ホーホー「う〜む。今日も平和だ。これも我がホーホー隊が日々、島の平和を守っているおかげだな!はっはっは!」

カメックス「ちょっとお尋ねします。」

ホーホー「む?なんだ?ここら辺では見かけない顔だな。」

カメックス「こんな顔したゼニガメをご存じないですか?」

カメックスは写真を取り出した。

ホーホー「ふむ・・・。おお、知っているぞ!フシギダネとかいうカエルと一緒に住んでいる子供だろう?確か・・・ぜにぼうとか呼ばれていたな。あっちの家に住んでいる。」

カメックス「カエルと?ほう・・・。教えていただいてどうも。では、私はこれで。」

ホーホー「うむ。達者でな。・・・しかしあの男、子供なんぞに何の用があるんだか。」


フシギダネ家

カメックス「お邪魔します!」

フシギダネ「あ?」

カメックス「ゼ、ゼニガメ!!」

うめぼし「うむあ!?」

カメックス「いや〜、大きくなったな、ゼニガメ!」

うめぼし「うあ〜。おじさん、誰〜?」

カメックス「う〜む。さすがに覚えていないか・・・。まあ仕方が無い。小さかったしな。私はな、お前の父親だ!探したぞ、ゼニガメ!」

うめぼし「???」

カメックス「・・・。しかし、ちょっと大きくなりすぎている気がするな。成長が早いのか?なんとなく顔も違うような・・・。こんな間抜け面だっけ?」

うめぼし「間抜け面って言うな〜!!」

カメックス「・・・お前、ゼニガメじゃないな!?」

うめぼし「ううん、ゼニガメだよ〜?今はうめぼしって呼ばれてるけど。」

カメックス「う、うめぼし?・・・ち、違う!お前は私の子供ではないな!」

うめぼし「うん、違うー。」

カメックス「な、なんてことだ。人違いとは!では私の子供は・・・はっ!」

カメックスは部屋に飾られている写真に目をやった。

カメックス「この子供だ!この子供は今どこに!?」

フシギダネ「おい、おっさん!いきなり人の家に入ってきておいて何なんだ?」

カメックス「おっと、これは失礼。つい我を忘れてしまいました。私、遠いポケモン島から参りました。カメックスと申します。」

フシギダネ「はあ・・・。それはまたずいぶん遠いところから・・・。で、その写真の子供、ぜにぼうがどうしたって?」

カメックス「ぜにぼう!そうだ!確かにそう呼ばれていると言っていた!そうです!その、ぜにぼう君のことです!」

フシギダネ「ぜにぼうは今、遊びに出かけている。・・・ぜにぼうと、どういう関係なんだ?」

カメックス「ゼニガメ、いえ、ぜにぼう、と呼びましょうか。ぜにぼうは・・・私の息子です。」

フシギダネ「・・・何?」

カメックス「・・・ぜにぼうと会った時のことは覚えてらっしゃいますか?」

フシギダネ「・・・ああ。クリスマスパーティーの時だな。」

カメックス「ええ、そうです。当時、私は貧乏で、とても子供を育てられるような状態ではなく・・・。誰か良い人に拾ってもらえるようにと、ぜにぼうを泣く泣くパーティーのどさくさに紛れて捨てたのです。」

フシギダネ「・・・。」

カメックス「しかし、後悔したのはその後でした・・・。やはりかわいいぜにぼうが忘れられず・・・。4年間ぜにぼうを探し続け・・・。そして今日、ようやくここへたどり着いたのです!」

