平和なポケモン王国。

しかし、ある日どこからともなく魔王ピカノが現れ、なすすべも無く侵略されてしまった。

王国中はたちまち恐怖に包まれた。

さらにはポケモン王国の姫、キレイハナまで捕らわれの身となってしまった。

だがそんな中、ここに一人の勇者が立ち上がった。

その名は勇者ピカチュウ。村で一番腕の立つ少年である。

ピカチュウは、全国民の期待を背負い、今、魔王ピカノに立ち向かう。


ピカチュウ:レベル1

ピカチュウ「と、立ち上がったはいいけど・・・まずは何処に行こう。そうだ!酒場に行って仲間を集めよう。」

ピカチュウは酒場へ向かった。


ホーホー「ようこそホーホーの酒場へ。この中に仲間にしたいポケモンはいますか?」

ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー

ピカチュウ「ホーホーしかいないじゃん!!」

ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ホーホー ライチュウ ホーホー ホーホー ホーホー

ピカチュウ「地味に違うのが交じってる!!」

ホーホー「誰を仲間にしますか?」

ピカチュウ「・・・もういいです。」

こうしてピカチュウはホーホーの酒場を後にした。


ピカチュウ「さて、こっちの酒場はどうかな?」

ルギア「ここはルギアの酒場です。仲間を集めたりするにはもってこいですよ。」

ピカチュウ「お、ここはよさそうだな。さて、頼りになりそうなのは、と。」

ガラガラ:レベル10

ピカチュウ「お、いいかも。あの〜、すいません。魔王を倒す旅をしてるんですけど、良かったら力になってくれませんか?」

ガラガラ「・・・。危険な戦はしない。それが我が武士道・・・。」

ガラガラを仲間にすることが出来なかった。

ピカチュウ「おいっ!なんだこいつ!仕方ないなあ・・・。じゃあ他には・・・。」

レックウザ「ゴホッゴホッ。」

レックウザ:最大HP1

ピカチュウ「・・・ダメだ。他は?」

アブソル:運の悪さ359万

ピカチュウ「うわあ!ダメダメ!冒険の書が消えそう!う〜む他には・・・あのお、魔王退治に付き合ってくれませんか?」

ラティアス「は?それナンパのつもり?悪いけど好みじゃないのよね。出直してきなさい。」

ピカチュウ「あの〜、すいません。」

キルリア「や〜ん!キル、お箸より重いもの持てないから戦いなんて出来な〜い!」

ピカチュウ「魔王退治に協力してもらえませんか?」

うめぼし「うむあ〜。まお〜って何〜?」

ピカチュウ「すいませ〜ん。」

フーディン「魔王?う〜む、私の占いで悪い相が・・・。そうだ、お前それより私の本を買っていかんか?きっと救われるぞ。あ?キレイハナ姫?知ったことか。」

ピカチュウ「仲間に・・・」

ミュウツー「すまん。ワンちゃんの散歩とカルピスの特売があって忙しいのだ。」

ピカチュウ「あの・・・」

マクノシタ「ぶふふっ!任せろ!マクノシタソード!でやああああああ!!みんな!俺に力をおおおおお!!ぶふっ!決まったぜ!」

ピカチュウ「ダメか・・・。」

マクノシタ「ぶふふ。いや、任せろって言ってるじゃん。」

ピカチュウ「あ〜あ。まいったなあ・・・。」

スピアー「ふっふっふ。お兄さん、お困りですか?」

ピカチュウ「あんた誰?」

スピアー「商人のスピアーです。仲間を探していらっしゃるならこのモンスターボールはいかがですか?これに入れればどんな奴でも有無を言わさず魔王退治の仲間に出来ますよ。」

