年が明けた。
3年生のピカチュウたちにとっては受験シーズン・・・だが、基本的にポケモン島に受験はない。
そんなわけで3年生2月にも関わらず、のほほんと過ごしていた。
ピカノ「おい!うめぼし!エビワラー!カイリキー!ヘラクロス!」
うめぼし「はえ?」
エビワラー「なんだよ」
カイリキー「あ?」
ヘラクロス「プリン最高!」
ピカノ「お前らは成績が悪すぎて卒業させられん!今日から他のクラスの馬鹿と一緒に放課後補修だ!!」
うめぼし&エビワラー&カイリキー&ヘラクロス「がーん!!」
レオン「ねえピカチュウ君、今日暇ならちょっと買い物に付き合ってくれない?」
ピカチュウ「いいよ。なんならロコンちゃんとかも呼ぶ?」
レオン「あ、いやいやいや。今日はロコンちゃんはまずいってまずいって。」
ピカチュウ「え?まあいいけど。」
プリン「(にこっ)私も行っていい?」
レオン「いいよ。一緒に行こう。」
ピカチュウ「?」
そんなわけで、ピカチュウ達はポケモン島最大のデパート「ポケーモンカドー」へ買い物に来た。
ピカチュウ「なるほど。卒業記念のプレゼントをロコンちゃんにあげたいのか。」
レオン「うん・・・まあそういうこと。」
プリン「それで、告白と。」
レオン「え〜〜〜そ、それはどうかなあ・・・。」
ピカチュウ「とりあえずプレゼント選ぼうか。」
レオン「何がいいかなあ。」
レオンたちが悩んでいる所にミュウツーがやってきた。
ミュウツー「よお。買い物か。」
レオン「あ、ミュウツー君。」
プリン「レオン君がロコンちゃんにプレゼントする物を選んでるの。」
ミュウツー「ほう。」
レオン「ちょ、プリンちゃん・・・。そんなはっきりと・・・。」
ミュウツー「そうだなあ・・・私ならカルピスがいいなあ。」
ピカチュウ「んなこと聞いてないよ。」
ミュウツー「そうか。あ、そういやこのデパートのカルピスは私が買い占めたのだった。すまんすまん。まあ頑張ってくれ。はっはっは。」
ミュウツーは高笑いしながら去っていった。
ピカチュウ「なんなんだあいつは・・・。」
本売り場
ピカチュウ「ロコンちゃん読書とか好きだから本とかどう?ハリー・ポニータと炎のゴルバットとか。」
レオン「有名すぎるよ。きっと読んでるよ。」
プリン「こういう時はラブストーリー物をプレゼントするものでしょ!」
そこにミュウがやってきた。
ミュウ「やあ皆。本を読んで勉強するのかい?感心だね。」
ピカチュウ「(うぜ〜の来た〜・・・。)」
ミュウ「君達ももう高校決まったんだよね?だったらなおさら勉強しなくちゃ!高校に行ってポケモン学園の恥にならないようにしないとね!え?僕?僕は今日参考書を買いに来てね。やっぱり参考書はポケ学出版のが一番・・・ってちょっと!どこへ行くんだい!?」
食品売り場
プリン「レオン君少し料理できるでしょ?手作りお菓子とかもらうと嬉しいけどなあ。」
ピカチュウ「男が?変だよそれ。」
ピカチュウ達は悩みながら試食コーナーのあたりに差し掛かった。
ボーマンダ「ガツガツガツ・・・。」
ルギア「や、やめてくれえええええ!!」
ボーマンダが試食コーナーを食い尽くして店員のルギアを困らせていたが、あえて見なかったことにした。
香水売り場
レオン「ワンリキーの香り・・・これはどうもなあ。コイキングの香り・・・これもいまいち。クサイハナの香り・・・ウゲッ。」
プリン「う〜ん、良さそうなのはエネコロロの香りとかかしら。」
ピカチュウ「あ、あれは・・・。」
ブーバー「う〜む、どれがいいかなあ・・・。」
