ピチュー「あ〜、夕焼け小焼けだー。もう帰らなくっちゃー。」
ぜにぼう「え〜。もう少し遊ぼうよ〜。」
ピチュー「僕ね、今日はパパとママと兄ちゃんとトゲピーと一緒にお食事に行くんだ〜。」
ぜにぼう「うわ〜。いいな〜。」
ピカチュウ「お〜い、ピチュー！」
ピチュー「あ、兄ちゃん！パパとママとトゲピーも！」
ピカ父「さあ、そろそろ食事に出かけようか。」
ピチュー「うわ〜い。ママー。」
ピカ母「あらあら。甘えん坊ねえピチューちゃんは。」
ぜにぼう「・・・。」
ピチュー「それじゃ、ぜにちゃんバイバ〜イ！」
ぜにぼう「うん、バイバ〜イ。」
フシギダネ家
ぜにぼう「パパー。」
フシギダネ「おお、ぜにぼう。帰ってたのか。待ってろ。もうすぐご飯が・・・。」
ぜにぼう「僕ね僕ね、欲しい物があるの。」
フシギダネ「あ？珍しいな。おねだりか。なんだ？」
ぜにぼう「あのね、うんとね、僕・・・」
フシギダネ「ハッキリいいなさい。」
ぜにぼう「僕・・・ママが欲しいの！」
フシギダネ「ぶっ！な・・・なんだってえ〜っ！！？」
ぜにぼう「ママ欲しいママ欲しいママ欲しい〜っ！！」
フシギダネ「ぜにぼう！いいかげんに・・・」
ぜにぼう「ママ欲しい〜っ！欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい〜！」
フシギダネ「ぐっ・・・。わかったわかった！明日連れてきてやるからとりあえず泣きやめ！」
ぜにぼう「本当？」
フシギダネ「あ、ああ。本当だとも！（やっべ。どうしよ。）」
ぜにぼう「わ〜い！わ〜い！ママだママだ〜！楽しみ楽しみ〜！」
次の日
フシギダネ「う〜む、まいった。恐れていたことが現実になってしまったな・・・。しかしママになってくれそうな奴か・・・。」
ロコン家
ロコン「私がぜにぼうちゃんのママに？」
フシギダネ「そうなんだよ。頼むよ。」
ロコン「う〜ん・・・具体的にはどういうことすればいいの？」
フシギダネ「そりゃママってんだから毎日ぜにぼうの世話をしてくれればいいんだよ。」
ロコン「・・・でもママってことはやっぱりぜにぼうちゃんと一緒に住むんだよね？」
フシギダネ「そりゃ当然・・・はっ！」
ここでフシギダネはぜにぼうのママ探し＝自分の嫁探しということにようやく気が付いた。
フシギダネ「わああああああああ！！この話は無かったことにしてくれ！忘れてくれ！それじゃ！」
ロコン「フ、フシギダネ君？？？」
フシギダネ「ひいい、恥ずかしくなって思わず飛び出してきてしまった。う〜む。俺の嫁探しか・・・。どうしよう。ぜにぼうに謝るか・・・。」
しかし、昨晩のぜにぼうの笑顔を思い出すと、どうしてもやめるわけにはいかなかった。
フシギダネ「し、仕方が無い。やっぱり探そう。俺のよ・・・じゃなくてぜにぼうのママを。」
ブースター家
ブースター「あれ？どうしたの？フシギダネ君。うちに来るなんて珍しいね。」
フシギダネ「いや、実はその・・・。」
ブースター「あ、わかった。ぜにぼうちゃんの夕飯作りに困ってるんでしょ？手伝ってあげるよ？」
フシギダネ「いや、そうじゃないんだ。」
ブースター「え？」
フシギダネ「その・・・ぜにぼうのママになって・・・そして俺の嫁になってくれ！」
ブースター「え・・・ええっ！！？」
フシギダネ「理由は聞かないでくれ！頼む！」
ブースター「きゅ、急にそんなこと言われても・・・。ど、どうしよう・・・。」
サワムラー「メガトンキック！」
フシギダネ「いってえ！なんだいきなり！何をするんだ！」
カイリキー「何をするはこっちのセリフだ！お前！いつの間にブースターを狙っていた！？」
サンダース「フッ。まだライバルが存在していたとはな・・・。さすがブースターだ。だが残念。この宇宙が誕生した瞬間からブースターは僕のものと決まっているのさ。」
