ヘッポコ占い師フーディンは今日も街で占いの営業をしていた。
フーディン「占いいかがっすかー。よく当たるフーディン占いだよー。」
シーン・・・
フーディン「ちっ。ここら辺の奴らも全然振り向かなくなってきたな。今月も赤字か・・・。」
スリーパー「よお。困ってるようだな。」
フーディン「む、お前は同じクラスのヘッポコ催眠術師スリーパーか。何のようだ?」
スリーパー「誰がヘッポコだ!俺はちゃんと催眠かけてるだろ!まあいい。お前、何で自分の占いが見向きもされないと思う?」
フーディン「商売敵のキレイハナのせいだ。」
スリーパー「それは違う。要はお前の占いが当たらないからなのだ。」
フーディン「何!?」
スリーパー「そこで、俺の催眠術でお前の占いがバンバン当たるようにしてやる。もちろん無料だ。悪い話じゃないだろ?どうだ?」
フーディン「何だと!?貴様あああああ!!」
スリーパー「うわ、そんなに怒ることないだろ。わかったよ悪かったよ。」
フーディン「いえ、是非お願いします。」
スリーパー「って怒ってないのかよ。よ、よしよし。いいだろう。」
フーディン「いやあ、なんか悪いな。」
スリーパー「いやいや。同じ初期からいるエスパーポケモンの最終進化系としてほっとけなかったのさ。」
フーディン「ううっ。お前・・・。」
スリーパー「(な〜んてな!お前には俺の新催眠術の実験台になってもらうぜ!)」
フーディン「で、いつものように輪を見つめればいいのか?」
スリーパー「おっと。違う違う。この本によると・・・まずは目をつぶれ。」
フーディン「本?大丈夫なんだろうな?」
スリーパー「よし、そしたらお前の占いが当たっている場面を想像するんだ。」
フーディン「ふむ・・・。したぞ。」
スリーパー「当た〜る、当た〜る。lぽkmんじうhbvgytfcxdれswくぁz・・・。」
フーディン「な、なんだなんだ?呪文?」
スリーパー「スリーパーンチ!」
バキッ!
フーディン「いてえっ!何をする!」
スリーパー「こういう術なのだ。よし、これで完了だ。試しに俺を占ってみろ。」
フーディン「う〜む・・・。お前、もうすぐ殴られるぞ。気をつけろ。」
スリーパー「何?俺が殴られる?誰に?」
ドンッ
スリーパー「おっと。すいません。」
ゴウカザル「すいませんじゃねえ!お前、今誰とぶつかったと思ってるんだ?台派高校のガブリアスさんだぞ!」
ガブリアス「ちっ。またポケモン高校か。本当に調子にのってやがるな。」
ゴウカザル「おい、ちょっと面貸せよ。」
スリーパー「ちょ、助け・・・」
バキッ!ドカッ!
