夏休み最後の日、変態カブトムシ、ヘラクロスは今日もプリンのことばかり考えていました。

ヘラクロス「今日はいい天気だなあ。こんな日にプリンに会えたりしたらもう最高なんだけどなあ。」

そんなことを言っていたら前に・・・。

ヘラクロス「あ、あれはプリンだ!!!うおお!今日はついてるぞ!!おーい!プリ・・・」

今まさにうきうきでヘラクロスがプリンに話しかけようとしたその時だった。

プリン「きゃあ!!」

ヘラクロス「ああっ!プリンが見知らぬ男に連れて行かれた!!っていうかなんで説明口調なんだ俺!!」

・・・・・・・・・・・・。

ヘラクロス「やばい、やばいぞ。もしかしてこれって誘拐か?誘拐か?どうしよう、どうしよう。と、とりあえず追い掛けなきゃ・・・。」

過去自分がプリンを誘拐したことも忘れてヘラクロスはプリンと不審者を追い掛けた。


ヘラクロス「うわあ、誘拐にはもってこい的なベタな古い建物に入って行ったぞ。どうしよう・・・。」

「へへへ、さあお前の家の電話番号を教えろ。たっぷり身代金要求してやるぜ。」

ヘラクロス「や、やっぱり誘拐だ。くそ、前回は強盗で今回は誘拐かよ。この島とこの小説の平和最近乱れ気味だな・・・。つーかやべえよ。警察に・・・。」

と、ここでヘラクロスはあることを思いついた。

ヘラクロス「・・・待てよ。あの誘拐犯の種類は・・・バンギラスか。バンギラスは確か岩・悪タイプ。俺は虫・格闘タイプ。格闘タイプは岩と悪に強い・・・。ってことは俺あいつに対して超相性いいじゃん!!」

自分に有利とわかるともう止まらないのがヘラクロス。

ヘラクロス「このまま俺がでていってバンギラスをぶっ倒してプリンを助ける。そうするとプリンは当然オレに惚れる。来た!完璧なシナリオだよ!!よし、待ってろプリン!!」

ヘラクロスは興奮状態で突っ込んでいった。


バンギラス「ほらてめえ、電話番号教えろよ。」

プリン「嫌。」

バンギラス「ああ!?いい度胸だなてめえ!悪タイプなめんなよ!」

ヘラクロス「待て待て待て待て待てえい!!!」

バンギラス「あぁ!!?」

ヘラクロス「正義の味方、最強のポケモン、ヘラクロス様参上!!プリン!今助けるぜ!!!」

プリン「ヘ、ヘラクロス・・・。」

プリンは微妙な表情だった。

ヘラクロス「くらえバンギラス!必殺!瓦割り!!!」

効果は抜群だ!!!

バンギラス「ぐほああぁぁぁっ!!!」

ヘラクロス「よっしゃあ!ポケモン一匹くらい楽勝だぜ!ガハハハハハハ!!ハハハハハハハ!!」

「ならポケモン五匹ならどうかな?」

オーダイルが現れた!ゴローニャが現れた!アリアドスが現れた!ブラッキーが現れた!

ヘラクロス「・・・・・・・・・・・。」

オーダイル「五匹ならどうなんだ!?ああ!?楽勝か!?」

ヘラクロス「うん、無理。」

ヘラクロスは抵抗もせずにあっさり縄で縛られた。


バンギラス「せっかくだからてめえの親からも身代金巻き上げてやるぜ。」

プリン「バカーーーーーーーーー!!!あんたに少しでも期待したこの気持ちどうしてくれんのよ!!!」

ヘラクロス「すいません・・・。」

プリン「でも、でもきっとピカチュウ君が助けに来てくれるわ!小説的にも!」

ヘラクロス「ちっ。くやしいがこのままじゃやばいからここはピカチュウに活躍してもらうか・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