フシギダネ「・・・・・・。」

カメックス「自分勝手だということはわかっている上でお願いします!ぜにぼうを、ぜにぼうを返してください!どうか!どうかお願いします!!」

数秒間の沈黙が流れる。

フシギダネ「・・・わかりました。」

うめぼし「ええっ!?」

カメックス「ほ、本当ですか!?」

フシギダネ「・・・。やっぱり本当の親の元が一番だと思いますから。」

カメックス「あ、ありがとうございます!!」

うめぼし「ダメだよー!ダメだよー!」

フシギダネ「お前は黙ってろ!」

うめぼし「ふああ・・・。」

カメックス「あの、では、いろいろ準備もあるでしょうから明日の昼、ぜにぼうを引き取りに伺います。その後、遠いポケモン島へ帰ります。」

フシギダネ「・・・はい。」

カメックス「では、本当にありがとうございます。・・・それでは。」

それだけ言うとカメックスは帰っていった。


その晩

ぜにぼう「ただいま〜!」

フシギダネ「遅いぞ!・・・まあいい。晩飯が出来てるぞ。お前の好きなものばっかりだ。ちゃんと手を洗って来いよ。」

ぜにぼう「うわ〜い!やった〜!」

フシギダネ「・・・なあ、ぜにぼう。」

ぜにぼう「なあに?」

フシギダネ「前のパパやママのことって覚えてるか?」

ぜにぼう「ん〜・・・。あまり覚えてない!」

フシギダネ「ははは。そっか。お前小さかったもんな。今も小さいけど。」

ぜにぼう「む〜!僕だって大きくなってるもん!」

フシギダネ「ははは・・・。・・・それでな、今日、お前の本当のパパと会ったんだ。」

ぜにぼう「・・・え?」

フシギダネ「お前をな、明日引取りに来るって。」

ぜにぼう「・・・どういうこと?」

フシギダネ「俺とお前は・・・もうお別れってこと。」

ぜにぼう「お別れ!?パパと!?そんなのやだ!!」

フシギダネ「ワガママ言うんじゃない!」

ぜにぼう「やだ〜!!やだ〜!!本当のパパなんていらない〜!!や〜だ〜!!!」

フシギダネ「ぜにぼう!聞きなさい!いいか、明日の昼に本当のパパが迎えに来る。だから朝、俺と一緒にお世話になった皆に挨拶に行くんだ。・・・いいな?」

ぜにぼう「うっ・・・。うっ・・・。」


次の日

フシギダネ「ぜにぼう!今日は皆にお別れの挨拶に行くって言っただろ!」

ぜにぼう「行かない!お別れなんかしないもん!」

フシギダネ「ぜにぼう〜・・・。頼むから!無視キング買ってやるから!」

ぜにぼう「行かない!無視キングいらない!」

フシギダネ「ああ〜・・・。もう!」

ピンポーン!

ピカチュウ「フシギダネ!」

フシギダネ「あ、ピカチュウ。それにプリンも。どうして?」

ピカチュウ「ぜにぼう君のこと、うめぼしに聞いてさ。ピチュー達を連れてきたんだ。」

フシギダネ「いや〜、よかった。ぜにぼうが動こうとしないから困ってたんだよ!」

ピチュー「ぜにちゃ〜ん!」

ププリン「お別れなんて嫌だよ〜!」

トゲピー「トゲ〜!やだよ〜!」

うめぼし「うわーん!うわーん!!」

ぜにぼう「うえ〜ん!みんな〜!」

プリン「でもフシギダネ君。・・・本当にいいの?」

フシギダネ「・・・いいんだ。所詮、俺なんて偽者のパパだしな・・・。一度捨てたとは言え、4年間もぜにぼうを探し続けるような人だ。ぜにぼうも今度こそ幸せになれるはずだ。」

ピカチュウ「フシギダネ・・・。」

そこにカメックスが運転する車が停車する。

フシギダネ「・・・来たぞ。」

カメックス「・・・。ぜにぼう・・・。わかるか?パパだぞ!」

ぜにぼう「お前なんて知らないもん!パパはこっち!」

フシギダネ「ぜにぼう・・・。」

カメックス「おいで、ぜにぼう。私が本当のパパだよ?」

ぜにぼう「違うもん違うもん!」

フシギダネ「・・・。車に乗るんだ。ぜにぼう。」

無理やり車にぜにぼうを押し込めるフシギダネ。

ぜにぼう「嫌だ!嫌だ〜!パパ〜!みんな〜!!」

カメックス「それでは皆様。失礼します。」

フシギダネ「・・・はい。ぜにぼうを・・・よろしく。」

カメックスが運転席に乗り込む。

ピチュー「ぜにちゃ〜ん!」

フシギダネ「・・・じゃあな、ぜにぼう。」

ぜにぼう「パパ!パパ〜!!」

車はあっという間に見えなくなってしまった。

フシギダネ「・・・さて、ぜにぼうの部屋でも片付けるか。」

ピカチュウ「・・・僕らも手伝うよ。」


ぜにぼう「うわ〜ん!パパ〜!パパ〜!」

カメックス「だからお前のパパは私で・・・。」

ぜにぼう「お前なんかパパじゃない!え〜ん!え〜ん!」

カメックス「・・・。」

カメックスは車を止めた。

カメックス「うるせえんだよ、このガキ!」

カメックスはぜにぼうを殴りつけた。

ぜにぼう「うわあっ!!」

カメックス「ギャーギャーギャーギャーわめきやがって。ちょうどいい。お前の言うパパとやらもとっくに見えなくなってるし、もう演技の必要も無いだろう。よし、いい事を教えてやる。」

