もうすぐ夏休みも終わり。

レオンは暇なので当てもなく一人で歩いていた。

すると、前に愛しきポケモンの姿が見えてきた。

レオン「あ!あれはロコンさんだ!!」

しかし、その横には・・・。

レオン「う、ヤドラン君も一緒だ。なに話してるんだろう。なんか深刻そうだけど・・・。」

レオンは無意識のうちに隠れて二人の会話を聞いていた。


ロコン「ヤドラン君、まだ変なことしてるでしょ?」

ヤドラン「え?」

ロコン「アホーッ一族とかいう変な不良グループ、まだ続けてるんでしょ?」

ヤドラン「な、なんだよアホーッ一族って!ボーッ一族だよボーッ一族!!」

ロコン「・・・やっぱりまだやってるんだ・・・。」

ヤドラン「え、あ、いや、その・・・。」

ロコン「私、前にヤドラン君にもう馬鹿なことはやめてって言ったよね?それでもまだ続けてるんだ?」

ヤドラン「いや、だからそのことについては話せばわかるって・・・。」

ロコン「わかんないよ!あんなグループ続けてなにが楽しいの!?」

ヤドラン「ああ、いや、でもさあ・・・なんだかんだいってやっぱああいうこと好きだからさあ・・・。」

ロコン「だから私がやめてって言っても続けるんだ・・・。」

ヤドラン「ああ、そういう言い方するとあれだけど。でもなあ・・・。」

ロコン「もう『でも』はたくさん!もう大嫌い!!火炎放射!!!」

ヤドラン「いや、だからちょっと待って!ギャアアアアアアアアア!!!」


レオン「すごいところ見ちゃった・・・。でも、もしかしてこれって・・・。チャンス?」

そう、レオンはロコンに惚れていた。唯一じゃまだったヤドランが燃やされた今、これ以上のチャンスはない。

レオン「よーし!このままロコンさんを慰めつついい感じに持っていくぞ!!さっそく家で作戦をねるぞ!!」

レオンは大喜びで家に帰っていった。


次の日

なんとレオンはロコンと二人で出かける約束をすることが出来た。

ロコン「レオン君と二人で出かけるのって初めてだね。」

レオン「そ、そうだね。」

ロコン「どこに行く?」

レオン「えっと・・・とりあえず歩こうか?」

ロコン「うん。」

ロコンとレオンは歩き始めた。

レオン「・・・・・・・・。」

ロコン「・・・・・・・・。」

まずいな、会話がとぎれた・・・。こうなったら家で考えたあの台詞を・・・。

レオン「ロコンさん、君とこうして歩けるなんて夢のようだよ。」

ロコン「え?」

レオン「この広い世界でたった2匹のポケモンが偶然こうして肩を並べて歩いてる・・・。運命だと思わないかい・・・?(よし、言えた!がんばったぞ僕!偉いぞ僕!!)」

ロコン「クスッ。なにそれ?サンダース君の真似?そっくりだね。」

レオン「ガーーーーーーーーーーーーン!!Σ( ̄□ ̄o;)←レオン」


ロコンとレオンは、そんなこんなで繁華街にやってきた。

レオン「じゃあ、喫茶店にでも入ろうか?」

ロコン「うん。」

レオン「僕、トイレ行って来るね。」

ロコン「うん。」


レオンはトイレで緊張をほぐしていた。

レオン「ふう、緊張した・・・。」

「はあ・・・。昨日はロコンちゃんに嫌われちゃうし、最近俺ついてないなあ・・・。」

レオンの隣にいた男がつぶやいた。

レオン「へえ、ロコンちゃんに?」

「そうなんだよ。ロコンちゃんに。」

レオン「・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・。」

レオン「ってヤドラン君じゃん!ここに来てたの!?」

ヤドラン「な、なんだよ。俺が喫茶店来たらおかしいかよ?」

レオン「いや、そうじゃないけど、偶然だね。ははは・・・。(これはここからすぐ出た方が良さそうだな・・・。)」

ドッタンバッタン!!