フーディン「あらら。し、しかし私の占いが当たったのは確実!やったぞ!明日学校で自慢しよう!」
次の日、学校。
フーディン「聞け!お前ら!今日からこのフーディンは百発百中の占い師に生まれ変わったのだ!!」
シーン・・・
フーディン「コラ〜ッ!!聞いているのかお前ら!この私に占って欲しくないのか!?」
オコリザル「うるせえな。お前の占いなんかが当たるわけねえだろうが。」
ヤルキモノ「そうだぞフーディン!お前にはもっと鍛錬が必要なのだ!俺と一緒に鍛えるか?ん?」
フーディン「ぬうう。馬鹿にしやがって・・・!見てろよ!おい!アブソル!危ないぞ!」
アブソル「え?」
レックウザ「ぶえ〜っくしょんっ!!」
アブソル「わああああああ!!鼻水が僕の頭に!!」
フーディン「ほら見ろ!当たっただろうが!」
オコリザル「アブソルに不幸が降りかかるのなんて馬鹿でもわかるっつーの!」
フーディン「オコリザル、前方に注意。」
オコリザル「あ?」
その時、教室からビリリダマが飛び出してきて、オコリザルと正面衝突。爆発に巻き込まれてしまった。
フーディン「ほら見ろ!はっはっは!」
なんだかんだでフーディンの占いが当たりはじめたことは早めに全校生徒に知れ渡り、珍しさからフーディンに占ってもらう生徒が続出した。
フーディン「ふっふっふ。これは金になるな。よし、『フーディンの占い読本セカンドシーズン』を執筆するぞ!」
なんと、フーディンの占い読本・セカンドシーズンはよく当たると評判になり、たちまち大ヒットを記録。
そうなるとフーディンの勢いは止まらない。まずはCM出演。
フーディン「私の占いのようによく当たるポケモンジャンボ宝くじ。全国で発売中!」
バラエティ番組。
シャモリ(ワカシャモ)「それじゃ、そろそろお友達の方を。」
客「え〜っ!!?」
フーディン「では、アイドルのサーナイトちゃんを。」
テレビドラマ。
フーディン「・・・そうです。私が犯人です。」
こうして、フーディンはポケモン島全域に名前が知れ渡ることになった。
同じポケモン島に住む有名占い師、キレイハナよりいろんなメディアに顔を出す分、フーディンの方が有名になったと言える。
スリーパー「いや〜、まさかこんなに効果があるなんてなあ。凄いな、この本。」
スリーパーはもう一度本をめくった。
スリーパー「・・・ん?そういえばこのページ読んでなかったな。帰ってからもう一度読むか。もっといい術が載ってるかも。」
次の日、学校に久しぶりにフーディンが登校して来た。
フーディン「ようお前ら!今日はテレビとかの仕事が無いから格安で占ってやるぞ!サインもやる!」
たちまち行列が出来る。
ミュウツー「よお。聞きたいことがある。」
フーディン「まずはミュウツーか。何でも言ってみなさい。」
ミュウツー「私が昼休みに飲もうと思って買っておいたカルピスが無いのだ。どこへ行ったのか教えてくれ。」
フーディン「ふむ・・・ヤドランだ。ヤドランが知っている。」
ミュウツー「ヤドラン?おい、どういうことだ?」
ヤドラン「こそこそ・・・。」
ミュウツー「おい!ヤドラン!」
ヤドラン「ぎくっ!」
ミュウツー「ちょっと机を調べさせてもらうぞ。」
ヤドラン「あ、やめろ!」
案の定、ヤドランのカバンの中からミュウツーのカルピスが発見された。
ミュウツー「貴様!カルピスの裁きを受けろ!サイコキネシス!」
ヤドラン「ぐわあ!」
ブルー「さすが21世紀のカリスマ占い師・フーディン!またしても占い大当たり!もはや占いの域を超え予言と言ってもよさそうです!」
止まないフーディンコール。
フーディン!フーディン!
フーディン「はっはっはっはっは。」
レックウザ「あのお・・・」
フーディン「む、次はレックウザか。どうした?」
レックウザ「全ての病気を治すにはどうすれば・・・。へっくしょん!」
フーディン「馬鹿者!そういうのは占いでどうにかするものではない!病院へ行け病院へ!私は忙しいのだ!」
レックウザ「・・・すいません。はあっくしょんっ!ひいっくしょん!」
フーディン「くそ、あいつめ。はっくしょん!はっくしょん!はあっくしょん!くそ、うつされたか?明日はテレビの仕事があるというのに。」
ヘラクロス「よおフーディン!」
フーディン「ん?おお、ヘラクロスか。プリンの事か?」
ヘラクロス「すごい!当たった!その通りだ!」
フーディン「いや、それくらいは占わずとも誰だってわかるが。」
ヘラクロス「で、どうなんだ?」
フーディン「廊下に出てみろ。」
ヘラクロス「廊下に?」
キルリア「ね〜ね〜!ポケ明堂でプリン買って来たの♪皆で食べよっ☆」
ロコン「食べる食べる〜。」
ブースター「あのお店のプリン、美味しいよね。」
シャワーズ「わ、私も好き・・・。」
チコリータ「甘いものって疲れたときにはとてもいいんですよね。」
ラティアス「まあどうしてもって言うなら食べてあげてもいいけど。」
ヘラクロス「おい!プリンってあれのことか!?」
フーディン「そういうことらしいな。」
ブルー「さっすがフーディン!ユーモアも忘れない!」
フーディン!フーディン!フーディン!