ぜにぼう「・・・?」

カメックス「俺はなあ、元々ガキが嫌いだったんだよ!特にお前は泣き虫で、何度ぶん殴っても泣き止まねえ。 しかも俺の前の妻、お前の母親が余計なことをしやがった。あいつは俺の知らないうちにお前を何処かへ逃がしちまったんだ!俺の暴力から逃れさせるため、とか言ってな! しかし、お前の母親と別れた後、最近になって気づいちまったんだ。退屈になってる自分に!そうだ!俺にとってお前をぶん殴ることは楽しみであり趣味だったんだよ! へへへ・・・。喜べよ。今の俺はお前を必要としてるんだぜ?ただし、ストレス解消の道具としてだがな!今ならよお、再婚した意地悪な妻がいるから更にかわいがってやれるぜえ?へへへへへ・・・!」

ぜにぼう「う・・・う・・・うわああああああああああん!!」

ぜにぼうは車を飛び出した。

カメックス「ちっ!待ちやがれ!」

カメックスはぜにぼうを捕まえ、更に殴りつけた。

カメックス「大人しくしやがれ。お前は所詮・・・俺のサンドバッグなんだからよお・・・!」

ぜにぼう「うう・・・。パパ・・・。」

ホーホー「むむむっ!あの男は・・・!そしてあれはカエルのところの亀の子・・・!これはいかん!ここは私が!」

ヒトデマン「シュワーッチ!!正義のヒーロー、ヒトデマン参上!子供をいじめるとは・・・許せん!」

カメックス「ちっ。見られちまったか。仕方ねえ。記憶もぶっ飛ぶくらいにタコ殴りにしてやる。」

ホーホー「げっ!ヒトデマン!先を越されたか!ぬう・・・。こ、これは救援が必要だな。」


フシギダネ家

フシギダネ「うっ・・・。うっ・・・。ぜにぼう・・・。」

プリン「フシギダネ君・・・。」

ホーホー「大変だ!大変だ〜っ!!」

ピカチュウ「うわ〜・・・。KYな鳥が来た・・・。なんだよ?しんみりしてる時に。」

ホーホー「馬鹿者!それどころではない!おいカエル!お前、あの亀の子はどうしたのだ!?」

プリン「ちょっと!今それを言ったらダメ!」

ホーホー「だ、だがしかし!お前のところの亀の子が今、カメックスにボコボコにされているのだぞ!?」

フシギダネ「・・・なに?」

ピカチュウ「ど、どういうことだよ!?」

ホーホー「私が知るか!とにかく緊急事態なのだ!あの亀の子はお前の大事な子なのではなかったのか!?」

フシギダネ「・・・ぜにぼう!」

フシギダネは駆け出して行った。


ヒトデマン「ぐはあっ!ヒ、ヒーローのピンチ!ここで次回に続く・・・!」

カメックス「続かん!」

ヒトデマン「ぐほっ!そ、そこの少年よ!『頑張れヒトデマン!』と叫ぶのだ!そうすれば私は復活・・・!」

ぜにぼう「ううう・・・。」

ヒトデマン「む、無理か・・・!」

フシギダネ「ぜにぼう!!」

ぜにぼう「パ・・・パパ・・・?」

フシギダネ「お前・・・!これは一体どういうことだ!?」

カメックス「・・・ちっ。見られちまったからには仕方が無い。俺はなあ、元々ガキが嫌いだったんだよ!2回目なので以下省略だ!」

フシギダネ「貴様・・・!そういうことだったのか・・・!」

フシギダネの葉っぱカッター!

カメックス「おっと!やるのか?言っとくが・・・俺は昔、柔道部の主将をやってたことがあるんだぜ?」

フシギダネはカメックスに軽々と投げられた!

フシギダネ「ぐあっ!」

ぜにぼう「パパー!!」

ピカチュウ「あそこです!」

ハクリュー「待ちなさい!逮捕します!」

ハクリューの竜の怒り!

