ある夏の日。ここはキレイハナの家。
キレイハナの父、ラフレシアがキレイハナの所にやってきた。
ラフレシア「キレイハナ、ちょっと話がある。」
キレイハナ「なんですか?お父様。」
ラフレシア「お前、今何年生だっけ?」
キレイハナ「2年生ですけど。」
ラフレシア「そうか。もうそんな年齢か・・・。」
キレイハナ「それがどうかしましたか?」
ラフレシア「うむ・・・。キレイハナ、単刀直入に言うが、お前、お見合いする気はないか?」
キレイハナ「えええええっ!!?」
ところ変わってここはヘッポコ占い師のフーディンの家。
フーディン「う〜む・・・困ったことになった・・・。」
ユンゲラー「どうしたの?フーディン兄さん。」
フーディン「おお、聞いてくれユンゲラー。それがな・・・。今日も街で占いをしてたのだが・・・。」
ユンゲラー「またクレームでも来たの?」
フーディン「違う!それが、最近は占いでたとえ悪い結果が見えても良い結果を言って相手の機嫌をとっているのだが・・・。」
ユンゲラー「それって占いでもなんでもなくない?」
フーディン「うるさい!いいんだよ相手が喜べば!しかもどういう訳か前より当たる確率が高くなってるしな。」
ユンゲラー「で、なにが困ったことなのさ?」
フーディン「うむ、それがだな・・・。昨日来た相手にいつものように調子のいいことを言ったせいでとんでもないことになってしまったんだよ・・・。」
昨日の夜
フーディン「占いいかがっすか〜。占いいかがっすか〜。よく当たるフーディン占いだよ〜。」
ラフレシア「ほう、占い?」
フーディン「お、らっしゃ〜い。」
ラフレシア「私はラフレシア。私の娘も占い好きなのだが、君の占いは当たるのかね?」
フーディン「そりゃもう百発百中っすよ。やってみますか?」
ラフレシア「じゃあ頼む。」
ラフレシアの返答を聞くやいなや、フーディンはボロい水晶玉を取り出した。
フーディン「よし、じゃあ行くぞ。モーモタロサンモモタロサン、ギュウドンハツユダクデ、ナツヤスミノシュクダイメンドクセ〜〜〜!!」
ラフレシア「な、なんだそれは?」
フーディン「占いの呪文だ。気にするな。センタクキセンタクキセンタクキ〜〜〜!!」
ラフレシア「じゅ、呪文なのか!?」
フーディン「アカマキガミアオマキガミキマキガミ!ハアーーーーーーーーーーーッ!!!!!!見えたあああああああ!」
ラフレシア「・・・どうだった?」
フーディン「うむ、はっきり言って運勢は最高だな。」
ラフレシア「ほ、本当か!?」
ラフレシアの表情が明るくなる。
フーディン「うむ。もしかしたら近々あんたの身内が結婚でもするかもしれん。」
ラフレシア「なに!?ま、まさかうちの娘じゃないだろうな!?」
フーディン「そのとおり!おめでとう。あんたの娘はもうじき結婚するぞ。」
ラフレシア「でもうちの娘にはまだ恋人がいないようだが・・・。」
フーディン「ふむ、見えるぞ。どうやらお見合い結婚のようだ。ここはあんたが素敵なお見合い相手を見つけてきてあげるべきのようだ。」
ラフレシア「お見合い!?・・・そうか、お見合いか・・・。」
フーディン「娘が離れていくのは悲しいかもしれないが、ここであんたが協力しないとあんたの娘は婚期を逃してしまうかもしれんぞ。」
ラフレシア「・・・・・・・。わかった、キレイハナにお見合いの話を進めてみるとしよう・・・。」
フーディン「うむうむ、それがいいそれがいい。・・・ってなに?キレイハナ?」
ラフレシア「ああ。私の娘だよ。おお、そうだ。代金を支払わなければな。ほら、とっときなさい。」
そういうとラフレシアは何食わぬ顔でフーディンに札束を手渡した。
フーディン「え〜と・・・!!!!!!!!!いいいいいいいいいいいいい、一億!?」
ラフレシア「はっはっは!まあ気にするな。これくらい痛くもかゆくもない。じゃ、本当にありがとうな。」
そう言うとラフレシアは去っていった。
一億を手にしたフーディンは今更ウソなどと言えるはずもなく、ただ呆然とラフレシアを見送ることしかできなかった。
ユンゲラー「じゃあ兄さんの適当な占いのせいでキレイハナさんは結婚させられることになっちゃうの!?」