プリン「来ないじゃない!なんで!!?なにやってんの!!?」

ヘラクロス「くっそおお!あいつめ!次回から俺が主役だ畜生!でもこのままじゃ無事に帰れそうもない・・・。」

プリンとヘラクロスが絶望の表情を浮かべたその時だった。

「待て待て待てー!!!」

プリン「やっと来た!!!」

ホーホー「ホーホー隊参上!!」

ヘラクロス「はあ・・・。使えないの来た・・・。」

ホーホー隊隊員「待て!落ち込むのは早いぞ!今日はすごい人が来ているんだ!!」

ヘラクロス「はあ。」

ホーホー隊隊員「その名も!ホーホー隊第3支部特攻隊長ホウ田ホウ助!!通称”疾風のホウ”!!」

疾風のホウ「フッ。任せてくれ。」

疾風のホウと呼ばれたホーホーが羽をなびかせ入ってきた。明らかに他のホーホーとは雰囲気が違う。

ヘラクロス「おお、なんかスゴそうだ!」

疾風のホウ「くらえ!疾風のつつく攻撃!!」

オーダイル「邪魔だクソが!!」

疾風のホウ「グハア!!」

オーダイルが振り払うと疾風のホウは簡単に吹っ飛んでいった。

ホーホー隊隊員「なにい!疾風のホウが!!」

ヘラクロス「やっぱ弱えええ!!もういいよ!お前ら弱いんだからせめて警察連れてきてくれ!!」

ホーホー「く、格好悪いが仕方ない!少し待っていろ!今電話してくる!!」

ゴローニャ「おっと、そうはいかねえぞ。てめえらは一羽たりともここを生きてとおさねえ。」

いつものホーホー(総隊長)が外に出ようとすると、とたんに扉が閉められてしまった。

ホーホー「く、まずい!これでは逃げられん!!」

ヘラクロス「万事休すか・・・。」

再び絶望の表情を浮かべたその時だったどこからともなく声が聞こえてきた。

「待てえ!!!」

アリアドス「今度は誰だ!?」

ゴースト「あはははははは!!ゴースト様参上!!」

ヘラクロス「やっぱり使えねえの来たー!!」

ゴローニャ「む!ちょっと待て!扉は堅く閉ざされているはずだぞ!!」

ゴースト「あはははははは!ゴーストタイプの私にとっちゃ壁抜けなんておちゃのこさいさいですよ!あははははは!!」

バンギラス「クソが!ぶっとばす!」

ゴースト「あははははは!いいんですかそんなことして?実はもう警察にはこの携帯で電話しているんですよ!しかもここにあなた達の写真もありますよ!あははははは!!」

バンギラス「ちっ!逃げるぞ!」

バンギラス達は急いで逃げていった。

プリン「キャー!ゴースト君やったー!!惚れるかも!!」

ヘラクロス「ガーン!マ、マジで・・・?」

プリン「嘘に決まってるでしょ・・・。」

ヘラクロス「よ、よかった・・・。」


その後、警察によってオーダイル、ゴローニャ、アリアドスの三匹は捕まった。

バンギラス、ブラッキーはまだ捕まっていないが、ゴーストの撮った写真があるので捕まるのは時間の問題だという。

ゴースト「あはははははは!見てくださいよこれ!警察から感謝状をもらいましたよ!」

ヘラクロス「ちきしょー!なんで俺には来ないんだ!元はといえば最初にプリンを助けようとしたのは俺じゃないか!!」

プリン「だってあんた結局なにもしてないでしょうが。あんたが先に警察に連絡すればもっと早く事が進んだのに。」

ヘラクロス「うう、プリンきつい・・・。」

疾風のホウ「フッ。しかしお前にはなかなか見所がある。特別にホーホー隊第3支部に入れてやろう。本来ホーホーしか入れないのだがな。」

ヘラクロス「誰が入るか!!」

こうして今年の夏休みは終わった。
続く


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