ヒトデマン「ぐわあああああああ!!って違〜〜〜〜〜う!!」

ハクリュー「ヒトデマン!更に罪を重ねるとは!」

ヒトデマン「だから違う!!」

ピカチュウ「ハクリューさん、あっちです。あっち。」

ハクリュー「あ、そうでしたか。失礼。でもヒトデマン、どっちみちあなたも捕まえますから。」

ヒトデマン「むう・・・!」

カメックス「ちっ!警察か!分が悪いな。いったん退くか!」

カメックスは、車にぜにぼうを乗せ、乗り込んだ。

ぷす・・・ぷす・・・

カメックス「なっ!パンクだと!?」

ツボツボ「ケケケ。俺がタイヤに穴あけといたんだぜ。」

ピカチュウ「お前はツボツボ!」

ツボツボ「ケケケ。勘違いすんなよ。助けたわけじゃない。いじめる相手が少なくなるとつまらないからな。」

カメックス「このガキい・・・!もうキレたぜ・・・!」

カメックスは車から降り、ナイフを取り出し、ぜにぼうに突きつけた。

ピカチュウ「ああっ!」

ハクリュー「卑怯な・・・!」

カメックス「いいか!全員手を後ろにやれ!もしくは伏せろ!技を出すようなそぶりでも見せたらこのガキがどうなっても知らんぞ!どうせ俺のガキだしな!」

フシギダネ「ふ・・・ふざけんな!ぜにぼうは俺の子供だ!例え偽者のパパでも俺の方がお前なんかよりずっとマシだ!」

ぜにぼう「パパ・・・パパー!!」

ヒトデマン「か・・・殻にこもれ!!」

ぜにぼう「!」

ピカチュウ「その手があった!」

ぜにぼうの殻にこもる!

カメックス「ぐっ!これではナイフの意味が・・・!」

うめぼし「う・・・うあああああああああああ!!」

うめぼしの捨て身タックル!

カメックス「ぐほっ!!」

ひっくり返るカメックス。

フシギダネ「うめぼし!・・・怖いの我慢して来てくれたのか!」

ピチュー「ぜにちゃん返せー!」

トゲピー「トゲー!!」

ププリン「ププリンちゃんアッパー!!」

カメックス「ぐあっ!こいつらっ!」

ピカチュウ「ピチュー達!!」

プリン「ごめんピカチュウ君!大人しくしてなさいって言ったのに!」

ピカチュウ「もう!ダメだろ皆!でも僕にもやらせて!爆裂パンチ!!」

カメックス「ごあっ!!」

プリン「そしてもちろん私も!プリンちゃんラリアット!プリンちゃんスクリューアッパー!!」

カメックス「ぐあっ!!ごはあっ!!」

フシギダネ「お前ら・・・。」

プリン「そろそろとどめ!プリンちゃん・・・!」

フシギダネ「待てプリン!俺にやらせてくれ!」

プリン「オッケー!」

カメックス「ぐぐ・・・!」

フシギダネ「うおおおおおおお!!ソーラービーム!!」

効果は抜群だ!

フシギダネ「まだまだ!ぜにぼう!」

ぜにぼう「水鉄砲〜!!」

ソーラービーム&水鉄砲でよろけたところをツルのムチで空高く抱え、遠心力を使って勢いよく地面に叩きつける必殺技!その名も・・・!

フシギダネ「親子ソーラーアタ〜ック!!」

カメックス「ぐわああああああああ!!!」

プリン「やったあ!!」

ピカチュウ「(技名ダサいけど・・・ま、いっか。)」

フシギダネ「ぜにぼう!」

ぜにぼう「うわ〜ん!パパ〜!!」

ハクリュー「カメックス、児童虐待の罪で逮捕します。」

カメックス「うぐ・・・。くっそお・・・!」

フシギダネ「と、いうことで・・・。かくかくしかじかだったんだ。」

プリン「カメックスの奴、本当に最悪ね。もう少し殴っとけば良かったわ。」

ピカチュウ「う〜ん・・・。でもぜにぼうを捨てた母親の方は今どこにいるんだろうね?っていうか何で箱に入れてクリスマスパーティーの会場なんかに捨てたんだろう・・・。」

ヒトデマン「・・・クリスマスパーティー・・・。箱・・・。」

ピカチュウ「あ?どうした?」

ヒトデマン「むう、まさか・・・。いや、少し心当たりがあってな・・・。」


第27話・クリスマス

ヒトデマン「う〜、寒い。正義のヒーローはクリスマスも孤独に戦うのだ・・・。」

ぜにぼう母「うう・・・。そこの人・・・。」

ヒトデマン「むっ!どうした婦人!弱っているではないか!」

ぜにぼう母「この箱を・・・。」

ヒトデマン「何だこの箱は?」

ぜにぼう母「その中に私の子が入っています・・・。この子は・・・私や夫といると不幸になってしまいます・・・。なので、どうか・・・どうかあなたが幸せにしてあげてください・・・。どうか・・・どうかお願いします・・・!」