フーディン「いや、あのキレイハナのことだ。意地でも結婚などしないだろう。だが・・・。」
ユンゲラー「だが?」
フーディン「キレイハナに今回の事が私の占いがきっかけとわかれば、この一億も没収ということになってしまうだろうな。」
フーディンは大事に持っていた一億をユンゲラーに見せた。
ユンゲラー「わああああああ!!本当に一億ある!!!」
フーディン「これさえあれば当分は贅沢な生活が出来る。この長かった貧乏生活ともおさらばだ。どうしても手放すわけにはいかん。」
ユンゲラー「でもここにいたらキレイハナさんに見つかるよ?」
フーディン「だからかくなる上はだな・・・。」
ユンゲラー「かくなる上は?」
ピカチュウ「で、キレイハナさんにしかられたくないから僕の家に夜逃げしてきたってわけ?」
そういってピカチュウはため息をついた。
ピカチュウ「なんで僕の家なんだよ。もっといろいろあるだろ?」
フーディン「そういうな。まさかピカチュウの家などにいないだろうという意外性を狙った作戦だ。」
ユンゲラー「さすが兄さん!頭いい!!」
ピカチュウ「僕はまだ許可してないぞ。」
フーディン「ほれ、夏休みの間の家賃、100万、いやユンゲラーと二人だから200万でどうだ?」
無表情でフーディンはバッグから200万を取り出した。
ピカチュウ「ええ!?なんでそんな金持ってるの!?」
ピカチュウが驚くのも当然である。
ホーホー「200万!?よし、我々の屋根裏を貸してやるぞ!!」
フーディン「・・・で、どうするピカチュウ?」
200万と聞いて飛び出してきたホーホーを無視し、フーディンはピカチュウの方を見た。
ピカチュウ「か、金で釣るとは汚いやり方だけどわかったよ泊めてやるよ。でも・・・。」
フーディン「なんだ?」
ピカチュウ「後100万たりないんじゃない?」
フーディン「ふん、なかなかがめつい奴だ。わかった。300万だな。」
こうしてフーディンとユンゲラーはピカチュウ家にしばらく泊まることになった。
その頃、誰もいないフーディンの家。勢いよく扉が開く。
ガタアアアアアアアアン!!!
キレイハナ「ちょっとフーディン!!!あなた一体お父様に何を言ったの!!?」
・・・・・・・・・・・・・・・。
キレイハナ「誰もいない・・・。逃げたわね?私の占いであなたの居場所くらいすぐにわかるんですからね?」
またまたところ変わってピカチュウ家ではレオンとプリンを呼んで宴会をしていた。
フーディン「はっはっは!!さあ好きなだけ食べろ!私のおごりだ!足りなくなったらまた頼んでやる!」
ピカチュウ「いや〜、お寿司なんて久しぶりだな〜。」
ピチュー「おいし〜!」
トゲピー「トゲトゲー!!」
レオン「なんか悪いなあ、僕らまで呼んでもらっちゃって。」
プリン「まあまあレオン君、おごってくれるって言ってるんだからいいんじゃない?」
ホーホー「うう、寿司なんて夢のようだ・・・。」
ホーホーは感激のあまり泣き出していた。その時。
ピンポーン
ピカチュウ「あれ?もう誰も呼んでないはずだけどな・・・。誰だろう?」
ピカチュウは扉を開けた。
ピカチュウ「あ、キレイハナさん。どうしたの?」
キレイハナ「ごきげんようピカチュウ君。夜分遅く失礼しますね。」
ピカチュウ「はあ・・・。」
キレイハナ「・・・調べなさい。」
キレイハナの一言で、雇われSP達がピカチュウの家に押し入ってきた。
ピカチュウ「ちょ、ちょっと!!」
しばらくしてキレイハナのガードのルギアがフーディンとユンゲラーを捕まえてきた。
ルギア「お嬢様、とらえました。」
フーディン「な!キレイハナ!!何故ここがわかった!?」
ユンゲラー「ひいいいいいいいいいい!離せよお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
キレイハナ「この二人をお仕置きしてあげなさい。」
ルギア「わかりました。お任せ下さい。」
ユンゲラー「なんで僕まで!?兄さんだけじゃないの!?」
ルギア「エアロブラスト!!」
ルギアの攻撃がフーディンを襲う!