レオン「やあフーディン君。凄い人気だね。」
ピカチュウ「うんうん。まさかあのフーディンがねえ。昔はヘッポコとか言われてたのに。」
フーディン「はっはっは。これが私の実力だったのだ。む、レオン。お前、このままだと地獄に落ちるぞ。」
レオン「えええっ!?」
フーディン「改名をしろ改名を。ううむ・・・レオキッキーにしろ。」
レオキッキー「レオキッキー!?いやだよお!ってもう変わってるし!!」
フーディン「はっはっは。その名前なら大丈夫!きっと恋も成就するぞ!」
レオキッキー「こ、恋?ううん、我慢してみようかな・・・。」
フーディン「む、ピカチュウ。お前も地獄に落ちるぞ。地獄どころかマクノシタとブーバーばかりの世界に飛ばされるかもしれん。」
ピカチュウ「ええ!?本当!?」
フーディン「もう私の占いにはずれはない。絶対本当だ。お前も改名をしろ。ピッカピッカーなんてどうだ?」
ピカチュウ「ピ・・・ピッカピッカー!?」
フーディン「なんなら最後にノを付けてピッカピッカーノなんてのもいいかも。」
ピカチュウ「嫌だあ!ピカノとかぶる!ピッカピッカーでいいよもう!」
フーディン「よ〜し、決定だ。」
ピッカピッカー「・・・。」
ピカノ「はっはっは。いい名前になったなピカチュ、じゃなくてピッカピッカー。ちなみにうちの校長は?」
フーディン「頭がピッカピッカー。」
これを聞いていた校長は日本刀を持って暴れだしたが、リザードン達が何とかおとなしくさせた。
フーディン「はい、次の人〜。」
エネコロロ「ペルシアン様との相性を占って欲しいの。ま、結果は当然・・・」
フーディン「最悪だな。」
エネコロロ「そう、最悪でしょうね・・・ってなんですってえ!?キーッ!!」
フーディン「まあ落ち着け。お前の本当の運命の人、それは・・・うめぼしだ!!」
エネコロロ「う・・・うめぼしですって!?あんな亀のガキンチョが!?」
フーディン「ガキンチョって・・・お前ら同い年だろうが。」
うめぼし「うむあー。」
エネコロロ「・・・。」
うめぼし「・・・ふあ?な〜に〜?」
エネコロロ「そう言われてみると・・・あの神々しい甲羅、凛々しい瞳。あなたが私の運命のポケモン・・・。あ〜ん、うめ様〜♪」
うめぼし「う、うむあ〜???苦しいよ〜。抱きしめないでよ〜。」
フーディン「よし、はい、次。」
キレイハナ「あらフーディン。ごきげんよう。」
フーディン「なっ!?キレイハナ!」
キレイハナ「ずいぶん評判のようですわね。」
フーディン「はっはっは。なんだ?さては負け惜しみでも言いに来たのか?」
キレイハナ「いいえ。今日は逆に私があなたを占ってあげようと思って。」
フーディン「へっ!やってみろ!ちなみに私の運勢は自分で占えば超大吉確実と出ているぞ!」
キレイハナ「かぜに・・・気をつけなさい。」
フーディン「なに?」
キレイハナ「私が言えるのはそれだけ。それじゃ、失礼。」
フーディン「ふん、わけのわからん奴だ。負け犬め。いや、負け花め。」
昼休み
キーンコーンカーンコーン
フーディン「占いをすると腹が減るな。食堂へ行くか。」
テッカニン「ぬおお、離せ!このパンは拙者のでござる!」
デオキシス「おおおおおお俺のだって言ってんだろだろだろだろだろだろだるおおおおおおおおうっ!!!」
テッカニン「どりゃあ!煙玉!」
煙に包まれる食堂内。
テッカニン「ぬああ!前が見えん!」
ボーマンダ「ったく。食事のマナーってもんがなってないな・・・。」
ボーマンダは羽で風を起こし、煙を吹き飛ばした。
しかし風が強すぎて、誰かの食べていたカレーうどんが吹き飛ばされ、フーディンの方に飛んできた。
フーディン「むっ!でやああ!フーディン避け!!」
フーディンが避けたカレーうどんは、アブソルにぶっかかって色違いになっていた。あれ?前にもこんなことなかったっけ?デジャヴ?