ヒトデマン「ふむ。なんだか知らんが私に任せるがいい!何てったって私は正義のヒーロー・ヒトデマンだからな!」

ぜにぼう母「ありがとうございます、ありがとうございます・・・!」

ヒトデマン「はっはっは。礼には及ばん。」

ぜにぼう母は安心した表情で何処かへ行ってしまった。

ヒトデマン「むう?一人で大丈夫か?しかし寒いな〜。・・・ん?」

「メリークリスマース!!かんぱ〜い!!!」

ヒトデマン「クリスマスパーティーか。こういう場所にこそ悪者の手も忍び寄ろうというものだ。よし、私が警備してやろう。寒いから中に入りたいとかそういうのではないぞ。あくまで正義のためだ。」

ブルー「じゃあサンタさんも来たところで隠し芸大会に移ります!!まずはカイリキー君とエレキッド君の漫才です!!」

ヒトデマン「おお、ちょうどいい。皆の注目が隠し芸に移っている。今のうちだ。別にコソコソしているわけではないぞ。ヒーローが目立ちすぎるのは良くないからだ。よし、まずは腹ごしらえだ。腹が減っては戦は出来ぬ。」

パーティーの食事にがっつくヒトデマン。

ヒトデマン「ふむ。さっきから気になっていたのだが、あの箱や袋の山はなんだ?ああ、プレゼント交換の物か。・・・もしかしたら危険物があるかもしれん。よし、確認しよう。」

ガサゴソ・・・

ヒトデマン「え〜と・・・。コンビニのおにぎりにペン、セロハンテープ・・・。なんだこれは。いらんな。」

ヒトデマンは27番に置いてあった袋(ピカチュウの出したプレゼント)を放り投げた。こうしてこのプレゼントは後に余ることになる。

ヒトデマン「『祝』って墨で書いてある色紙に、参考書セットに、掃除機に・・・。・・・あ、あれ?しまった!私が先ほどの婦人からもらった箱がプレゼント交換会の箱と混じってどれがどれだかわからなくなってしまった!」

手当たり次第に箱を開けるヒトデマン。

ヒトデマン「・・・むっ!あ、これだ。確かこれが私の箱だった気がする。」

キレイハナが出したプレゼント・ダイヤモンドの指輪。

ブルー「・・・。次はプレゼント交換会に移りたいと思います。では、皆さんくじを引いてください。」

ヒトデマン「おっとっと。危険物も無かったことだし、私はここら辺で去るとするか。」

ゲンガー「HEY!」

ヒトデマン「うわっ!」

ゲンガー「Hello!My name is ゲンガー!What your name?」

ヒトデマン「マ・・・マイネームイズヒトデマン。」

ゲンガー「ミスターヒトデマン!Sorry!ミーはまだこちらに来て間もないので皆さんのNameを覚えてきれてないのデ〜ス!」

ヒトデマン「はあ・・・。」

ゲンガー「ミスターヒトデマンは何組デ〜スか?」

ヒトデマン「え〜と・・・二組・・・?」

ゲンガー「Two?ミーもTwo組デ〜ス!おかしいデ〜スね。」

ヒトデマン「が・・・学年が違うのだ。」

ゲンガー「Oh!上級生デ〜スか!これはSorry!失礼しましたデ〜ス!どうりでミーと同じAgeに見えないわけデ〜ス!」

ヒトデマン「う、うむ・・・。」

ゲンガー「ところで、ユーはどんなプレゼントにChangeしたんデ〜スか?そのBox、プレゼントデ〜スよね?」

ヒトデマン「えっと・・・ダ・・・ダイヤ・・・」

ゲンガー「What?」

ヒトデマン「い、いや。ダイス!サイコロだ!」

ゲンガー「Oh!Dice!ちなみにミーはミスターミュウツーの出したDrinkデ〜ス!」

ヒトデマン「あ〜・・・ミスターミュウツーね。うんうん。」

ゲンガー「ところでミスターヒトデマン、知ってマ〜スか?ミスターフシギダネのもらったBoxにはゼニガメのChildが入っていたらしいデ〜スよ!こっちの国ではそういうのが流行ってるのデ〜スか?・・・Oh?ミスターヒトデマン?どこへ行ったんデ〜ス?ミスターヒトデマ〜ン?」