エビワラー「ブ〜スタ〜は〜わ〜たさな〜いぜ〜♪」
フシギダネ「待て！落ち着け！そういう意味じゃなくてだな・・・」
エーフィ「はぁ・・・。なんですか？玄関で騒々しいですね。またホコリがたつじゃないですか。」
フシギダネ「あ！もうあんたでもいい！女なら誰でもいいんだ！俺のところへ来てくれ！頼む！」
エーフィ「・・・。なんだかわかりませんが、ずいぶん失礼なことを言ってませんか？心のお掃除が必要なようですね・・・。」
フシギダネ「あ、いや、すまん。違うんだ。これは・・・」
エーフィ「黙りなさい。」
フシギダネはエーフィにボコボコにされてしまった。サワムラーたちもついでにボコボコにされた。
フシギダネ「ぐぐ・・・。めげないぞ。」
プリン「ププリン、今日は何食べよっか？」
ププリン「ん〜とね、オムライス！」
フシギダネ「ん、プリンかあ・・・。」
以下、フシギダネの妄想。
プリン「あなた〜！部屋のお掃除してくれる〜？」
フシギダネ「あ？今忙しい。」
プリン「やりなさいって言ってるでしょ！プリンちゃんフック！」
フシギダネ「いでえっ！すぐ殴るんだから！わかったわかった・・・。」
プリン「あなた〜。私、買い物行って来るからその間にお洗濯取り込んでおいてね〜。」
フシギダネ「はあ？あのなあ、日曜くらいゆっくりさせろよ！」
プリン「口答えするんじゃないの！プリンちゃんジャブ！」
フシギダネ「うぎゃあっ！！！」
プリン「あれ？フシギダネ君じゃん。どうしたの？」
フシギダネ「あ、いや・・・あの、プリン・・・じゃなくてププリンさあ、俺のところに来ない？」
ププリン「なんで〜？」
フシギダネ「いや、あのさあ、一緒に暮らしたいなあ、なんて。」
プリン「（ロ・・・ロリコン！？）」
フシギダネ「！！あ、プリン！何だよその目！違うぞ！これは断じてお前の思ってるような意味で言ってるわけじゃ・・・」
プリン「い、いいのよ。ヘラクロスとかに比べればずっと正常よ。うん。」
フシギダネ「いや違うって！絶対勘違いしてるって！」
プリン「えっと・・・私たち忙しいから。また今度ね。それじゃ！」
フシギダネ「待て！待てよプリン！うわあああああ！なんでこうなるんだ！」
キルリア「あれ〜？ケロケロ（フシギダネのこと）じゃ〜ん！どうしたの〜？浮かない顔しちゃって〜？」
フシギダネ「キルリアかあ・・・。ま、いっか。あのさあ・・・ぜにぼうのママになってほしいんだ。」
キルリア「どういうこと〜？」
フシギダネ「だからさ・・・俺の嫁になってくれ！」
キルリア「キャッ！もしかしていきなりプロポーズ〜？残念だけど〜、ダ〜メッ☆何故ならキルは〜、み・ん・な・の・も・の・だ・か・ら♪てへっ☆」
フシギダネ「（くっそー。何でこんなにムカつくんだ・・・。）」
ラティアス家
フシギダネ「あのお、ぜにぼうのママ兼俺の嫁に・・・」
ラティアス「ぷっ。なかなか面白いギャグを言うじゃない。もう一度言ってごらんなさい。盛大に笑ってやるから。」
フシギダネ「なんでもないです・・・。」
トサキント「うふ〜ん。」
フシギダネ「・・・。」
トサキント「あらん。なんでシカトすんのよ〜ん。」
フシギダネ「あ、シャワーズ。」
シャワーズ「（びくっ！）な、なに？」
フシギダネ「あのさあ、ちょっと話があるんだけど・・・。」
シャワーズ「・・・？」
フシギダネ「・・・俺のところに来てくれないかな・・・。」
シャワーズ「・・・・・・え？」
フシギダネ「いや、だから一緒に暮らし・・・」
シャワーズとフシギダネの距離：３０メートル
フシギダネ「なあ、何でそんなに離れるんだよ。」
シャワーズ「ひっ！」
フシギダネ「おい！何で逃げるんだよ！俺は変態じゃないぞ！おい！」
キレイハナ家
