夜。

ピカチュウ「ほら、ピチューもトゲピーももう遅いんだから寝なさい?」

ピチュー「ピカチュウ兄ちゃんばっかり夜更かししてズルいー!」

トゲピー「トゲ!ズルいー!ズルいー!」

ピカチュウ「僕は高校生なんだからいいの!ほら早く!」

ピンポーン

ピカチュウ「ん?誰だ?こんな時間に。」

ピンポーン、ピンポーン

ピカチュウ「はいはい、今出ますよ。」

ピンポーン、ピピピピンポーン、ピピピピピピンポーン。

ピカチュウ「しつこいな!今出るってば!」

ピカチュウは扉を開けた。

サーナイト「はぁ・・・はぁ・・・。た、助けてください!!」

ピカチュウ「何い!!?ア、アイドルのサササササ・・・サーナイト!!?」

ピチュー「すごーい!」

トゲピー「トゲ?だ〜れ?」


ピカチュウ「あ、お茶どうぞ。しょっぼいお茶ですけど・・・。」

サーナイト「ありがとうございます。」

ピカチュウ「えっと、それで一体どうしてここへ・・・?」

サーナイト「実は最近、誰かに付きまとわれてる気がするんです。今日も後ろから足音が聞こえて怖くなって思わず近くの家へ・・・。」

ピカチュウ「なるほど。ストーカーですか。やっぱトップアイドルとなると大変ですねえ。あ、でも心配しなくて結構ですよ。犯人のめぼしはついてるんで。」

サーナイト「え?」

ピカチュウ「オニスズメっていう馬鹿なポケモンです。あの顔でサーナイトさんの大ファンなんですよ。あの顔で。あいつならストーカーとかやりかねない。あの顔だし。」

ホーホー「う〜む。残念ながらそいつは違うな。」

ピカチュウ「あっ!ホーホー!お前はまた勝手にうちの中に入って!」

ホーホー「オニスズメなら今日はホーホー隊とオニスズメ隊の親睦会に出席していた。しかしあいつ、酔っ払って隊員達に介抱されながら帰っていったぞ。情けない奴だ。」

ピカチュウ「・・・そうなの?っていうか親睦会なんてやってるんだ。意外だ。」

ホーホー「親睦会っていうか飲み会だな。まあそんなことはどうでもいいのだ。こんな時間にアイドルが一人で出かけるのは危険だ。ここは私が家まで送って差し上げよう。」

ピカチュウ「お前が?下心みえみえだなあ。」

ホーホー「なっ!?馬鹿にするな!私はあの馬鹿スズメと違ってアイドルなどに興味は無い!」

サーナイト「ありがとうございますホーホーさん。私、ホーホーさんに送ってもらうことにします。」

ホーホー「う、うむ・・・。」

ホーホー隊隊員A「あーっ!隊長にやけた!」

ホーホー隊隊員B「やっぱり下心あるんだ!」

ホーホー「う、うるさいっ!!」

ピカチュウ「なんか心配だから良ければ僕も一緒に行きますよ。」

サーナイト「本当ですか?ありがとうございます。」

ホーホー「ふん。勝手にするがいい。では行くぞ!」


ホーホー「いいか、夜道は危険だ。安全確認を怠るな。もし危険人物を発見したらすぐに私に言うのだぞ。ストーカーめ。スピアー殿から購入したこのマシンガンが火をふくぜ・・・。ふふふふふふ・・・。」

