なにやら、テッカニンが忍者教室を開いたそうです。

テッカニン「ではこれより、鉄火流忍者教室・第一回目の講義を始めるでござる!お前たちは我が忍者教室の記念すべき第一期生だ!光栄に思うがいいでござる!」

ピカチュウ「・・・。」

レオン「やるからには頑張らなくっちゃね。」

うめぼし「わ〜い!忍者忍者〜!」

ラティアス「・・・。なんで私まで連れてこられるわけ・・・?」

テッカニン「最初に言っておくが!忍者の修行は大変厳しいものでござる!それに耐える自信が無い奴はいますぐ・・・」

ピカチュウ「あ、帰っていいの?」

テッカニン「え?あ、ダメダメ!むしろ耐える自信が無い奴は帰さんぞ!いいな!で、ござる!」

ラティアス「はいはい。要するにかまってほしいのね。」

テッカニン「ち、違うでござる!今後命を狙われたときとかに忍術があると凄く便利だから命を狙われそうなお前たちには特別に我が忍法を教えてやろうと・・・」

ピカチュウ「別に狙われないよ!」

テッカニン「さ、更にこれが上手くいったら今度は授業料も取ってそのお金で高級忍具をたくさん買おうと・・・」

ピカチュウ「本音が出た!」

テッカニン「ご、ごほん!では!最初に教えるのは分身の術でござる!」

分身の術とは・・・なんかとりあえず二人以上いるように見せかける忍術の定番の一つである。

テッカニン「よし!まずは拙者がお手本を見せてやるでござる!」

テッカニンの影分身!

テッカニン「はっはっは!どうでござる!すごいでござろう!はっはっはっはっは!では早速やってみるでござる!」

ピカチュウ「こうかな?」

ピカチュウとレオンは新しく影分身を覚えた!

テッカニン「な、なにい!?こ、この術には長年の鍛錬が必要なはずなのに・・・。ふ、ふん。なかなか筋がいいではござらんか。つ、次に行くぞ!」


テッカニンたちは近くのポケモン川に移動した。

テッカニン「続いて教えるのは水遁の術でござる!」

水遁の術とは・・・なんか筒みたいなのを使って水中でも息が出来るようにする忍術の一つ・・・だったような気がする。

テッカニン「よし、うめぼし殿!やってみるでござる!あ、ちなみに水の中では目や鼻が痛くなるから水中ゴーグルやシンクロとかで使う鼻つまむ奴を持っていくと便利でござるよ。」

ピカチュウ「それもなんだかなあ・・・。」

うめぼし「うむあー!」

うめぼしは水中に潜っていった。

レオン「あ、うめぼし君、筒を忘れて行ったよ。」

テッカニン「何!?き、危険でござる!うめぼし殿!今助けるでござるぞ!とおおーっ!!!」

テッカニンも水中に潜っていった。

ピカチュウ「おーいテッカニン!うめぼしなら水ポケモンだから多分大丈夫・・・ってテッカニン!筒!筒!」

テッカニン「ふぎゃあああああ!!ごぼごぼ・・・助け・・・ごぼぼ・・・。」

逆にテッカニンはうめぼしに助けられてしまった。

うめぼし「だいじょうぶ〜?」

テッカニン「ごぷっ。うぐぐ・・・。む!忍法読心の術!お前たち!今かっこ悪いとか思っただろう!で、ござる!」

ラティアス「あら残念。かっこ悪いどころか、『なんで私がこんな奴の道楽に付き合わなくちゃいけないのよ。1週間でくたばれセミ野郎。』って思ったわ。」

テッカニン「ひどっ!そんなこと思ってたの!?じゃ、なくて!今のはだなあ、水遁の術を失敗したらどうなるのか身をもって教えてやったまでで・・・」

ピカチュウ「わかったわかった。凄いよテッカニンは。」

テッカニン「むう・・・なんかむかつくんですけど。まあいい。次の修行でござる!」


ピカチュウたちは森にやってきた。

テッカニン「続いては忍法木の葉隠れの術でござる!」

木の葉隠れの術とは・・・確か葉っぱとかに身を隠す術のはず。

テッカニン「では、また拙者からやってみるでござる!」

テッカニンはせっせと木の葉を集め始めた。

ピカチュウ「・・・なんか地味な作業だね・・・。」

テッカニン「に、忍者というのは忍びの者と書く!地味な作業を嫌がっては立派な忍者にはなれんぞ!さあ、お前たちも木の葉を集めるのだ!!」

ピカチュウたちは、しぶしぶ木の葉を集め始めた。

レオン「・・・むぐ・・・んがああああああああ!!やってられっかあああああああ!!」

ピカチュウ「うわ、レオンがキレた!落ち着いて!落ち着いて!」

テッカニン「ははは!レオン殿、この程度の作業に耐えられないようでは忍者は務まらんでござるぞ!よし、出来た!拙者が一番乗りでござる!見よ!これが忍法・木の葉隠れの術でござる!」