ピカチュウ「・・・なにしてるのお前。」
ブーバー「ぎくうっ!なんだピカチュウか。いや、俺・・・なんつーか不細工だろ?だからせめて香りだけでも・・・。」
ピカチュウ「・・・お前も苦労してるんだな。・・・まあ、頑張れ。」
ブーバー「・・・ああ。」
アクセサリー売り場
レオン「やっぱりこういうのがいいかなあ。」
プリン「う〜ん、そっちの方が・・・。」
ピカチュウはアクセサリーなどに関しては詳しくないため、退屈だった。そしてふと隣を見たら、そこにいたのはヤドランだった。
ピカチュウ「あ、まずい。おい、レオン。」
レオン「あ・・・。」
レジに並んだヤドランの手にはアクセサリーが握られていた。
プリン「さてはヤドラン君も同じこと考えてるわね。あ、見て。あっちの方が高価よ。」
レオン「むっ。こっちにしよう。」
レオンは更に高価なアクセサリーを手に取った。
プリン「よし!ヤドラン君気づいてないわよ。うまく出し抜けたわね。」
ピカチュウ「それじゃ、帰りますか。」
帰り道。
プリン「あ、クレープ屋さんだ!ねえねえ、食べていかない?」
ピカチュウ「いいね。レオンも行こうよ。」
レオン「オッケー。」
ピカチュウ達はクレープを買い、公園の椅子に腰掛けた。その数分後、たまっちとソーナンスがやってきた。
たまっち「やあ。ピカチュウ君達もクレープ食べてるもんか。」
ソーナンス「クレープ・・・クレープ・・・う〜ん・・・。」
どうやらソーナンスはクレープを使った洒落を考えているようだ。
ピカチュウ「やあ。なんか珍しい組み合わせだね。」
たまっち「わはは。そんなことないもんよ。ぱくっ。」
たまっちはその大きな口でクレープを一口で食べてしまった。
レオン「うわ、すごい・・・というかもったいない気もする・・・。」
そこにまた新たなポケモンが現れた。
ゴースト「やあ皆さん。」
ピカチュウ「今度はゴーストか。なんか今日はいろんな奴に会うなあ。」
ゴースト「いや〜、たまっちさん。今の一口でクレープを食べた姿、しっかりカメラに収めましたよ。いや〜、すばらしい。」
たまっち「わはは。あまりほめるなだもん。」
ソーナンス「思いついた!誰かワイにクレープをくれ〜!なんちゃって。」
ピカチュウ「お前ずっとそれ考えてたのか。」
ラティアス「はあ。寒い寒い。もともと寒いのがますます寒くなったわ。」
プリン「あれ、ラティアスさんいつからそこに?」
ラティアス「家にいると兄貴がうるさいから出てきたのよ。」
そしてまた一人ポケモンがやってくる。
フシギダネ「お〜い!なんだなんだ皆そろっちゃって!」
ぜにぼう「お〜い!お〜い!」
ピカチュウ「あ、フシギダネ。それにぜにぼうも。どこか行くの?」
フシギダネ「いや〜、前にお前らと銭湯行っただろ?それ以来ぜにぼうが気に入っちゃってさ。ちょくちょく行ってるんだよ。んで、今日も今から行こうかな、と。」
ピカチュウ「へぇ〜。で、うめぼしは?」
フシギダネ「あいつは補修。」
ピカチュウ「あ、そうか。」
サワムラー「残念だったな。補修はもう終わったぜ。」
うめぼし「うむあ〜。」
フーディン「くそ、ピカノめ。あんなに課題だしやがって。私の占いでも全て解くのは難しいぞ。」
キレイハナ「課題を占いで解こうとするのが間違いですわ。」
フーディン「ぐっ!貴様!何故ここに!?」
キレイハナ「ちょっと散歩してただけですわ。」
カイリキー「ったくいいよなあお前らは。俺らが補修してる間にこんなところで皆で楽しく遊ぼう大会かよ。」
エビワラー「ブースターは?ブースターはいないのか?」
