ピカチュウ「ふあ〜あ。今日もいい天気だなあ。」

ラティオス「うあああああああ!!!うああああああああああ!!」

ピカチュウ「うわ、ラティオスが泣いてる。嫌な予感がするからあっち行くか。」

ラティオス「おお、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「げ、見つかった・・・。」

ラティオス「うあああああああ!聞いてくれ!ラティアスが・・・ラティアスがああああああああ!!家出じだんだあああああああああああ!!!」

ピカチュウ「ああ、やっと?」

ラティオス「ええ!?なに?その反応!」

ピカチュウ「いや〜、あそこまで付きまとわれてたらいつかは家出すると思ってたよ。むしろ今まで一緒にいてくれたほうが不思議だったよ。」

ラティオス「うああああああああああああ!!ラディアズウウウウウウウ!!」

ピカチュウ「まあ、ラティアスなら強いから心配はないでしょ。」

ラティオス「う・・・う・・・お前は何もわかっていない・・・。ラティアスは・・・本当は弱い子なんだぞ!強がってるだけなんだぞ!」


7年前

デルビル「おら!てめえ、何見てんだよ!」

ラティアス「はぁ?あんたの顔なんか不細工すぎて直視できないわよ。」

デルビル「ななな・・・なんだとお!!?俺はなあ、これでも学校ではニヒルでクールなちょっといいなあって思えるイケメン悪タイプで通ってんだぞ!!」

ラティアス「タンメンみたいな顔して何がイケメンよ。」

デルビル「むっかあ!もうキレた!ゆるさねえぞ!!」

ラティオス「はっ!ラティアスが不良中学生にからまれている!しかも相手は悪タイプ!まずい!今助けるぞ!!」

ラティアス「龍の息吹!ドラゴンクロー!」

デルビル「ぐぶべばらっ!!」

ラティオス「あ、あれ?」

ラティアス「あら兄貴。どうかしたの?」

ラティオス「い、いや、なんでもないのだ。さすが我が妹!ハッハッハ!」

チョンチョン

ラティオス「ん?なんだ?」

ヘルガー「てめえか?俺の弟に手ぇ出したのは。あぁ?」

ラティオス「あ、あわわわわわわ・・・。ち、ちが・・・。ラ、ラティアス〜、兄妹力を合わせればきっと勝て・・・っていない〜っ!!」

ヘルガー「覚悟しろやコラア!!」

ラティオス「あぎゃああああああああ!!!」


ラティオス「と、いうことがあってな・・・。」

ピカチュウ「ラティアスめっちゃ強いじゃん!っていうか今の回想シーンいらないでしょ!!」

ラティオス「ううう・・・。でもな・・・あいつは俺がいないと何も出来ないんだ・・・。」

ピカチュウ「あんたがラティアスがいないと何も出来ないんじゃないの?」

ラティオス「ううう・・・ラティアスううううう・・・。」

ラティオスは泣きながらラティアスの写真にチュッチュし始めた。

ピカチュウ「ま、しばらくしたら戻ってくるかもよ?それじゃ、僕はこれで。(こりゃ絶対戻ってこないな・・・。)」


ラティアス「あらピカチュウ。うちの馬鹿兄貴に何か言われた?」

ピカチュウ「あれ?ラティアス。ラティオスならそりゃあもう泣きながら探してたよ?」

ラティアス「はあ。やっぱり探し回ってるのね・・・。」

ピカチュウ「今まで我慢してきたのに急に家出なんて何かあったの?」

ラティアス「あんたに話してもしょうがないんだけど・・・まあいいわ。」


昨日の夜

ラティオス「ハッハッハ。ラ〜ティ〜アスッ♪兄ちゃんがプレゼントを買ってきてやったぞ!」

ラティアス「ふ〜ん。物によっては受け取ってやってもいいけど?」

ラティオス「ジャ〜ン!新しい携帯電話だ!」

ラティアス「携帯?あいにく携帯ならもう持ってるわよ。」

ラティオス「聞いて驚け!この携帯はなあ、ラティアスがどこに行ったのか兄ちゃんの方からわかるようになってしまうという凄い携帯なのだ!」

ラティアス「は?それって子供とかに持たせる奴でしょ?それに、いつどこに行くのも私の勝手でしょ!」

ラティオス「ふむ。しかしこの前のように電車で痴漢に会った時とか兄ちゃんも駆けつけてやりたいのだ。」

ラティアス「ちょっと!なんでそんなこと知ってるのよ!それにその痴漢には特大ミストボールお見舞いしてやったし!」

ラティオス「うむ。それは知っているがやはり兄ちゃんもそいつを殴ってやらないと気がすまないからな。」

ラティアス「だからなんでそれを知ってるのよ。」

ラティオス「他にもこの前のように小銭が自動販売機の下に潜り込んでしまったときには兄ちゃんが取ってやりたいし、この前のようにバスの中に忘れ物をしてしまったときも兄ちゃんがすぐに取りに行ってやりたいのだ!」