ピカチュウ「そこだけポケモンなのか!」

スピアー「どうです?今なら1つ200万ゴールドですよ。」

ピカチュウ「ぼったくりじゃねえか!」

スピアー「じゃあ200ゴールドでいいです。」

ピカチュウ「おいっ!」

スピアー「後ついでに凄い傷薬とかもありますけどどうします?」

ピカチュウ「ああ、むしろそっちのが欲しいな。え〜と、今の所持金は・・・」

所持金:150ゴールド

スピアー「ぺっ。貧乏人か。そんなんじゃジュース1本しか買えねえよ。じゃあな。」

ピカチュウ「ひでえ!急に態度が変わりやがった!っていうか所持金150ゴールドってのもひどい・・・。」


街中

ピカチュウ「う〜む。しかし僕は全然敵について知らないな。何か情報を集めよう。あの〜、すいません。魔王ピカノって知ってますか?」

ヒノアラシ「・・・魔王ピカノ?もちろん知ってるよ。あの極悪非道な魔王だろ?あ〜あ。あんなのが現れるなんて・・・。世界終わったね。」

ピカチュウ「暗っ!」

ヒノアラシ「勇者が立ち上がったらしいけど、魔王には絶対勝てないね。もうダメだ。これからは憎悪に満ちた暗黒の世界になるんだ・・・。」

ピカチュウ「おい!少しは勇者を信用してよ!ダメだこいつは!」


ポケモン平原

ピカチュウ「ふう。結局一人で出てきたものの・・・。やっぱ少し心配だなあ。」

ジャジャーン!

オニスズメが現れた!

ピカチュウ「うわ、敵だ!」

ピカチュウの攻撃!

ピカチュウ「電気ショック!」

オニスズメを倒した!

ピカチュウ「お、倒した。この感じでいけば案外一人でも大丈夫かもな。」

ジャジャーン!

ピカチュウ「また敵か!」

デオキシスが現れたあああああああああ!!

ピカチュウ「文章までテンション高いな!っていうかウザいな!」

ピカチュウの攻撃!

ピカチュウ「もう一度電気ショックだ!」

デオキシスに30のダメージいいいいいいいいい!!

デオキシスの攻撃いいいいいいいいいいいいいいっ!!!

プリン「危ない!ピカチュウ君!」

プリンが現れて攻撃を受け止めた!

プリンの攻撃!

プリン「プリンちゃん正拳突き!!」

デオキシスは倒れたああああああああ!!たあああおおおれぇぇぇたあああああああああああっっっ!!!

ピカチュウ「き、君は村の幼馴染のプリン。」

プリン「ピカチュウ君!一人で行くなんて危ないわ!私も付いていくから!」

プリンが仲間になった!

ピカチュウ「・・・な、何はともあれ仲間が増えてよかった・・・かな。」

プリン:数字じゃ表せないほど高いレベル

ピカチュウ「すげえ!っていうかもう僕いらなくない?」

ジャジャーン!

プリン「敵だわ!」

ヘラクロスが現れた!

ヘラクロス「うおおおおおおお!プリン!プリイイイン!!」

プリンの攻撃!

プリン「プリンちゃんナックル!」

会心の一撃!

ヘラクロスに525のダメージ!

ピカチュウのこうげ・・・プリンの攻撃!

プリン「プリンちゃんかかと落とし!!」

急所にあたった!

ヘラクロスに737のダメージ!

ヘラクロスのこうげ・・・プリンの攻撃!

プリン「プリンちゃんチョップ!!」

クリティカルヒット!

ヘラクロスに1898のダメージ!

ピカチュウ「あの〜プリン・・・順番は守ったほうが・・・」

プリン「ちょっと邪魔よ!どいて!」

プリンの攻撃!

プリン「プ〜リ〜は〜め〜波〜っ!!!」

ヘラクロスに2859063のダメージ!

ヘラクロスは倒れた!

ピカチュウ「あ〜あ・・・。」

ヘラクロスは仲間になりたそうにこちらを見ている!

ピカチュウ「タフだなあ・・・。」

ヘラクロスはいやらしい目でプリンを見ている!

プリンの攻撃!ヘラクロスに320のダメージ!

ピカチュウ「ちょ、ちょっとやめなって!もう戦意はないんだから!」

ヘラクロスを仲間にしますか?

はい
いいえ

ピカチュウ「・・・ごめん。『いいえ』で。」

ヘラクロスはまだ仲間になりたそうにこちらを見ている!ヘラクロスを仲間にしますか?

ピカチュウ「・・・『いいえ』」

ヘラクロスはしつこくこちらを見ている!ヘラクロスを仲間にしますか?

ピカチュウ「『いいえ』」

プリン「行きましょうピカチュウ君。」

ヘラクロスはプリンについてくる!ヘラクロスを仲間にしますか?

ピカチュウ「しつこいな。だから・・・」

プリンの攻撃!プリンの攻撃!プリンの攻撃!プリンの攻撃!プリンの攻撃!プリンの攻撃!プリンの攻撃!