ピカチュウ「お前が一番の危険人物なんですが。あ、ところでサーナイトさん。どちらへお住まいなんですか?って聞いてもいいのかな、これ。」

サーナイト「東地区の5丁目なんですけど・・・。」

ピカチュウ「えっ!?案外近いんだ!へぇ〜!」

サーナイト「あ、あのお、このことは・・・。」

ピカチュウ「え?あ、大丈夫です。人が押しかけちゃうので秘密ですね。わかってますわかってます。な、ホーホー?」

ホーホー「え?う、うむ・・・。(ちっ。オニスズメに高く売れる情報だと思ったのに・・・。)」

その日は何事も無くサーナイトを自宅まで送ることが出来た。


後日、ピカチュウ家に電話が。

ピカチュウ「もしもし?」

デンリュウ「もしもし?ピカチュウ様のお宅でしょうか?始めまして。私、サーナイトのマネージャーを務めております、デンリュウと申します。」

ピカチュウ「はあ。こりゃどうも。」

デンリュウ「先日はうちのサーナイトを無事に家まで送っていただいたそうで。どうもありがとうございます。そこで、相談なのですが・・・。」

ピカチュウ「何ですか?」

デンリュウ「はい。実はストーカー被害が更に酷くなっておりまして・・・。この前もサーナイトを隠し撮りしたような写真が送られてきました・・・。」

ピカチュウ「それは酷いですね・・・。」

デンリュウ「しかも今日は『来週のポケモンミュージックへの出演をやめろ。さもないと酷い目にあわせるぞ。』という手紙が・・・。」

ピカチュウ「うわあ。っていうことは犯人はファンじゃなくて同業者とかかな?」

デンリュウ「そこで、その来週のポケモンミュージック生出演の際にボディガードとしてピカチュウさん達をお招きできないかと・・・。」

ピカチュウ「はあ・・・。でもボディガードなら本職の人を雇えばいいんじゃ?僕なんてただの高校生ですし。」

デンリュウ「あまり目立った事件にしたくないのです。あなた達ならばサーナイトの信頼もあるので・・・。どうか、お願いします!」

何度も頼むデンリュウに、結局ピカチュウは承諾するしかなかった。


当日

ピカチュウ「あ、ホーホー。やっぱりお前も呼ばれてたんだ。」

ホーホー「うむ。ふふふ。ようやく市民達も我々が頼りになることに気づいたらしいな。」

オニスズメ「サナちゃんに会える・・・。サナちゃんに・・・。」

ピカチュウ「うわ。何でこいつ連れてきちゃったの?」

ホーホー「だって行く行くってうるさいんだもん。話さなきゃよかった。」

デンリュウ「どうもどうも!お忙しいところすみません!」

ピカチュウ「いえいえ。あ、後で助っ人が何人か来る予定なんですけど大丈夫ですか?ちゃんと信頼できる奴ばかりなんで。」

デンリュウ「ええ、結構ですよ。多ければ多いほど安心ですから。ささ、中にご案内します。」


ピカチュウ「うわあ、テレビ局って広いなあ。」

デンリュウ「ここがサーナイトの楽屋です。サナ!ピカチュウさん達が来てくれたよ!」

サーナイト「わあ、ピカチュウさん!ホーホーさん!来てくれてありがとうございます!」

オニスズメ「サ・・・サ・・・サナちゃんだあああ!!本物だああ!!」

サーナイト「あら?そういえば、あなたは確か・・・。」

オニスズメ「なっ!なんとっ!私のことをご存知なのですか!?」

サーナイト「ええ。よく私のライブにいらして大声張り上げて応援してくださってますよね?」

オニスズメ「うおおおおお!!私なんかのことを認識してくださっていたとはっ!!感無量っ!!」

ピカチュウ「ああ、こいつもサナちゃんのボディーガードをしたいって言うんで連れてきちゃったんです。すいません、うるさくて。」

サーナイト「そうだったんですか?ピカチュウさん達のお友達だったんですね〜。」

オニスズメ「ええ、もう!仲が良くて良くて・・・。あ、そっちのフクロウは私の部下です。」

ホーホー「なっ!誰が部下だ誰が!」

オニスズメ「おっと!申し遅れました。私、オニスズメと申します。もちろん!サナちゃんファンクラブのプラチナ会員です!先日発売された『サナサナDAYS』拝見しました!もう本当最高でしたっ!!」