フシギダネ「キレイハナかあ・・・。」
以下、フシギダネの妄想。
執事「旦那様、お食事の用意が出来ました。」
フシギダネ「うむ。ご苦労。今日のメニューは？」
執事「シェフ達に作らせたトリュフとかフォアグラとかキャビアとかヤドンのしっぽとかをふんだんに使った何だか高そうな高級料理ばかりでございます。」
フシギダネ「ふむ。まあまあだな。」
メイド「ご主人様。お食事がお済になられましたらマッサージの時間でございます。」
フシギダネ「あ〜、気持ちいい。種の先っぽの辺りも頼むよ。」
メイド「かしこまりましたご主人様。」
キレイハナ「フシギダネ君。」
フシギダネ「どわあっ！！い、いつの間に！？」
キレイハナ「あなたの言いたいことは占いでわかっています。」
フシギダネ「え、ああ、そうか。」
キレイハナ「私はラフレシア家の一人娘。そうそう簡単に嫁ぐわけにはいきませんわ。」
フシギダネ「やっぱりなあ・・・。」
続いてフシギダネは商店街の方に出向いた。
フシギダネ「なんだ？あの人だかりは。」
そこはポケモン島で評判のスイーツ屋さんで、アイドルのサーナイトがテレビ番組の収録を行っていた。
サーナイト「これがトロピウスクレープです！うわ〜、おいしそ〜う！」
フシギダネ「サーナイトか・・・。」
以下、フシギダネの妄想。
ヒトカゲ「続いては芸能ニュースです。なんとあの人気アイドルのサーナイトが電撃入籍。相手は東地区に住む草ポケモンの男性です。」
ルギア（レポーター）「相手の草ポケモンの男性、というのはどのような方なんですか？」
サーナイト「とても家族思いで優しくて〜、凄くカッコいい人なんですよ〜。」
フシギダネ「いや〜、それほどでも・・・。」
ゴースト「あはは。何がそれほどなんですか？」
フシギダネ「ギャアアアアアス！！きゅ、急に話しかけるんじゃねえっ！！」
ゴースト「え？はあ、どうもすいません。私はただサナちゃんの写真撮ってたらフシギダネさんがいたもんで、つい・・・。」
フシギダネ「ま、まあいい。俺は忙しいんだ。じゃあな。」
ゴースト「？ええ。それでは。」
オニスズメ「・・・おい。」
ゴースト「え？私ですか？」
オニスズメ「サナちゃんの写真を後で渡せ。これは命令だ。」
ゴースト「別に欲しいなら焼き増しして差し上げますけど、ああ、もしかしてファンなんですか。」
オニスズメ「違う！違うぞ！その写真はただ市民の資料としてだな・・・！」
フシギダネ「う〜む。どうすればいいんだ・・・。」
ミュウ「フシギダネ君、悩み事かい？」
フシギダネ「ああ、ミュウか。実はかくかくしかじかで・・・。まあ、ミュウに言っても仕方が無いだろうけどな。」
ミュウ「し、失礼だなあ。女性の心をつかむなんてのも心理学の一つだからね。僕に任せなよ。さあ、行こう。」
フシギダネ「行くってどこへ？」
ミュウ「北地区さ。ここじゃ知り合いが多すぎるからね。」
フシギダネ「・・・行ってどうする。」
ミュウ「ナンパだよ。もちろん僕もやったことはないけれど・・・大丈夫。勉強の成果を見せてあげるよ。」
フシギダネ「ナ、ナンパって・・・。」
北地区
ミュウ「それじゃ、まずは僕が行って見本を見せるよ。」
ミュウはそこを歩いていたブニャットに話しかけた。
ミュウ「やあお嬢さん。僕はあなたの相撲取りのようにガッチリとした体に一目ぼれ・・・」
ブニャット「馬鹿にしてんのあんた！？のしかかり！」
ミュウ「ぐほおっ！！」
フシギダネ「・・・ミュウ、今のはダメだろ・・・。」
ミュウ「お・・・おかしい！女性は長所を過剰に褒められることを好むはずなのに！」
フシギダネ「あついしぼうは見た目的には長所にならねえよ。コンプレックスにしかならない。」
