ポケモン高校で突如起こった怪事件。

体育館にて倒れていた第一の犠牲者、ヘラクロス。

続いて理科室で倒れていた第二の犠牲者、アブソル。

この事件の謎を解くため、1人の男が立ち上がった。

その名はピカノピカノ助。ポケモン高校の教師のカイリュー族の中年である。

ピカノ「中年って言うな!まだまだ若いつもりだぞ俺は!」

捜査が進まない中、ポケモン高校に新たな悲鳴が響く・・・。

見た目はおっさん、性格は子供。その名は、名探偵ピカノ!


保健室前

ピカノ「どうしたチコリータ!」

チコリータ「あ、あれ・・・。」

レックウザ「・・・。」

ピカノ「レ、レックウザアアアアア!!!」

リザードン「・・・死亡確認。」

ピカノ「・・・こいつ体が弱かったからな。きっと襲いやすかったんだろう。しかし何故こんなことを・・・。おいチコリータとペルシアン!お前ら、ちゃんとレックウザをここまで送り届けたんだろうな!?」

チコリータ「も、もちろんですよ!ずっと保健委員やってるんですから!」

ペルシアン「はい。ちゃんと保健室のハピナス先生まで送り届けました。」

ピカノ「で、その保健室の先生のハピナスはどこへ行った!?」

ハピナス「す、すいません・・・。レックウザ君がよく眠ってたのでちょっとトイレに行った隙にこんな・・・。」

ピカノ「で、チコリータとペルシアンは何でまたここまで?」

ペルシアン「ちゃんと送り届けたはいいんですけど心配だったので様子を見に来たんです。」

ピカノ「しかし犯人は現場に戻ってくるって言うよなあ・・・。」

エネコロロ「キーッ!ペルシアン様を疑うなんて!!」

エネコロロのおうふくビンタ!

限度を超えて30回くらいあたった!