サーナイト「そうなんだ〜?嬉しい〜。」

オニスズメ「あ、そうそう。忘れていました!これどうぞ!お花です!」

ピカチュウ「あ、僕も少し高級なお菓子持ってきたのでどうぞ。」

サーナイト「ありがと〜!わあ〜。綺麗なお花と美味しそうなお菓子!」

ホーホー「(い、いかん。私は何も持ってきていない・・・。何かないか?何か・・・。)」

デンリュウ「すいません。何だか気を使っていただいてしまって・・・。」

ホーホー「さあ、これもどうぞ!ハートのウロコです!」

ピカチュウ「お前は何をあげてんの!?」

ホーホー「な、なにやらこのウロコ、マニアに人気がある物だと聞いて持っていたが使い道がなくて・・・。」

ピカチュウ「でも結局ウロコだぞ!?」

サーナイト「わ〜。これも美味しそうなお菓子ですね。いただいてもいいですか?」

ピカチュウ「ってああ〜っ!!ちょ、何をくわえてるの!?食べちゃダメ!食べ物じゃないって!」

サーナイト「そ、そうなんですか?」

デンリュウ「す、すいません。サナはラルトスの頃からかわいがられて育ってきたので、少し常識が・・・。」

ピカチュウ「はあ・・・。」

ホーホー「(・・・い、いかん。なんかダメっぽい雰囲気だ。このままでは私だけ気の使えない男になってしまう・・・!他に何かないか?他に・・・。)」

デンリュウ「では、そろそろボディガードの皆様は・・・。」

ホーホー「ちょ、ちょっと待った!よろしければこれもどうぞ!シルバースプレーだ!」

シルバースプレーとは、むしよけスプレーの豪華版で、しばらくの間、弱いポケモンをよせつけないというポケモン赤緑時代からの道具である。

ピカチュウ「だからなんでそんな物を!?」

オニスズメ「貴様!サナちゃんを馬鹿にしているのか!?」

ホーホー「ち、違う!これしか無かったのだ!!」

サーナイト「ありがとうございますホーホーさん。」

ホーホー「え?」

サーナイト「私、こういうの大好きですよ。香水ですよね?」

デンリュウ「うわあ〜っ!!サナ!本番前に何つけてんの!?」

ピカチュウ「っていうかシルバースプレーも知らないんですか!?」

デンリュウ「え、ええ。何せサナはラルトスの頃からかわいがられて育ってきたので、少し常識が・・・。」

ピカチュウ「・・・はあ。」

オニスズメ「はっはっは!まあまあ、デンリュウ殿!そういうところがまたかわいいのではないですか!さあさあ、気を取り直して!え、えっと・・・あの・・・サーナイトさん。よ、よろしければ私と握手なんてしてもらえちゃったりなんか・・・。」

