・これで決まりじゃ。ポケモン島は人間には特殊なバリアで入れなくなっとる。場所だけわかっても仕方が無い。それにも関わらず大量の侵入!間違いない。ポケモン島を守るバリアが壊れておる!この前人間が来たのもそのせいじゃ!」

ピチュー「・・・ねえ、兄ちゃん。」

ピカチュウ「ん?」

ピチュー「ポケモン島・・・どうなっちゃうの?」

ピカチュウ「ははは。どうにもならないよ。心配しないで。」

リザードン「・・・しかし、いまだにここに避難してこない奴がたくさんいるな。どこか違う場所に逃げているといいのだが・・・。」

ピカノ「しかし!ハクリューはもう捕まっちまったんだぞ!どうすんだよ!」

プリン「もう我慢できない!私、あいつらのことぶん殴ってくる!!」

校長「待て!危険じゃ!いくらお前が強くても、捕まったら最後じゃぞ!」

カイリキー「なあ。そのモンスターボールってのに入れられると二度と逃げられないのか?洗脳でもされちまうのか?」

リザードン「いや、それは問題ないだろう。俺たちは普通のポケモン達より自我がずっと強い。」

ソーナンス「せやったら、そのモンスターボールから一度でも出れたら逃げられるんちゃうか?」

校長「・・・いや、人間界は広い。逃げたところで、この島へ戻ってこれるかどうか。それに嫌なコレクターなんかに売られてしまえば、一生逃げられない強力な檻の中で生き物扱いされない見世物生活になったりすることもある。」

サンダース「しかし、モンスターボールの捕獲率は100%ではないと聞く。強力なポケモンならば滅多に捕まることは無いはず。」

プリン「だったら!私は絶対に捕まらない自身ある!」

校長「そ、そうか。うむ。そのとおりじゃ。強力なポケモンはバトルでダメージを与えたりしてようやく捕まえられる。それが基本じゃ。ボールに入れられてももしかしたら捕まらずに・・・。」

ピカノ「ボールか。これだな。ハクリューが捕まったときにこぼれ球を拾ってきた。」

校長「・・・む?そ、それはっ!!」

ピカノ「なんだ?」

校長「そ、それは普通のモンスターボールではない!マスターボールじゃ!」

ピカノ「マスターボール?」

校長「うむ。どんな強力なポケモンも100%捕まるというとんでもないボールじゃ!しかし、生態系を崩すという理由で一般販売はされず、とてつもなく当選確率の低い懸賞なんかでようやく1つ手に入るような貴重な道具のはずなのじゃが・・・。」

ピカノ「・・・おいおい。マジか?そいつはやばいな。」

リザードン「よし、試してみるか。ほれっ。」

リザードンは偽マスターボールを使った!

ピカノ「うわっ!」

やったー!ピカノを捕まえたぞ!

リザードン「うわっ。マジで一瞬で捕まる。ほら、出てこい。」

ピカノ「うげげ〜っ!!なんだよこの中!狭くて暗くて汚くて臭くて・・・とにかく最悪だ!!」

ミュウ「おかしいなあ。モンスターボールの中はポケモンたちにとって快適に作られているはずなんだけど・・・。あっ!」

ピカノ「げほっげほっ。あ?どうした?」

ミュウ「先生!さきほどの悪質なポケモンサイトでマスターボールの複製が大量に取引されています!きっと複製だからボールの居心地も悪いんですよ!」

校長「むうう・・・。これはいかん。これではボールを当てられたら100%捕まってしまう・・・。」

リザードン「くそっ!ハンター共め!本気でこの島のポケモン全部捕まえちまう気か!」

ピカノ「どうすんだよ?少しでも近づいたら話す間もなく捕まっちまうんじゃどうしようもねえぞ!?」

校長「・・・。ワシが行こう。」

ピカノ「校長!」

校長「ほっほっほ。ワシなら捕まる心配もないしのお。奴らも話せばわかってくれるかもしれん。ピカノの妹も必ず返してもらってくる。待っとってくれ。」

ピカノ「・・・校長。」


ハンター2号「なあ、お前何匹捕まえた?俺、5匹。」

ハンター3号「勝った〜。俺8匹。」

ハンター4号「ちぇっ。俺まだ2匹だ。他のハンターもどんどんこの島に来てるみたいだし、早く捕まえないとな。」

ハンター2号「へっへっへ。しかし本当に最高の島だぜ。ここのポケモンは喋れるからな。どのポケモンも間違いなく高値で売れるぜ。マスターボールの複製を大量に買う価値があるってもんよ。」