ラティアス「だ〜か〜ら!なんで知ってるのよ!私の事いつの間に付けてきてたわけ!?」

ラティオス「ん?付けてはいないぞ。兄ちゃんはなあ、ラティアスがいつも持ってるカバンに隠しカメラをつけておいたのだ!」

ラティアス「隠しカメラ!?信じらんない!」

ラティオス「う〜む。しかしカメラでラティアスの状況はわかっても居場所がわからないことが多くてなかなかすぐに駆けつけてやることができないことも多いのだ・・・。それで今回、この携帯を・・・ん?どうした?」

ラティアス「ドラゴンクロー!!!」

ラティオス「あべしっ!!」

翌朝

ラティオス「・・・ん?置手紙?」

家を出ます。馬鹿兄貴がインド象も2秒で倒れるゴースのガスに包まれたまま5年間過ごしてくれれば戻るかもしれません。 ラティアス

ラティオス「ラ・・・ラディアズウウウウウウウウウウウウ!!!!!」

ラティオスはとても文章では表現できない表情で叫んだ。


ラティアス「怒って当然でしょ?」

ピカチュウ「そ、そうだね・・・。」

ラティアス「ま、そういうことだから兄貴には私の事は見てないって言っておいてね。それじゃ。」

ピカチュウ「う〜ん。ラティアスも大変だなあ・・・。」


その晩もラティオスはラティアスを探し続けていた。

ラティオス「ラティアス〜!!ラティアス〜!!」

・・・。

ラティオス「ダメだ、見つからない・・・。う、うううううううう・・・。ぐすっ。」

ミュウツー「な、なんか外から『ううう〜』って声が聞こえる・・・。お化けかも・・・。ひいい、怖いよ〜!!」


次の日

1年4組(ラティアスのクラス)

ロコン「ねえラティアスさん、昨日お兄さんがうちまでラティアスさんを探しに来たけど帰ってあげなくていいの?」

ラティアス「ああ、いいのよあんなの。ほっといて。」

ラティオス「ラティアスウウウウウウ!!!」

ラティアス「ち、うちのクラスまで来たか・・・。」

ラティオス「ラティアス!ラティアスの声がしたぞ!ここに来てるのか!?」

ウソッキー「来てないっすよ。」

ラティオス「む、そうか・・・。とうとう幻聴が聞こえるようになったか・・・。ああ、どこへ行ってしまったんだ・・・。」

・・・。

ラティアス「ふう。もういなくなった?ウソッキー、たまにはあんたの嘘も役に立つのね。」

テッカニン「せ、拙者の隠れみの術セットを勝手に使いおって・・・。それ高かったんでござるぞ・・・。ぶつぶつ・・・。」


昼食時間

ピンポンパンポーン

ラティオス「生徒の呼び出しをします!ラティアス!1年4組のラティアスウウウウウウ!!いたら兄ちゃんのところに戻って来い!ラティアスウウウウ!!」

リザードン「てめえ!放送室で何やってんだ!」

ラティオス「ラディアズ!ラディアズウウウウウウウウ!!!」

ラティアス「・・・はぁ〜あ・・・。」


ラティオス「う・・・う・・・。いっそゴースのガスに挑戦してみるしかないのか・・・。しかしそれでも5年間か・・・。」

ガチャッ

ラティアス「ただいま。」

ラティオス「ラ、ラティアス!!?戻ってきてくれたのか!!!やっぱり兄ちゃんが恋しかったんだな!?」

ラティアス「違うわよ。家出したら家出したで逆にウザいからよ。はぁ・・・。とりあえず隠しカメラだけはやめてよね。」

ラティオス「ハッハッハ!いいんだいいんだ!俺がかけがえのない兄貴だって事がわかってくれれば!」

ラティアス「・・・あんた人の話聞いてた?はぁ。ウツボットに飲み込まれてあとかたもなく溶けてしまえばいいのに・・・。」


続く


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