ピカチュウ「空が暗くなってきたね。レオン、そろそろ帰ろうか?」
レオン「そうだね。ってあれ!見てよピカチュウ君!」
そこには見知らぬポケモンが倒れていた。
ピカチュウ「ちょ・・・ちょっと大丈夫ですか?」
レオン「あ、よかった。息はあるみたいだ。」
ピカチュウたちが呼びかけると、倒れていたポケモンは目を開いた。
ピカチュウ「あ。気づいたみたい。」
レオン「一体どうしたんですか?」
???「・・・。あ〜、助けてくれたんですか。どうもありがとうございます。え〜と・・・ここは?」
レオン「ポケモン島の東地区です。」
???「東地区・・・?」
ピカチュウ「っていうか何でこんなところに倒れてたの?」
レオン「あなた誰?何処から来たの?」
???「え〜と・・・あれ?何も思い出せない・・・。」
ピカチュウ「ええっ!?」
レオン「それってもしかして・・・記憶喪失って奴?」
???「う〜ん・・・そうかもしれませんね。いや〜、まいった。どうしよう。」
ピカチュウ「ポケモンの種族的には・・・ルカリオだよね。この前ポケモン学の授業で生態系とか習った。」
レオン「名前とか付いていた覚えあります?それとも種族名そのままルカリオさん?」
ルカリオ「ルカリオさんって呼ばれるとシックリくるような気がするので多分そのままだと思います。」
ピカチュウ「しかし記憶喪失か・・・。交番に連れて行くべきかな?それとも病院が先?」
レオン「どっちだろう。交番かなあ?」
結局ピカチュウとレオンはルカリオを交番に連れて行った。
後日、学校。朝会の時間。
ピカノ「はいはい、注目〜!今日はちょっと重要な連絡があるらしいぞ!」
リザードン「ほら、こっちへ来い。」
ルカリオ「え〜、どうも。ルカリオです。」
ピカチュウ「あれえ?あの時の。」
リザードン「ルカリオは記憶喪失でな。見た目からして高校生くらいだからもしかしたらここで過ごしているうちに記憶が戻るかも・・・ってことでこの高校に通わせることにした。」
ルカリオ「あ、どうぞよろしくお願いします。」
キルリア「や〜ん、かっこいい〜!私キルリア!今までの記憶なんて忘れて私たちと新しい思い出作ろっ♪ねっ?」
ピカチュウ「いやダメだろそれ!妙な誘惑するなよ!」
キルリア「あれあれ〜?ピカチュウ君、ひょっとして妬いてる〜?キル困っちゃ〜う。キャッ☆」
ピカチュウ「(うぜえ〜!!)」
ヒノアラシ「はあ・・・。嫌な予感。記憶喪失ってのは嘘で実は裏からポケモン島を支配しようとしている大悪党だったりして・・・。」
ピカチュウ「だからお前は何でそんなにネガティブ!?失礼だろ!」
リザードン「そういうことだから皆、協力してやるように。」
ドーブル「記憶なんて私に任せてもらえれば一発で戻りますよ。」
ピカチュウ「・・・大丈夫なのか?」
ドーブル「記憶のある時のルカリオさんの絵を描いて私の力で実体化させ、そのルカリオさんにいろいろな質問をすればいいんですよ。」
ピカチュウ「そんなこと可能なのか?」
ドーブル「はい。10秒で消えてしまいますが何度かチャレンジすればいつかは全ての記憶も戻るでしょう。それじゃ、描きますよ。」
ドーブルは筆を取り、ルカリオの絵を描き、その絵に『記憶があるよ。』という台詞を書き足した。
ピカチュウ「記憶がある時のルカリオの絵って・・・そんなのでいいのか?」
ドーブル「はい。ほら、実体化しますよ。」
絵ルカリオ「記憶があるよ。」
レオン「おお、凄い!成功だ!」
ドーブル「さあルカリオさん、早く質問を。」
ルカリオ「ええ、と・・・僕は何処から来たんですか?」
絵ルカリオ「記憶があるよ。」
ルカリオ「あなたに記憶があるのはわかったので、僕が何処から来たのか教えてください。」
絵ルカリオ「記憶があるよ。」
ルカリオ「いや、だから僕は何処から・・・」
絵ルカリオ「記憶があるよ。」
絵ルカリオは10秒経って消えてしまった。
ピカチュウ「ドーブル!なんだよこれ!『記憶があるよ。』しか喋れないじゃないか!!!」
ドーブル「あ〜、こうなるんだ。へぇ〜。」
ピカチュウ「へぇ〜じゃないだろ!」
ルカリオ「ま、まあまあ。僕の為にやってくれたことなんで・・・。」
スリーパー「よし。ここは私に任せてもらおう。」
ピカチュウ「お、お前は!誰?」
スリーパー「4組のスリーパーだ。私の催眠術にかかれば記憶なんて一発で戻る。さあ、この輪を見つめろ。」
ルカリオ「はい。」
スリーパー「あなたは記憶が戻〜る、戻〜る・・・。」
ルカリオ「・・・・・・。」
スリーパー「戻〜る、戻〜る・・・ハァッ!!」
ルカリオ「ハッ!?」
レオン「何か思い出したの!?」
ルカリオ「僕はお風呂で体を洗う時、最初に左腕から洗う派だ!!」
ピカチュウ「どうでもいいよ!!」