ピカノ「いででででででで!!ちょ、やめろ!わかった!わかったから!」

タマタマ(ルアジェナール・トレーグス)「ぐわあああああ!!大変だああああああ!!」

ピカノ「く〜、いてて・・・。ど、どうしたタマタマ?」

タマタマ(健)「大地(タマタマのうちの1人)が!大地が!食堂前の廊下で倒れてたんだあああああああ!!」

レオン「ま、また犠牲者か・・・。次から次へと・・・。」

ピカノ「タマタマの1つがやられたか・・・。しかし何故タマタマのうちの1つだけ?まさか・・・。」

ピカチュウ「何かわかったのか?」

ピカノ「これはひょっとすると最悪のケース・・・いわゆる無差別殺人の可能性も出てきたな・・・。」

レオン「む、無差別・・・。」

ヒノアラシ「はぁ〜・・・。なんてこった・・・。絶対次は僕だよ・・・。いや、もしかしたら僕が自分でも気づかないうちに犯行を行ってるのかも・・・。」

ピカチュウ「お前はどこまでネガティブ!?自分の行動に少しは自信を持てよ!!」

ピカノ「くっそー!もう許さんぞ犯人め!」

プクリン「ピカノ先生!警察が到着しましたよ!」

ハクリュー「すいません、道が少々混んでて遅れました!現場はどちらですか?」

ピカノ「よし、ハクリュー!お前は帰れ!」

ハクリュー「何で!?」

ピカノ「いいから俺が解決するって!警察の助けなんざいらん!後で犯人を引き渡すときだけ来てくれればいいんだよ!」

ハクリュー「いいえ、ここは全て私たち警察に任せて兄さんこそ引っ込んでてください。」

ピカノ「聞き分けの悪い奴だなあ。」

ピカチュウ「ピカノ、ここはハクリューさんの言うとおりにしたほうが・・・。」

ピカノ「むうう・・・。仕方が無い。あの方法だけは使いたくなかったが・・・。確実に犯人を特定できる方法がある。それだけやらせてもらおう。」

レオン「確実に・・・?」

ピカノ「教職員と生徒を全員体育館に集めろ!!」

リザードン「な、なにをするつもりか知らないが・・・よし、わかった!」


体育館

ピカノ「よし、全員集まったな。」

リザードン「で、一体何をするつもりだ?」

ピカノ「ふふふ・・・。禁断の技だ。教師のみが使うことを許された大技・・・。」

プクリン「い・・・一体なんなんですか?」

ピカノ「はい、全員目をつぶれ!やった奴、言わないから正直に手を挙げろ〜!」

ピカチュウ「ってこの技かよ!なんか隠された時とか窓ガラスが割れてたりした時の犯人探しに使う奴じゃん!さすがにこれで手を挙げる奴はいないだろ!」

ピカノ「いいから目をつぶれ!ん?おい!手が挙がったぞ!あいつだ!捕らえろ!!」

ピカチュウ「マジで!?っていうか言わないっていう約束堂々と破ってるし!まあこの場合は仕方ないけど!」

カイリキー「うりゃあ!覚悟しろや!!」

エイパム「うぎゃあ!ちょ、違っ!これ手じゃねえよ!尻尾だよ!」

ピカノ「てめえ2年生のエイパム!紛らわしい尻尾してんじゃねえよ!手に見えるんだよその尻尾は!」

エイパム「そんなこと言ったって・・・。」


ハクリュー「ダメだったみたいね兄さん。じゃ、ここからは私たちに・・・。校長先生、お話を聞かせてもらえますか?」

校長「は、はい・・・。」

ピカノ「待て!ちょっと待て!謎は全て解けた!解けたぞ!」

ピカチュウ「(嘘くせ〜・・・。)」

ピカノ「犯人は・・・そう!ライチュウ!お前だ!!」

ライチュウ「ちょ、マジで!?俺が指されるとは自分でも完全なる予想外!」

ピカノ「無差別殺人の動機は・・・ズバリ!出番が欲しかったからだ!そうだろう?だから片っ端から!」

ライチュウ「違う!俺はやってない!」

ピカチュウ「また当てずっぽうに戻った・・・。」

ピカノ「ぼそぼそ・・・(いいんだよこれで。当てずっぽうでももし指したのが本当に犯人ならバレたんじゃないかと必ず焦り始めてボロが出始める。いつかは必ず当たる。)」

ピカチュウ「(そう上手くはいかないと思うけどなあ・・・。)」

ピカノ「う〜む・・・ならば!犯人はシャワーズ!お前だ!」

シャワーズ「・・・!」

ピカノ「大体よ〜、ヘラクロスの第一発見者ってところが怪しいぞ!おとなしいフリして実はストレスたまってたんじゃねえのか?」

シャワーズ「グス・・・ひどい・・・ウエ〜ン!!」

ブースター「シャワーズちゃん、泣かないで〜。」

ラティアス「この最低男。」

ミュウツー「今のはピカノが悪いな。」

フシギダネ「謝れピカノ!」

うめぼし「泣〜かし〜た〜泣かし〜た〜!」

たまっち「泣〜かし〜た〜泣かし〜た〜!だもん。」

サワムラー「泣〜かし〜た〜泣かし〜た〜!」

エビワラー「泣〜かし〜た〜泣かし〜た〜!」

ピカノ「そんなあ・・・俺だって頑張ってんのに・・・ウエ〜ン!」

リザードン「あ、ピカノ君まで泣いちゃったじゃないか!お前らピカノ君ばっかり責めすぎだぞ!」

ヤドラン「そうだぞ!お前らも謝れよ〜!」

サワムラー「やなこった!そいつが悪いんだぞ!」

カイリキー「このことは学級会でクラス全員で話し合うべきだと思います!」

ピカチュウ「いいかげんにしなさいっ!!ふざけてる場合じゃないでしょ!!」

ピカノ「ちっ。なんだよ・・・。俺はこの張り詰めた空気を和まそうとジョークを入れつつだな・・・。」

ピカチュウ「犠牲者が4人も出てるんだぞ!?和むのはせめて事件が解決して一段落してからにしろよ!!」


ピカノ達がもめていると、体育館の扉が突如開いた。

ピカノ「誰だ!?今この体育館は立ち入り禁止・・・」

ヘラクロス&アブソル&レックウザ&タマタマ(大地)「ど、どうも・・・。」

ミュウツー「うぎゃああああああ!!ぎゃああああああ!!うっきゃああああああああ!!悪霊退散!悪霊退散!」

ハピナス「あのお、彼ら、何か仮死状態だっただけみたいで、皆さっき気が付いたみたいです。」

ピカノ「か、仮死状態!?お、お前らなあ・・・。このお騒がせ野郎どもが・・・!」

ピカチュウ「な、なんか拍子抜けだけど・・・。まあ一応何があったのか聞かせてもらおうよ?」

アブソル「えっと・・・じゃあまず僕から・・・。」


理科室

アブソル「とほほ・・・。こんな時に理科室に忘れ物しちゃうなんて・・・。でもあのお守りがないと気が気じゃないんだよねえ・・・。僕、運が悪いし・・・。」

その時、アブソルの横にあった危ない刃物や器具が入った棚が倒れてきた。

ガッターン!!

アブソル「ぎゃああああああ!!いてっ!刃物が!血が!ぐぐぐ・・・。が、我慢だ・・・。これくらい日常茶飯事のはず・・・。とりあえず棚を元に戻さないと・・・。」

アブソルが棚を片付け終わったその後。

アブソル「いてて・・・。やっぱり保健室に行ったほうがいいかな・・・。ところでお守りは・・・?」

ズルッ

何もないのにアブソルはつまづいた。

目の前には骸骨の模型が。ビックリしたアブソルは思わず叫びながら飛びのき、今度は頭から転び、机の角に頭を強く打ち、気を失い、軽い仮死状態となった。

音に気づいたミュウツーがおそるおそる見に来たのはその直後だった。


アブソル「と、いうわけみたいです・・・。」

ピカチュウ「自滅じゃん!!」

レオン「犯人はアブソル君本人ってことね・・・。」

ピカノ「お前って奴は!不運もここまで来ると罪だぞ!」

レックウザ「そ、それじゃあ次は僕の話を・・・。」


保健室

レックウザ「ZZZ・・・。」

ハピナス「・・・よく寝てますね。それじゃ、ちょっとトイレへ。」

レックウザ「・・・うっ!ごほっ!ごほっ!あ、すいませんハピナス先生、薬の時間みたいです。薬を頂けますか?ってあれ?先生?ごほっごほっ!ごほっごほっ!ぐふうっ!!がはあっ!!」