サーナイト「握手ですか?いいですよ〜。」

オニスズメ「うおお〜っ!!本当ですか!?あ、あの!更にサインとかもらえちゃったりなんかしちゃったりして・・・。」

サーナイト「いいですよ〜。」

オニスズメ「うおうおうお〜っ!!も・・・もしかして一緒に写真なんて・・・。」

サーナイト「いいですよ〜。」

オニスズメ「わ、我が生涯に一片の悔い無しいいいいい!!」

デンリュウ「あ、あの〜、そろそろ打ち合わせなどもありますので、ボディーガードの皆様は一旦こちらへ・・・。」

オニスズメ「う、うむ。それじゃ、サナちゃん、また後でね〜!」


ピカチュウ「・・・。」

ホーホー「・・・。」

オニスズメ「・・・はっ!い、いや〜、どうだった?私の演技は!?まるで本当のサーナイトファンのようだっただろう!はっはっは!我ながら上手く騙せた!」

ピカチュウ「いや、サナちゃんを騙してどうするのさ?」

オニスズメ「て、敵を欺くにはまず味方からと言うではないか!」

ピカチュウ「・・・。」

ホーホー「・・・。」

オニスズメ「ううっ!す、すまん!このことは誰にも言わないでくれ!!」

ピカチュウ「いや、心配しなくても皆知ってるから。」

オニスズメ「なぬっ!?」


デンリュウ「と、いうことなので。皆さんは本番中に怪しい者がいないか見張っていてください。」

ピカチュウ「わかりました。」

オニスズメ「俺のサナちゃんには指一本触れさせん!」

ホーホー「何が俺のサナちゃんだか・・・。」

そして本番が始まった。

グランブル「さあ、今週も始まりましたポケモンミュージック!今回は何と!2時間スペシャルです!まず最初のアーティストは・・・この方だ!」

エビワラー「イエ〜イ!!」

グランブル「・・・えっ!?誰!!?」

エビワラー「期待の新人アーティスト、エビワラーです!まずは一曲!俺の十八番!『ブースター・フォーリンラヴ』!」

カクレオン「ぐわあ〜っ!!苦情の電話がジャンジャン来る〜!!ADビーダル!誰だあいつは!?」

ビーダル「はあ・・・。なにやらサーナイトさんのお付きらしいっすけど・・・。」

カクレオン「追い出せ!今すぐ追い出せ!この番組を作っているのは俺だぞ!これは命令だ!」

ビーダル「へ〜い。」

エビワラー「うわっ!こら!放せ!まだ歌い終わってないだろうが!」

ピカチュウ「・・・なにやってんだあいつ。全国ネットで恥さらして・・・。」

プリン「ピカチュウく〜ん!よかった〜。本番に間に合って!」

レオン「ピカチュウ君、お待たせ〜!いや〜、テレビ局って広いね〜!」

ピカチュウ「プリン!レオン!何でエビワラーなんか呼んだの!?」

ブースター「ご、ごめんなさい。私が呼んだの・・・。後、サンダース君達も・・・。」

ピカチュウ「え、そうなの?・・・ま、まあ呼んじゃったものは仕方がないか・・・。」

グランブル「え〜、急なトラブル失礼しました!では改めまして最初のアーティスト、ムクホークさん、どうぞ!」


デンリュウ「ちょっと皆さん!困りますよ〜!」

ピカチュウ「どうもすいません・・・。」

ブースター「ほ、ほら。エビワラー君も謝ろう?」

エビワラー「むう・・・。すいませんでした。」


ピカノ「よおピカチュウ!俺も来てやったぜ!」

ミュウ「ストーカーとは・・・許せないね!」

フーディン「まったくだ!許せん!(上手く誰か有名人のサインもらえたらネットオークションで売りさばこう。)」

ソーナンス「おお〜!ここがテレビ局でっか!いつかはワイもここで・・・。」

ゴースト「あはは。いい写真、撮れますかね?」

エビワラー「おう。来たか。」

ピカチュウ「はぁ〜。次から次へと・・・。」

エビワラー「何だよ。戦力は多いほうがいいだろう?」

グランブル「さあ続いてのアーティストは!皆さんお待ちかね!サーナイトさんの登場です!!」

観客「ウオ〜!!ワー!!キャー!!サナちゃ〜ん!!」

オニスズメ「うおうおうおー!!サナちゃ〜ん!!」

ピカチュウ「お前は何しに来たわけ!?」

バクオング「待て待て待てー!!!歌わせろ!俺に歌わせろおおおおお!!!」

ピカチュウ「あっ!あいつはいつか見たことあるぞ!」

プリン「あいつ!私たちがアイドルデビューした時も乱入してきた奴じゃない!」

バクオング「ちくしょー!!ちょっとばかりかわいくて、ちょっとばかり歌が上手いからって人気出やがって!気に食わねえ〜っ!!!」

グランブル「ひいい。あ、あなたはバクオングさん!!」

カクレオン「ゲーッ!!あいつは前に俺の番組をメチャクチャにした奴じゃねえか!!追い出せ!追い出せ!!」

ピカノ「よっしゃあ!サーナイト護衛団!出動だ!」

オニスズメ「うおおおお〜っ!!貴様!!これではサナちゃんの歌が聞けないではないか!!くたばれ!!」

カイリキー「おりゃああ!!大人しくしやがれ!!」

ピカノ「ん?このカメラ映ってるの?イエ〜イ!ピースピース!」

ミュウ「あ、あわわ・・・。全国ネットで映し出されているのか・・・。こ、これは恥をかくわけには・・・。」

サンダース「フッ。左斜め45度で頼む。」

ソーナンス「どうも〜!ソーナンスで〜す!ネタやりま〜す!
ショートコント・記念写真! 撮りま〜す!はい!チーズバーガー!ってなんでやねん!普通にチーズでええやん!バーガーいらんやん!はい、ソ〜ナンスッ!どうもありがとうございました〜!」