サンダース「ふっ。ブースターならお前らが補修してる間に僕とデートしていた。」
ブースター「デートって・・・。ちょっと喫茶店に寄っただけだよお。」
サワムラー「ああっ!サンダース!貴様抜け駆けか!」
サンダース「馬鹿なお前らが悪い。」
ソーナンス「補修・・・補修・・・補修に出る人募集中なんちゃって。」
ゲンガー「HAHAHA!最高デ〜ス!」
いつのまにか公園はポケモン学園の生徒で埋まっていた。
プリン「あ、補修が終わったってことは・・・。」
ヘラクロス「俺もいるぜ〜っ!!プリ〜ン!!」
プリン「プリンちゃんアッパ〜ッ!!」
ヘラクロス「ぐはあっ!!」
ピカチュウ「あはははははは!」
もう辺りもすっかり暗くなった頃、ピカチュウは家に帰ってきた。
ピカチュウ「いや〜、今日は楽しかった。ごめんねピチュー、トゲピー。遅くなっちゃった。」
トゲピー「ピカチュウ兄ちゃんただいま〜!」
ピカチュウ「おかえりでしょ。どっかで聞いたようなボケかまさないの。」
ピチュー「ピカチュウ兄ちゃん!こっちこっち!」
ピカチュウ「ん?どうしたの?」
ピカチュウはピチューに居間に連れて行かれた。
ピカチュウ「あっ!」
ピカチュウの父親「やあ。久しぶりだな。」
ピカチュウの母親「久しぶりねピカちゃん。」
なんとそこにいたのは64話にして祝・初登場!ポケモン島の別の場所に住んでいるピカチュウの両親だった。(共に進化してないのでピカチュウのまま)
ピカチュウ「どうしたの。うちに来るなんて珍しいじゃん。」
ピカ父「うむ、ちょっと話があってな・・・。」
ピチュー「パパ〜!ママ〜!」
ピカ母「よしよし。いい子ねピチューちゃん。」
ピカチュウ「なんだよ話って。」
ピカ父「うむ・・・実はな、西ポケモン島の向こうのカントー地方を挟んで更に向こう側にある『遠いポケモン島』に住んでいる爺ちゃんが倒れたんだ。」
ピカチュウ「ええっ!爺ちゃんが!?」
ピカ父「それで決めたのだが・・・私は介護のために母さんと一緒にそちらの島に移住しようと思う。」
ピカチュウ「ええ?だって爺ちゃんのいる島ってメチャクチャ遠いじゃん!『遠いポケモン島』って名前からして明らかに遠いじゃん!」
ピカ父「うむ。だが仕方が無い。それで相談というのは他でもない・・・卒業式が終わったらお前達も遠いポケモン島に来るんだ。」
ピカチュウ「ええっ!?だって僕、もう4月からこっちのポケモン島の高校に行くことが決まってるんだよ!?」
ピカ父「大丈夫だ。あっちのポケモン島にも受験は無い。今から願書を出しても十分間に合う。」
ピカチュウ「でも・・・。」
ピカ父「行きたくないのはわかる。お前はもうとっくに自立している。十分一人暮らしもできる。お前だけは残りたいなら残ってもいい。」
ピカチュウ「そ、それはそれでなあ・・・。」
ピチュー「ピカチュウ兄ちゃんがいなくなっちゃうのやだよ〜。」
トゲピー「やだよお〜。」
ピカチュウ「こうなるよなあ・・・。」
ピカ父「さあ、どうすんねん。」
ピカチュウ「・・・・・・・・。」
ピカ母「どうするの?」
ピカチュウ「・・・・・・・・。」
その頃、屋根裏ではホーホーが会話を盗み聞きしていた。
ホーホー「うっわ〜。すごいこと聞いちゃった。すごいこと聞いちゃった。」
卒業を目の前にして突然の出来事!
どうするピカチュウ!?
ポケモン島の平和は君にかかっているぞ!!
続く
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