ミュウ「どうしたんだい?ゲンガー君。」

ゲンガー「Oh!ミスターミュウ!ミスターヒトデマンとTalkしていたのデ〜ス!」

ミュウ「・・・ヒトデマン?そんな人いたかな?全校生徒の名前は大体覚えてるつもりだけど心当たりがない・・・。まさかさっきのゼニガメの子供の件って・・・。いや、まさか・・・。」

ピカチュウ「まいったな・・・。ええ、と・・・。ピカチュウです。じゃあ、ミュウのまねをしまーす。『ピカチュウ君、授業はもっとマジメに受けるべきだよ!それにピカノ先生にもちゃんと敬語を使うべきだよ!!』」

ミュウ「むっ!ピカチュウ君ってばあんなことを!」




ガヤガヤ・・・

ヒトデマン「ん?なんだ?なにやら騒がしいな。悪人でも出たか?」

その時、クリスマスパーティー会場、ポケモン会館が爆発した。何故爆発したのかは話すと長くなるので27話参照。

ヒトデマン「おわあっ!!なんだなんだ?怪獣か!?」

警察が到着。

ハクリュー「なるほど。箱を持った怪しい男がうろついていたのを目撃した、と・・・。」

ヒトデマン「おーい!そこの警察よ!何があったのだ!?正義のヒーロー・ヒトデマンにお任せ・・・」

ハクリュー「箱を持った怪しい男・・・。」

ヒトデマン「・・・なっ!怪しいとは何だ!ヒーローに向かって失礼な!」

ハクリュー「すいません、署まで同行願えますか?」

ヒトデマン「ね、願えん!」

ハクリュー「あ!ポケモン会館を爆破したテロリストと見られる男が逃げました!捕まえて!」

ヒトデマン「ち、違〜〜〜〜〜〜う!!!」

こうしてヒトデマンと警察の追いかけっこが始まった。


ヒトデマン「と、いうことなのだ。私は何もやっていないのに警察と来たら勝手にテロリスト扱い・・・。おい!今の話を聞いたな!これでわかっただろう!私の身の潔白が!」

ハクリュー「ああ、あなたのテロリスト容疑は現場にいた人たちの証言でとっくに晴れてますよ。」

ヒトデマン「何!?じゃあ何故・・・!パーティー会場に入ったのだって正義の警備のため!まさか子供を捨てたことか!?違うぞ!だからあれは自分の箱がわからなくなっただけだし、元々子供が入ってることの確認もしていなかったのだ!」

ガチャッ

ハクリュー「ヒトデマン、プレゼント交換会会場からダイヤを盗んだ窃盗罪で逮捕します。」

ヒトデマン「それかあああああああ!!しまった!余計な部分まで話してしまった!」

ハクリュー「その後、ゲンガー氏の証言によりパーティーに混じっていた怪しい男の姿と名前、更に私達の前に現れた姿からあなたの個人を特定。あなたの持っていた箱の特徴もキレイハナさんの出したプレゼントのものと一致。しかもそのキレイハナさんのプレゼントは誰ももらっていない。よって警察はあなたを窃盗犯と断定し、逮捕状が出されました。あ、こちらハクリュー。カメックスを児童虐待の現行犯で逮捕。そしてヒトデマンを窃盗容疑で逮捕しました。ええ。自分で証言してくれたので確実です。」

ヒトデマン「ち、違うんだ!あれはプレゼント交換をしたまでで・・・!うわ〜!助けてくれ〜!!」


ピカチュウ「でも、これで何でぜにぼうがあの場にいたのかはわかったね。ついでにヒトデマンの罪も。」

プリン「不思議な巡り合わせね。」

ホーホー「おーい!援軍を連れてきたぞ!」

レオン「ピカチュウ君!ぜにぼう君が危ないってホーホーさんに聞いて来たんだ!」

ミュウ「ぼ、僕だって戦うよ!」

ピカノ「おいおいミュウ。お前その木製バットで戦うつもりか?」

テッカニン「せ、拙者の忍術で・・・!」

ヤルキモノ「うおおおおおおおお!!かかってこい!!」

レックウザ「ごほっ!ごほっ!風邪だけど助けに来ました!」

エーフィ「悪人の心のお掃除に来ました。」

ラグラージ「ぐひゃひゃひゃ!!」

たまっち「僕の新しい秘密兵器でぜにぼうを助けるもん!」

フシギダネ「皆・・・。良かったなあ、ぜにぼう。こんなに皆から好かれて・・・。」

ぜにぼう「僕、もう大丈夫だよ〜!」

フシギダネ「さあ、ぜにぼう!帰るぞ!」

ぜにぼう「うん!」


続く


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