フーディン「フーディンの占い読本シリーズ、絶賛発売中!今なら週間フーディン占いの定期購読申込書が付き、更にフーディンちゃんストラップが付いてくる!」

カクレオン「うおお〜っ!!追い出せ!追い出せ〜!!」

ビーダル「あ、大丈夫っすよ。今CM中なんで。でももうCM明けます。」


〜放送中〜

プリン「プリンちゃんナックル!思えばあの時殴りたりなかったのよね〜!プリンちゃんナックル!ナックル!ナ〜ックル!」

バクオング「ぐはっ!ぐはっ!ぐはあっ!!」

カクレオン「ぎゃあああ!!CM明けていきなりの暴力シーン!!」

ピカチュウ「プリン!映ってる!映ってるから!あ!ええっと、いじめ、かっこ悪い!ポケモン広告機構です!」

レオン「ピカチュウ君!ごまかせてない!ごまかせてないよ〜っ!!」

プリン「っていうか何がいじめよ!」


カクレオン「ぐおお〜っ!俺の番組が〜!!苦情もたくさん来てるんだろうなあ・・・。」

ビーダル「カクレオンさ〜ん。苦情電話っす。マクノシタと名乗る者が何で音楽番組を2時間にしてアニメを中止したのかって怒ってるんすけど。」

カクレオン「知らねえよ!ほっとけ!」

ビーダル「カクレオンさ〜ん。さきほどのマクノシタさんがこの前はスポーツ番組のせいでアニメが中止になったじゃないかとお怒りなんすけど。」

カクレオン「だから知らねえよ!そいつはほっとけ!」

ビーダル「ってかどうします?放送中止します?」

カクレオン「・・・ん?ちょっと待て!あれ〜!?視聴率が上がってるぞ!?おい!続けろ!」

ビーダル「はあ。」

カクレオン「テロップを入れろ!『この時間は予定を変更して、実録!人気アイドル・サーナイトとストーカーの戦い!をお送りします。』ってな!」

ビーダル「へ〜い。」

デンリュウ「ああ〜・・・。結局こんな大事件になってしまった・・・。」


サーナイト「あのお、バクオングさん?ここには危ないストーカーさんがいるので気をつけたほうがいいですよ?」

ピカチュウ「ストーカーこいつ!ストーカーこいつだから!」

バクオング「ぐぐ・・・。ストーカー!?」

ピカチュウ「そうだ!夜道をコソコソ付けまわしたりして!声がでかいくせにやることが陰湿なんだよ!」

バクオング「待て!脅迫の手紙を送って番組を潰そうとしたのは俺だが、付けまわすとは何だ!?」

ピカチュウ「お前、サナちゃんを付けまわして盗撮してその写真を送りつけたりしたんだろ!?」

バクオング「知らん!知らんぞ!俺は知らん!!そっちのことは一切知らん!本当だ!!ただ俺はサーナイトが出なくなれば俺がテレビに出られると思って脅してみただけだ!!」

ゴースト「へぇ。写真ですか。興味ありますねえ。見せてくださいよ。あはははははは。」

デンリュウ「こちらなんですが・・・。」

ゴースト「ふむふむ・・・。ん?あれ?な〜んだ。これ、私が送った写真じゃないですか。」

ピカチュウ「はあ!?」

ゴースト「いや〜、夜の散歩中にたまたまサーナイトさんを見つけまして。すかさず撮影したら、さすがサーナイトさん。写真写りが非情によろしい。それで、せっかく良く撮れたので本人に送ってあげようかと。」