ヤドラン「ん?なんか外が騒がしいな。」

レオン「行ってみよう!」


カモネギ「ハハハハハハ!!俺様は強盗だ!!すぐに金を出せ!!このピストルが見えねえのか!!」

そこにはポケモン島全域で指名手配中の強盗、カモネギがいた。

レオン「た、大変だ!この小説始まって以来の大事件だよ!!」

カモネギ「よおし、こいつは人質だ!!」

カモネギはロコンを捕まえた。

ロコン「きゃあ!」

レオン「ああ!ロコンちゃんが!!」

ヤドラン「やべえぞこれは!!よ、よし、ここは俺の水鉄砲とサイコキネシスであいつを倒してついでに汚名返上だ!!」

レオン「い、いや、ここは僕が十万ボルトで!!あいつ飛行タイプだし!」

バン!バン!(ピストルの音)

カモネギ「聞こえてるぞそこのガキ共!!下手な動きをしたら撃つぞ!!」

レオン「ひいい。すいません・・・。」

ヤドラン「まずいな。かなりやばい状況だ・・・。」

ガシャアアアアアン!!

窓を割ってポケモンが入ってきた。

ホーホー「ホーホー隊参上!!」

レオン「うわ、最悪の状況に!!」

ホーホー「行け!ホーホー隊!犯人を捕らえろ!!」

カモネギ「邪魔だ!!」

バン!バン!バン!

ホーホー隊隊員A「ぐはっ!」

ホーホー隊隊員B「ごはっ!」

ホーホー隊隊員C「ぐべっ!」

ホーホー「部下達〜!!!」

ヤドラン「やっぱダメだこいつら!!」

ホーホー「くっそお!もっと行けホーホー隊!我々の根性をみせてやるのだ!!」

ホーホー隊隊員「うおお!ホーホー隊万歳!!!」

ホーホーの部下達は叫びながら次々とカモネギに向かっていった。

カモネギ「うざったい奴らめ!」

バン!バン!バン!バン!バン!カチ!カチ!

カモネギ「しまった!玉切れだ!!」

レオン「よし!チャンス!!十万ボルト!!」

ホーホー「くらえ!ホーホーキック!!」

しかし十万ボルトはでしゃばって出てきたホーホーに命中した。

ホーホー「ぎゃあああああああ!!」

ヤドラン「バカ!邪魔するなホーホー!!」

その隙にカモネギはナイフを取り出した。

カモネギ「クソが!ピストルが無くてもこっちには人質がいるんだぞ!それ以上攻撃したらこいつも道連れにしてやる!!」

レオン「まずい、まずはロコンちゃんをどうにかして助けないと・・・!」

ロコン「・・・・・・・・・・・。」

レオン「・・・ん?ロコンちゃんの様子が変だぞ?」

ヤドラン「この光は・・・あやしい光だ!!」

レオン「あやしい光って?」

ヤドラン「相手を混乱させる技だ!俺も一度しか見たこと無いが・・・。」

レオン「あ!カモネギが!」

カモネギ「うひゃひゃひゃひゃひゃ・・・。金、金だあ・・・。金がいっぱいだあ・・・。」

カモネギはあきらかに混乱していた。

ホーホー「ふははははははは!我がホーホー隊がとうとう宇宙進出を果たしたぞ!!」

ホーホーも混乱していた。

ロコン「火炎放射!!」

カモネギ「ぎゃあああああああ!!!」

混乱したカモネギはロコンにあっさり焼き鳥にされた。

レオン「ヤドラン君、なんか僕、男としての自信をなくしちゃったよ・・・。」

ヤドラン「おおレオン、実を言うと俺もだ・・・。」

こうしてカモネギは後から来た警察に連れて行かれた。


ピカチュウ家。

ヒトカゲ(ニュースキャスター)「『ニュースです。今日、指名手配中のカモネギ容疑者が逮捕されました。』」

ピカチュウ「へえ、これでポケモン島ももっと平和になるなあ。」

ヒトカゲ「『ちなみにカモネギ容疑者は、人質にとった少女によって捕らえられたそうです。』」

ピカチュウ「すごいなあ。そんなポケモンもいるんだ。勇気あるなあ。」

ピカチュウは、それが親友の片思いの相手などとは夢にも思わなかったとさ。
続く


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