ミュウ「うう・・・。勉強不足だった・・・。フシギダネ君、僕の失敗を生かしてチャレンジしてくれ・・・。あたって砕けてもいいじゃないか。自分に自信を持つんだ・・・！」
フシギダネ「なんか感情論になってるぞ。っていうか俺は彼女が欲しくてたまらないモテない男か？」
ミュウ「じ、人生何事もチャレンジだよ。」
フシギダネ「ううむ・・・。ええい！ぜにぼうのためだ！やってやるぜ！」
ミュウ「フシギダネ君・・・僕の分も頑張ってくれ！」
フシギダネ「あ・・・あ・・・あ・・・あの・・・あの・・・あ・・・」
ミミロップ「はい？」
フシギダネ「あの・・・あの・・あ・・あ・・ああ・・」
ミュウ「ううむ、やっぱりシャイなフシギダネ君にナンパは無理かな・・・。しかし彼の勇気は僕も見習わなくては・・・。」
フシギダネ「あ・・・あ・・・ああ・・・ああ・・・」
ミュウ「頑張れ！」
フシギダネ「ああ・・・ああ〜あこがれの〜ポケモンマスターにい〜♪」
ミュウ「歌っちゃった！！」
フシギダネ「なりたいな〜、ならなくちゃ〜♪」
ミミロップ「絶対なって〜やるう〜♪」
ミュウ「ノってきた！？」
フシギダネ「あ・・・いや、どうもすいません。なんかいい天気で思わず歌いたくなっちゃいますよね・・・。ははは・・・。」
ミミロップ「ええ、そうですね。」
フシギダネ「は、ははは、それじゃ！！」
ミュウ「フシギダネ君！」
フシギダネ「ミュウ〜！恥ずかしすぎて俺は大爆発を覚えられたなら使ってしまいたいよ！！」
ミュウ「だ、大丈夫だフシギダネ君！ナイスガッツ！誰も君を笑ったりしないよ！」
フシギダネ「あああ〜！たとえ火の中水の中草の中森の中〜！俺が入りたいのは穴の中〜！！」
なかなか思うようにならず、フシギダネは公園で一休みしていた。
フシギダネ「あ〜困った。他に誰か・・・ん？」
レックウザ「ゴッホゴッホ。いつも看病してもらってすいません・・・。」
チコリータ「いえ。お安い御用です。それじゃ、お大事に。」
フシギダネ「ん・・・チコリータか。よし、これで最後にしよう。お〜い、チコリータ！」
チコリータ「？」
フシギダネ「あのさあ、ちょっと話が・・・」
チコリータ「あ、すいません、どいてください！」
フシギダネ「え？」
そこには何故かまたボロボロになっているアブソルがいた。
アブソル「うう・・・。」
チコリータ「今日は何があったの？」
アブソル「ハチに襲われて夢中で逃げていたら階段から転げ落ちて・・・。」
チコリータ「あらあら。さ、病院へ行きましょう。」
アブソル「いつもすいません・・・。」
フシギダネ「・・・。」
チコリータ「ごめんね。何か話があったんでしょう？」
フシギダネ「いや、いいんだ。別に。」
フシギダネはチコリータとアブソルを見送った。
フシギダネ「ただいまー。」
ぜにぼう「おかえり〜！ママは？ママは〜？」
フシギダネ「ちゃんと連れてきたぞ。ぜに子さんだ！」
ぜに子「うむあー。」
ぜにぼう「・・・。」
フシギダネ「・・・あれ？嬉しくない？」
ぜに子「うめちゃんじゃん！うめちゃんはママじゃない！」
うめぼし（ぜに子）「ばれちゃったー。」
ぜに子はうめぼしの女装だった。
ぜにぼう「うわ〜ん！パパの馬鹿〜！うそつき〜！カエル〜！」
フシギダネ「ぜ、ぜにぼう！悪かったよ！お詫びに今日はぜにぼうの好きなもの食べような！」
ぜにぼう「ぐすっぐすっ。」
フシギダネ「後、ぜにぼうの欲しいもの、ママ以外なら何でも買ってやるぞ！」
ぜにぼう「ぐすっ・・・本当？」
フシギダネ「本当本当！」
ぜにぼう「うわ〜い！じゃあねじゃあね、無視キングのやつ買って！」
フシギダネ「よ、よしよし。わかった。買ってあげるからな。（やっぱりまだまだ子供だな・・・。）」
続く
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