フーディン「ふふふ。キレイハナの言っていた風に気をつけろとはこれのことだったのだな。だが残念だったな。私は見事に回避したぞ。はっはっは!」
リングマ「あんたらはいつもいつも食堂に迷惑ばかりかけるんじゃないよ!!」
テッカニンとデオキシスは、パンも食えずにリングマのアームハンマーを食らっていた。
数日後
フーディン「よし、書けたぞ!『フーディンの占い読本・エピソード3』だ!」
ユンゲラー「さすが兄さん!実は僕、最近兄さんってダメダメなんじゃないかって思ってたんだけど、やっぱり凄いポケモンだったんだね!」
フーディン「あったりめえよ!私を誰だと思っているのだ?21世紀のカリスマ占い師フーディン様だぞ!」
スリーパー「こんにちは〜。」
フーディン「む、スリーパーか。いや〜、お前には本当に世話になってすまんなあ。」
スリーパー「いや、あの、実は・・・。」
フーディン「まあ座れ。ほら、高級紅茶だ。」
スリーパー「あ、ああ・・・。」
フーディン「で、どうした?」
スリーパー「いや、お前にかけた催眠術さあ・・・」
フーディン「ん?」
スリーパー「あの・・・くしゃみを3回するととけちゃうんだってさ・・・。強力な催眠だけど、それも一回こっきりで一度とけちゃうと二度とかからないんだって・・・。」
フーディン「はっはっは。なんだ、そんなことか。・・・ん?」
フーディン「くそ、あいつめ。はっくしょん!はっくしょん!はあっくしょん!くそ、うつされたか?明日はテレビの仕事があるというのに。」
キレイハナ「かぜに・・・気をつけなさい。」
フーディン「ぶううっ!!あ、あああ・・・。」
フーディンは高級紅茶を盛大に吹いた。
スリーパー「いや、あのさ、この術初めて使ったんだけど、ちょっと本をよく読んで無くてさ・・・注意事項の部分をよく読んだら・・・。いや、ごめんね。本当。」
フーディン「と、と、ということは・・・!?」
ユンゲラー「に、兄さん!外!」
カイリキー「フーディン!この前の占い、はずれてたぞ!!」
ホーホー「出て来い!インチキ占い師め!!」
カラカラ「ひどいよフーディン君!」
フーディン「げげげ・・・。あ〜もう!調子に乗って占いまくっちまったじゃねえか!どうしてくれるんだ!」
スリーパー「いや、本当ごめんって・・・。」
フーディン「ごめんですむかあっ!!」
エネコロロ「キ〜ッ!なんで私がうめぼしなんかと!すっかり騙されたわ!」
レオン「なにがレオキッキーだ!」
ピカチュウ「なにがピッカピッカーだ!」
フーディン「ぬうう・・・。一度信じたのはお前らだろうが・・・!」
ユンゲラー「に、兄さん・・・。」
フーディン「・・・。」
サワムラー「フーディン!」
エビワラー「♪出〜て〜来いよ〜っ!!」
フーディン「・・・逃げよっか。テレポートで。遠いポケモン島とかに。」
その後、占い読本3は当然発売中止。占い読本2は古本屋に大量に並び、フーディンは芸能界からも当然追放されてしまったとさ。
キレイハナ「はぁ・・・。自業自得。やっぱり調子にのるとろくな事がないってことですわね・・・。」
続く
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