校長「お前達!」

ハンター3号「あ?なんだ爺さん。まさかあんたもハンター?」

校長「・・・頼む!ここから出て行ってくれ!」

ハンター4号「・・・は?なんなんだ?お前。」

校長「ここは・・・ここはポケモン達の楽園なんじゃ!頼むからここを・・・ここをこれ以上荒さんでくれ!」

ハンター2号「だから、なんなんだ?お前。」

校長「ワシは・・・ポケモン研究者じゃ。昔、ポケモン調査に出かけ、運悪く漂流して死にそうじゃった時、ワシを助けてくれたポケモンがおった。長老ジーランスじゃ。
ジーランスが一緒じゃったおかげでワシはバリアを抜けポケモン島に入ることが出来た。
そこでワシは目を疑った。誰が伝えたか知らんが人の言葉を喋るポケモン達!そしてポケモン達の街!
ワシは大喜びで島のポケモン達を調査した!そしていずれは人間界に帰ってこの島でのことを発表してオーキド博士をも超える有名な博士になる・・・はずじゃった。
しかし、この島にいるうちにその考えは無くなった。この島はポケモン達の楽園。人間に発表などしたら、この楽園が荒らされるかもしれん。
それと共にワシは、ここでのポケモン達との暮らしが楽しくてたまらなくなった。そして決めた。生涯この島でポケモン達と暮らそう、と。
その後、ワシは学校を作った。それがポケモン学園じゃ。この島のポケモン達に自分の持っている知識を少しでも伝えたかったのじゃ。
この島はポケモン達の楽園。楽園なんじゃ・・・!頼む!頼むから帰ってくれ!」

ハンター2号「ふん。くだらねえ。行け!ボスゴドラ!このジジイをぶっ飛ばしてやれ!」

ボスゴドラ「ぎゃあ〜すっ!!」

校長「うわっ!」

ピカノ「どりゃあ〜っ!破壊光線!」

リザードン「火炎放射!」

ボスゴドラ「ぐおおおお〜っ!!」

校長「お、お前達!」

ピカノ「へっへっへ。来ちまったぜ。」

リザードン「交渉は決裂だ!一旦逃げるぞ!」

ハンター3号「おおっ!カイリューにリザードン!またまたレアポケモンじゃんよ!」

ハンター4号「よっしゃ!こんどこそ俺がゲットしてやる!マスターボール!」

プクリン「皆さん!目をつぶってください!」

ピカノ「プクリン先生!」

プクリン「フラッシュ!」

ハンター4号「ぐおっ!目が!」

ピカノ「よっしゃ!ナイスだプクリン先生!」

リザードン「もう一度学校へ行くぞ!」

校長「ぬう・・・!」


ラッタ「交渉は決裂でしたか・・・。まいりましたね・・・。」

ニドキング「やはり彼らを無理やり追い出すしかない、ということですか・・・。」

ニョロゾ「それだけではありませんね。ポケモン島のバリアが壊れている限り、追い出しても新手が次々にやってきます。どうにかしてそのバリアを修復しなければ。」

ピカノ「うむむ・・・。どうするか・・・。そもそも、そのバリアの仕組みがわからねえからなあ。」

ミュウ「先生、そのことなら。これを見てください。先月と今のポケモン島のデータなのですが・・・先月までの島には今にはない何か意味深な電磁波が流れていることがわかったんです。この電磁波が人を寄せ付けなくするバリアの正体なのではないかと。」