ピカチュウ「たったそれだけのこと!!?」

オニスズメ「貴様〜!!サナちゃんに意味の無い恐怖を与えおって!死ね!」

ゴースト「もう死んでます。」

サーナイト「まあまあ。そういうことだったんですね。写真、綺麗に撮ってくれてありがとうございます。」

ゴースト「あははははは。褒められちゃった。」

ピカチュウ「・・・ん?でも待てよ?サーナイトさん、足音が聞こえたって言ってましたよね?」

サーナイト「はい。聞こえました。」

ピカチュウ「ゴースト、足音なんてしないんじゃないですか?」

ゴースト「あはははは。ああ、そういえばそうですねえ。」

ピカノ「気のせいじゃないのか?」

サーナイト「う〜ん・・・。そうでしょうか?」

オニスズメ「誰だ〜っ!!サナちゃんを付けまわしていた奴は!?このオニスズメが成敗してくれるぞ〜っ!!」

ホーホー「っていうかお前、さっきからうるさいんだけど。」

オニスズメ「これが黙っていられるか!おい!副隊長!我々でストーカー野郎を探し出すぞ!」

オニスズメ隊副隊長「・・・。」

オニスズメ「むっ?どうした副隊長?」

オニスズメ隊副隊長「うっ・・・。ううっ・・・。申し訳ありません隊長っ!!サナちゃんを付けまわしていたの・・・実は私なんです!!」

オニスズメ「な・・・なんだとお!?」

オニスズメ隊副隊長「私・・・隊長のお供でサナちゃんのライブやイベントに何度も行っているうちに隊長に負けず劣らずのサナちゃんファンになってしまいまして・・・。そこでたまたま近所にサナちゃんが住んでいることを知ってからサナちゃんを見守る気持ちでついつい家まで付いて行ってしまい・・・。しかしこんなことになり、いつまでも言い出せず・・・。本当に申し訳ございませんっ!!」

オニスズメ「き・さ・まあああ・・・!このオニスズメ隊とサナちゃんファンの面汚しがあああ・・・!貴様はクビ!即刻クビだ!!」

ホーホー「いや〜、これでオニスズメ隊も立派な犯罪者集団だな。こりゃもう解散するしかないなあ。私なら責任感じちゃって生きてるのも嫌になるかもな〜。ふっふっふ。」

オニスズメ「ぐ・・・。ぐぐぐ・・・。そういえば貴様、あの日の親睦会にも出席しなかったな・・・。貴様という奴は・・・!」

オニスズメ隊副隊長「ううう・・・。すいません!本当にすいませんっ!!私、責任を取ってこの場で爆弾を使って最後に軍人として自害します!」

ピカチュウ「うわあっ!!」

オニスズメ隊副隊長「わ、私は本気です!隊長!今までお世話になりました!皆さん、下がっててください!半径200メートルくらいは巻き込みますよ!」

フーディン「あわわ。に、逃げよっと。テレポート!」

プリン「よ〜し、ここは私が!」

ブースター「あ、あまり刺激しないほうが・・・。」

カクレオン「はいはい、ちょっといいですか?いい所なんでCMはさんでからにしてもらえます?」

ピカチュウ「何を考えてんだあんた!!」

ビーダル「テレビ馬鹿ですみません。あ、CM明けま〜す。」


〜放送中〜

グランブル「ストーカー犯、爆弾を持って突然の自害発言!その時、サーナイトは!?(っていうか逃げたいんだけど・・・。)」

ピカチュウ「オニスズメ!お前の部下だろ!止めろよ!」

オニスズメ「い、いや・・・。奴はそれほどのことをしたのだ。私に止める義務はない・・・。」

デンリュウ「サナ、逃げて〜!」

サーナイトの念力!オニスズメ隊副隊長の持つ爆弾を奪い取った!

オニスズメ隊副隊長「あっ!爆弾が!」

サーナイト「いけませんよ。こんなもの持ってちゃ。」

オニスズメ「そ、そのとおりだ副隊長!サナちゃんが怪我をしたらどうするのだ!?」

ピカチュウ「あんたさっき止める義務はないとか・・・。まあいっか。」

オニスズメ隊副隊長「し、しかし私は・・・。」

サーナイト「私を見守ってるつもりだったんですよね?悪意が無かったのならそれでいいです。訴えるつもりとかもありません。」

オニスズメ隊副隊長「サ、サナちゃん・・・。」

オニスズメ「くぅ〜!まさに女神!なんという優しさだ!」

オニスズメ隊副隊長「ううっ。ありがとうございます・・・。うっ・・・。うっ・・・。」

サーナイト「・・・ん?何ですか?このボタン。」

オニスズメ隊副隊長「あ、それ爆弾のスイッチ・・・。」


ドドオオオオオン!!


サーナイト「ケホッ。ケホッ。あれ?何で?」

デンリュウ「サ、サナ〜。大丈夫か〜・・・?」

サーナイト「と、特殊防御高いので・・・。」

デンリュウ「爆発って特殊防御に分類していいの?」

ピカチュウ「ゲホッ!ちょっと〜!何やってんの〜!!普通押す!?爆弾についてるボタンを!」

デンリュウ「す、すいません。サナはラルトスの頃からかわいがられて育ってきたので少し常識が・・・。」

ピカチュウ「常識無さすぎでしょ!!」

オニスズメ「ふ、ふふふ・・・。ますますファンになったぜ・・・。ゲホッ。」

カクレオン「ゲホッ!ゲホッ!視聴率いただき!」
続く


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