ピカチュウ「(明らかにテッカニンが隠れてるところだけ葉っぱが山になってるんだが・・・ま、突っ込まないでおくか。)」

エーフィ「あら、皆さんお揃いで木の葉掃除ですか?感心ですね。実は私も木の葉掃除の途中なんですよ。」

ピカチュウ「あ。エーフィさん。」

エーフィ「それじゃ、私も手伝いますね。あらセミさん。そんなところで寝ていると邪魔ですよ。どきなさい。」

エーフィはあっという間に木の葉を一まとめにしてしまった。テッカニンの姿も丸見えである。

テッカニン「・・・。」

ピカチュウ「・・・あ〜あ。」

テッカニン「むう・・・ま、まあ掃除じゃ仕方ないでござるな!」

うめぼし「ねーねー!次は〜?」

テッカニン「うるさいでござる!これでよ〜くわかった!お前たちには忍耐力と基礎体力と俊敏さとその他もろもろが足りんのだ!!今からみっちり鍛えてやるでござる!」

ピカチュウ「急にキレた!」

テッカニン「では、体力をつけるためにランニングでござる!付いて来い!」

ラティアス「はぁ・・・。」


テッカニンたちはランニングを始めた。

テッカニン「そ〜れポケ高〜!ファイ!オー!ファイ!オー!ファイ!オーッ!!」

ピカチュウ「なんで部活風なんだ・・・。」

テッカニン「む!前方に壁発見!飛び越えるでござる!」

テッカニンは先頭で壁を飛び越えた。

テッカニン「ふっ。この軽い身のこなし・・・。さすがは鉄火流忍者・・・。」

が、壁を飛び越えたその先にいたのは・・・?

ガブリアス「ああ?なんだてめえは。」

ゴウカザル「俺たちの溜り場に何か用か?ああ?」

ドクロッグ「お、なんだ。こいつもしかしてポケモン高校の奴じゃないのか?ちょうどいい。やっちゃいましょうぜガブリアスさん。」

テッカニン「き、北地区の台派(ダイパ)高校の不良だーーー!!あわわわわわ・・・。」

ガブリアス「てめえ、なんなんだ?あ?」

テッカニン「うわ!は、離すでござる!て、鉄火流忍術をくらいたいでござるか!」

ガブリアス「やってみろ。」

テッカニン「よ、よ〜し!よく見てるでござる!鉄火流忍法・水遁の術!」

筒をどこからともなく取り出したテッカニンは、筒を通して息を吸い始めた。

ゴウカザル「地上じゃ意味ねええええええええ!!」

テッカニン「ふ、ふふふ!ビビッているでござるな!続いて水遁の術・パート2でござる!」

水遁の術パート2とは・・・なんか水の上とか歩くあれである。

ドクロッグ「やっぱり意味ねええええええ!!」

テッカニン「よ、よし!このまま畳み掛けるでござる!水遁の術・パート3!」

水遁の術パート3とは・・・なんかあの小麦粉でできた、汁とかにいれて食べるあれ・・・

ゴウカザル&ドクロッグ「水遁じゃなくて水団じゃねえか!!」

ガブリアス「てめえ・・・なめてんのか?」

テッカニン「よ、よし!相手は虫の息でござる!とどめだ!忍法・土遁の術!!」

テッカニンの砂かけ!

むなしくガブリアスの体から零れ落ちる砂。

ガブリアス「てめえ・・・いい度胸してんじゃねえか。ちょっとこっち来いよ。」

テッカニン「うわあああああ!離せ!離せえええ!!で、ござる!」


ピカチュウ、レオン、ラティアスは、うめぼしが壁を登るのを手伝っていた。

うめぼし「ひい、ひい・・・。」

レオン「ほら、うめぼし君、しっかり!」

ピカチュウ「せ〜の!よいしょっと!ふう、やっと壁を上れた・・・。」

ラティアス「あら?あの忍者もどきのセミはどこいったのかしら?」

ピカチュウ「あれ?おーい、テッカニン!あ、もしかして隠れ身の術?」

レオン「うわあ、すごいや。どこにいるか全然わからないよ!」

ピカチュウ「テッカニン、もう出てきてもいいぞ!テッカニン?」

次の日、テッカニンは大怪我をし、文字通り自分が虫の息で登校した。


その後。

ラティオス「はっはっは!ラティアス!帰ったならちゃんと兄ちゃんにただいまって言わなくちゃ・・・」

身のこなしが軽くなったラティアスはすばやく天井に張り付いて隠れた。

ラティオス「あれ?おっかしいな。確かに帰ってきたと思ったのだが・・・。う〜む・・・。」

忍者教室も案外役に立っていた。
続く


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