レックウザは血を吐き、意識を失い、軽い仮死状態となった。

チコリータとペルシアンが心配して保健室に様子を見に来たのはその直後だった。


レックウザ「いや〜・・・たまにうっかりすると三途の川まで行っちゃうんだよねえ・・・。」

アブソル「ああ、僕も運が悪いからよく行くよ。何とか川を渡りきらずに戻ってくるけど、いつ渡りきっちゃうかわからないから怖いよね、あの川・・・。」

ピカチュウ「・・・。」

ピカノ「・・・まあお前らも好きでやってるわけじゃないだろうから怒らないけどよお・・・。」

ヘラクロス「さて、次は俺の番だな。」


体育館

ヘラクロス「プリンが触ったボールだ!うひょおお!プリンが使った跳び箱!たまんねえ!はっ!こ、これは・・・プリンが付けたハチマキ!!」

ここで豆知識!このポケモン島ではバスケ等の競技の際、ゼッケンが着れないポケモンが多いため、比較的付けることができるポケモンが多いハチマキをつけてチームを判別したりするらしいぞ!

ヘラクロス「プ、プリンのハチマキ・・・プリンのハチマキイイイイイイイ!!」

ヘラクロスは興奮のあまり大量の鼻血を出し、出血が多すぎて倒れた。意識が途切れる中、自らの血で愛するポケモンの名を書くものの、これもまた仮死状態になってしまった。


ピカチュウ「うわちゃ〜・・・。」

ラティアス「・・・キモッ。」

レオン「メッセージの意味だけピカチュウ君の想像が当たってたね・・・。」

ピカノ「ハチマキだけで鼻血出すほど興奮できるところがすげえよ。」

ヘラクロスはプリンにマウントポジションで殴られていた。

ピカノ「ったく変態なのはいいとして、俺らにまで迷惑をかけないでほしいところだな。」

ピカチュウ「いや、変態なのもダメだと思うけど・・・。」

ピカノ「・・・つまり今回のこれは事件でもなんでもなかったと・・・。」

タマタマ(大地)「ま、待て!最後に俺が残っている!!」


食堂前の廊下

タマタマ(大地)「ふう。やれやれ。こんな物騒なのに自販機まで飲み物を買いに行かされるはめになっちまったぜ・・・。あの時グーのカードを出していればなあ・・・。」

ここでまた豆知識!タマタマなどジャンケンのできないポケモンはグー、チョキ、パーのカードを作っていっせいに出すカードじゃんけんを使うことが多いらしいぞ!

しかし、大地はここでものすごい勢いで飛んできたポケモンにぶつかってしまう。

ホーホー「おっと、すまん!急いでいたのだ!ではさらば!」

タマタマは衝撃にもろいので、ぶつかって吹っ飛んだ衝撃で体にヒビが入り、これまた仮死状態となった。


ピカノ「ホーホー!ホーホーッ!!」

ピカノが呼ぶとホーホーがどうやって聞きつけるのか、すぐさま体育館内まで飛んできた。

ホーホー「ぬ?なんだ?お呼びかな?」

ピカノ「この件だけはてめえが犯人みたいなもんじゃねえか!この馬鹿フクロウがあ〜っ!!龍の怒り!!」

ホーホー「いてえっ!一体なんのことなのだあ!?」

ピカチュウ「・・・お前、なんでこの高校の食堂なんかに?」

ホーホー「そんなの決まっているだろう!食料の調達・・・はっ!」

気づくとホーホーの後ろに腕をボキボキならした食堂のリングマおばちゃんが立っていた。

リングマ「なるほどねえ・・・。最近食べ物がよく減っていくと思ったらあんたのせいだったのかい・・・。」

ホーホー「あ、あわわわわわわ・・・。」

ホーホーはリングマおばちゃんの太い腕でボコボコにされた。


こうして事件は一応解決した。

その後、ヘラクロスは一週間の停学。

ホーホーは二週間、リングマの元で皿洗いの処分になった。

ピカノ「まあ何はともあれ、めでたしめでたし・・・ってところか。」

ブースター「ねえ、さっきからシャワーズちゃんが疑われたショックで泣き止まないんだけど・・・。」

ラティアス「あ、そういや私も疑われたっけ。あ〜あ、傷ついた〜。」

ソーナンス「ワイも疑われたで。」

テッカニン「拙者もでござる。」

エーフィ「さて、それじゃピカノ先生にはむやみに人を疑った罰として、減給にでもしてもらいましょうか?」

校長「ふむ、そうじゃな。」

ピカノ「ちょ、ちょっと待てって!おい!俺はただこの事件を解決しようとだな・・・。あ〜!くっそー!何でこうなるんだああああああ!!」

ピカチュウ「・・・自業自得だね。」

レオン「皆も友達をむやみに疑ったりしちゃダメだよ!」
続く


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