返事が無い。ただの屍のようだ。

ピカチュウ「ヘラクロスウウウウウウ!!」

プリン「さあ、行きましょう。ヘラクロスのためにも魔王ピカノを倒すのよ!」

ピカチュウ「そ、そういう問題かなあ・・・。」


そしてそれから30分・・・。

ピカチュウ達は魔王ピカノが潜むピカノ城へ到着した。

ピカチュウ「近っ!近すぎるだろ魔王の本拠地!」

プリン「案外、最大の敵は身近なところにいるものよ。」

ピカチュウ「そうなの!?」

プリン「さあ、行くわよ!出てきなさい!魔王ピカノ!」

ピカチュウ「うわあ。中はやっぱり広いなあ。」

ジャジャーン!

エーフィが現れた!

ピカチュウ「魔王の手下か!?」

エーフィ「はいはい、どいてください。掃除中ですから。」

ただのピカノに雇われて城を掃除しに来ただけのポケモンだった。

ピカチュウ「・・・。あ、あの〜キレイハナ姫と魔王ピカノって何処にいるかわかります?」

エーフィ「はい。そこにトイレが見えますね?そこを左に曲がって・・・そこにキレイハナ姫が捕らわれています。魔王ピカノは何処にいるかわかりません。」

ピカチュウ「あ、そうですか。ありがとうございます。」

プリン「よ〜し、行くわよ!」


ピカノ城、牢

ピカチュウ「キレイハナ姫!助けに来ました!あ!くそ!牢屋の鍵を持っていない!」

プリン「はあっ!!」

プリンの攻撃!牢屋が壊れた!

ピカチュウ「もうなんでもありだな・・・。プリンが魔王じゃなくて本当に良かったよ・・・。」

キレイハナ「助けていただいてありがとうございます。勇敢なる勇者様。」

ピカチュウ「あ、いや〜、正直に言って僕は何も・・・。あ、ピカノって何処にいるかわかりますか?」

キレイハナ「ピカノならこの城の300階にいます。」

ピカチュウ「この建物そんなに高かったの!?」

プリン「めんどくさいわねえ・・・。倒すのは簡単なのに。」

ピカチュウ「そういやピカノは飛べるからなあ・・・。」

キレイハナ「それなら簡単な方法がありますわ。」

ピカチュウ「簡単な方法?」

キレイハナは携帯電話を取り出した。

キレイハナ「あ、もしもし?お父様?ええ。勇者様に助けてもらいましたの。それでお願いがあるのですが・・・。」

ピカチュウ「自家用ジェットでも借りるのかな?」

キレイハナ「ええ。1時間後にピカノ城へ向けてミサイルを発射してください。」

ピカチュウ「えええええええ!!?」

キレイハナ「さあ勇者様。1時間後にここは爆発しますから、早く脱出しましょう。」

こうしてピカチュウとプリンとキレイハナはエーフィも連れて城から脱出した。


ピカノ城300階

魔王ピカノは、昼の人気番組『みのむっちの午後は△△おもいきったテレビ』を見ていた。

ピカノ「ふむふむ。この奥さんも大変だなあ。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・。

ピカノ「なんだあ?地震か?」

次の瞬間、ピカノ城は光に包まれた。


魔王になった理由?いや、なんかさ、悪役ってのも一度くらいやってみるのも悪くないかなって。どうせ番外編だし。

だって、へたな勇者よりカッコよくない?最近の悪役って主人公よりもしっかりとした信念や目的意識があるしさ。

姫を捕らえたのだってそうだ。悪役といったら姫を捕らえるみたいなイメージがあったからやってみただけ。別に身代金とか要求するつもりも無かったし、殺したりするつもりも全然無かった。

ただ勇者達と激闘を繰り広げてカッコいいセリフを言いながら死んでいければ良いなあとか思ってた。

それがなにこれ?勇者と顔も合わせずに城にミサイル撃ち込まれるってどういうこと?昨日一晩寝ずに勇者と戦う時のセリフ考えた俺が馬鹿みたいじゃんか。

・・・そんなこんなで、俺は今、病室にいる。全治10ヶ月だそうだ・・・。

〜魔王ピカノの日記より抜粋。〜


こうして、世界は救われ、ポケモン王国に再び光が戻ったのであった。

ちなみにゲーム化の予定は一切なし!

ピカチュウ「あたりまえだ!!」
続く


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