ピカノ「おお、さすがミュウ!調べが早いな!」

ミュウ「しかし・・・。この電磁波をどうしたら流せるのかがまだ・・・。」

たまっち「わはは。ミュウ君。その電磁波のことを詳しく教えてくれたら僕が電磁波を流す装置を作れるかもしれないもん。」

ミュウ「本当かい!たまっち君!」

リザードン「よし!そっちの方はお前ら2人に任せた!それじゃあ俺らはどうやって奴らを追い出すか、だな。」

ピカノ「追い出すだけじゃダメだ。捕まった奴らが入ったモンスターボールを全て取り返した上じゃないとな。」

ゴースト「なるほど。それなら私に任せてください。」

ピカノ「ゴースト!」

ゴースト「夜になったら奴らも寝るでしょう。その頃になったら私が透明になってこっそりボールを奪ってきます。」

リザードン「うむ、それはいい考えだ。しかし、奴らが今日中に帰ったりしたら・・・。」

ピカノ「・・・。え〜い、めんどくせえ!帰られたら帰られたで、そのことは後で考えよう!奴らは俺らをほぼ全滅するまで捕まえるはずだ。恐らく泊りがけだろう。そうと決まれば、とりあえず夜までは全員、この場を動くな!」

リザードン「すまないなゴースト。お前一人に任せちまって。」

ゴースト「いえいえ。大役を務められて光栄です。あはははははは。」


その夜

ハンター2号「zzz・・・」

ゴースト「あはは・・・。よく寝ていますね。」

ヤンヤンマ「!!」

ヤンヤンマのみやぶる!

ゴースト「あっ!しまった!」

ハンター3号「どうしたヤンヤンマ!あっ!お前!ボールを取り返しに来たか!」

ハンター4号「くらえ!マスターボール!」

ゴースト「ひええええっ!」


翌日・昼

リザードン「・・・遅い。ゴーストの奴、いくらなんでも遅すぎる。なにかあったのでは・・・。」

ピカノ「ゴースト・・・!」

ヒノアラシ「うわあああ〜!!もうダメだ!みんな捕まってしまうんだ!これでポケモン島は終わりだ!」

キルリア「え〜ん!キル怖い〜!!」

ミュウ「み、皆!しっかりするんだ!大丈夫!大丈夫だから!」

ガラッ

ピカノ「誰だ!?」

エルレイド「すいません。驚かせて。僕は台派高校のエルレイドと申します。こちらはミミロップ。」

ミミロップ「はじめまして。ミミロップです。」

アブソル「うわっ!」

ミュウツー「・・・アブソル。なぜ私の後ろに隠れる?」

アブソル「あ、いや、別に・・・。」

ニョロゾ「台派高校・・・。北地区の高校ですね。で、どうしてここへ?」

エルレイド「・・・台派高校は僕たちを除いてほぼ全滅しました。」

ピカノ「何!?」

ミミロップ「北地区はもっとひどい有様で・・・。今も乱獲が続いています。台派高校もハンター撃退作戦を考えていたところだったのですが・・・。」

エルレイド「そこで、僕たち台派高校は皆さんのポケモン高校に協力させていただきたい。僕たちも仲間を助けたいんです!お願いします!」

ミミロップ「・・・ダメですか?」

ピカノ「はっはっは。いいに決まってるだろう?任せろ。お前たちの仲間も必ず助け出してやる。」

リザードン「仲間も増えるしな。」

ミュウ「そうと決まれば作戦を練り直しましょう!皆、集まって!」


そのころ。

ハンター2号「ポケモン共が見当たらないな。」

ハンター3号「ちっ。俺たちに感づいて隠れてやがるようだな。」

ガサッ

ハンター4号「何だ?」

カモネギ「くくく・・・。」

ハンター3号「カモネギだ!捕まえろ!」

カモネギ「待て!まずは俺の話を聞け。」

ハンター4号「は?」

カモネギ「単刀直入に言おう。あんたら・・・俺と手を組まないか?」

ハンター2号「・・・何?」


ポケモン島に訪れた最大の危機!

緊迫した状況のまま次回へ続く!
続く


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