レオン「で、でもその勢いでちゃんとした記憶が戻ってくるかも!」
スリーパー「記憶が戻〜る、戻〜る・・・ハァッ!!」
ルカリオ「ハッ!?僕の好きなハンバーガーはてりやきバーガーだ!!」
スリーパー「ハァッ!!」
ルカリオ「僕は10円玉貯金で3320円まで貯めたことがある!!」
スリーパー「ハァッ!!」
ルカリオ「歯磨き粉はクリ○カ以外使わない!!」
ピカチュウ「どうでもいい記憶が次々と!!」
レオン「・・・ダメだったみたいだね。」
スリーパー「こ、こんなはずは・・・。」
ヤルキモノ「ルカリオ!根性だ!記憶なんて根性で戻すんだあああああ!!」
ピカチュウ「いや、それは無理だろ・・・。」
ピカノ「いっそぶん殴ってみたらどうだ?」
プリン「あ〜、それはいいかも。私、やってみようか?爆裂パンチ?メガトンパンチ?それとも気合パンチ?なんならプリはめ波でも・・・。」
ピカチュウ「いや、プリンが殴ったら無くした記憶が見える前に天国が見えてくるから。」
エーフィ「まあ、いいんじゃないですか?記憶も一度綺麗に掃除するのもいいかもしれませんよ。」
ピカチュウ「いやいやいや・・・。掃除どころか必要な記憶も全部処分しちゃってますから。」
フーディン「ならばあっ!!ここは私の占いが必要のようだな!!」
ピカチュウ「・・・。まあ一応やってみたら?」
フーディン「うぬぬぬぬぬ・・・。見えた!ルカリオの正体は失われし古のポケモン王国の王子で・・・」
ルカリオ「あ、あまりピンとこないなあ・・・。」
ラティアス「ああ、そいつの言うこと真面目に聞かないほうがいいわよ。馬鹿がうつるから。」
フーディン「何だと!?」
たまっち「わはは。じゃあ僕が記憶の戻る薬を調合してみるもん。」
ピカチュウ「出来るのか?」
たまっち「わはは。まあ見てるもん。これをこうしてこんな感じで・・・ほい、できあがりだもん。」
たまっちの作った薬はどす黒い色をしていた。
ルカリオ「だ、大丈夫っすか?これ・・・。」
ピカチュウ「・・・なんかサワムラーの作った料理みたいになってるんですけど。」
サワムラー「どういう意味だ!俺の料理はたとえ色が変になっても味と栄養にこだわりがあってだなあ・・・」
たまっち「わはは。まあ薬なんてそんなもんだもん。なんなら誰か飲んでみるもんか?何かを思い出したい奴はいないもんか?」
ボーマンダ「じゃあ俺様が。前に行ったあの美味い料理店の名前がどうしても思い出せなくてな。」
ボーマンダはたまっちから薬を受け取り、一気に飲み干した。
ボーマンダ「・・・。うえっ。まずっ。」
たまっち「わはは。だから薬なんてそんなもんだもん。で、料理店の名前は思い出せたもんか?」
ボーマンダ「・・・思い出せない。っていうかなんか食欲無いから後でおやつに食おうと思ってたポケモンフード誰かにやるよ・・・。」
ピカチュウ「ボーマンダが食欲無くした!?絶対やばいよその薬!記憶も戻って無いし!」
たまっち「あれまー。やっぱポケモンには効かないみたいだもん。ごめんごめん。今すぐ作り直すもん。う〜ん、どこで間違えたもんかねえ。わはは。」
ピカチュウ「いいよもう!」
レオン「キレイハナさんの占いじゃダメなの?」
キレイハナ「・・・まあ一応やってみますわ。」
・・・。
ルカリオ「ど、どうですか?何かわかりましたか?」
キレイハナ「う〜ん・・・。」
フーディン「わはははははは!こんな奴にわかるわけ無いだろ!」
キレイハナ「いつか時が来れば記憶は戻ります。今はただそれをおとなしく待ったほうが良い・・・と出ました。」
フーディン「うっわー!嘘くせー!いいわけだいいわけ!い〜いわけ!あ、それ!い〜いわけ!」
キレイハナ「赤緑時代の急所によく当たる葉っぱカッター!!」
フーディン「ギャアアアアア!!お前赤緑の時いなかったじゃねえか!!」
ルカリオ「う〜ん・・・。そうかあ、時が来るまでか・・・。」
ピカチュウ「そういうことみたいだね。」
ピカノ「ま、しばらくはこの高校でのんびり過ごせや。」
ルカリオ「はい。それじゃあお世話になります。」
こうしてポケモン高校に新たな生徒が加わった・・・。
たまっち「できたもん。ほれ、この薬ならどうだもん?ほれ、飲んでみるもん。」
ガラガラ「あ、怪しき薬には近寄らない。それが我が武士道・・・。」
ヤドラン「デオキシス!お前飲んでみろ!ほら!ほら!」
デオキシス「てめええええええ!!勝手に飲ますんじゃねえええええええ!!ぐぶっ!おえええええええええええええ!!」
フシギダネ「ちょ、溶けたぞ!デオキシスが溶けたぞ!!」
たまっち「あれま〜。また失敗だもん。それじゃ、もう一度・・・」
ピカチュウ「だからもういいって!!」
続く
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