フーディン「ぐっはぁっ!!」
ユンゲラー「にいさ〜ん!!」
フーディン「くっ・・・。ユンゲラー!ここはテレポートで逃げるぞ!!テレポート!!」
ユンゲラー「ええっ!?何処へ!?ああ、もう!テレポート!!」
フーディンとユンゲラーは、あっという間にその場から消えてしまった。
キレイハナ「逃げましたか・・・。じゃ、先にピカチュウ君、その300万を返していただきましょうか?」
ピカチュウ「え?このお金、フーディンのじゃないの?状況がさっぱりつかめないんだけど?(汗)」
その頃、テレポート先を考えていなかったフーディンは、まったく知らない場所へテレポートしてしまっていた。
フーディン「ふう・・・。なんとか逃げられたな・・・。ユンゲラーは逃げ遅れたか・・・?しかしここは一体何処だ?」
「・・・なんだあんた?急に出て来やがって。」
緑色のしゃべるポケモンがいる。どうやらポケモン島内のようだ。
フーディン「ん、おお、ポケモンがいたか。ちょうどいい。ここは何処だ?」
「・・・うちのちゃぶ台の上だ。」
冷ややかな空気が流れる。
フーディン「す、すまん!適当な場所にテレポートしたもんだからこんな場所にでてきてしまったんだ!」
ちゃぶ台から降り、フーディンは謝り始めた。しかし、相手のポケモンはかなり怒っている。
「いきなりでてきてこんな場所だと?失礼な奴め。」
フーディン「ええと・・・。おお、そうだ!夏休みの間ここに泊めてくれないか?」
「なにい!?なにを言ってるんだ貴様!」
フーディン「ほれ。」
フーディンはちゃぶ台の上に100万を放り投げた。
「どうぞどうぞ。是非泊まっていってくださいな。」
フーディン「そうか、悪いな。そうそう、申し遅れたが私の名はフーディン。ポケモン島東地区出身のポケモン学園2年生だ。」
改めて自己紹介をするフーディン。
すると相手のポケモンもさっきとはうってかわった表情でにこやかに自己紹介を始めた。
キモリ「俺はキモリ。ポケモン島西地区出身のポケモン西学園2年生、お前とタメだ。よろしくな。」
フーディン「西学園?と、いうことはここは西地区なのか?」
キモリ「そう。東地区のポケモンを見るのは久しぶりだからな。ゆっくりしてけよ。」
フーディン「あんたはここで一人暮らしなのか?」
キモリ「いや?もう一匹いる。もうすぐ帰ってくるんじゃないか?」
「た・だ・いまあ〜〜〜〜〜〜!!」
玄関からどす黒い声が聞こえる。
キモリ「おお、帰ったかラグラージ!お客さんだぞ!」
ラグラージ「お、客、さん!お客、さあ〜〜〜〜〜ん!!!」
ラグラージと呼ばれたその巨体を持つポケモンはそれとなくヤバめな表情をしていた。っていうかぶっちゃけ怖かった。
フーディン「う、なんだこいつは・・・!」
キモリ「こいつが俺と一緒に住んでるラグラージ。はぐれポケモンだったのを俺がひきとったんだ。だからまだ共通語があんまり上手くないんだが。まあ仲良くしてやってくれ。」
ラグラージ「オレ、ラグラージ!よ、ろ、し、くうう〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
フーディン「ひいいいいいいい!!」
キモリ「どうしたフーディン?」
フーディン「あの、かなり怖いんですけど?」
キモリ「怖くない怖くない。すぐなれるって。」
ラグラージ「げひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。なれる!なれる!ぐぺぺぺぺぺぺぺ!」
フーディン「な、なれるか・・・?」
ラグラージ「うびゃーーーーーーーーー!!!」
ラグラージは泥を吐いた。
フーディン「ぎゃあああああああああああああ!!!」
キモリ「こらラグラージ!家の中で泥を吐くのはやめろっていつも言ってるだろ!また掃除しなくちゃいけないじゃないか!」
ラグラージ「キモリ!キモリ!ごめんねキモリイイ〜〜〜〜〜!」
こ、怖い・・・。
ラグラージ「がばあああああああああああああああ!!!!!!」
ドカアアアアアアアアアン!!
ラグラージは扉を突き破って外に出ていった。
フーディン「わああああああああああ!!なんだなんだ!?」
キモリ「あ、外にアブソルちゃんがいる。ラグラージの奴、アブソルちゃんのこと大好きだからなあ・・・。」
ラグラージ「アブソル!アブソルウウウウウウウウウウウウウウ!!!あ・そ・ぼ〜〜〜〜〜〜〜!!」
アブソル「ぎゃああああああああああああ!!!」
窓の外ではラグラージに抱きしめられるアブソルの姿があった。
フーディン「や、やっぱ他の家に泊めてもらおうかなあ・・・。」
キモリ「そう言うなって。ゆっくりしてけよ。」
一方、フーディン兄弟逃亡後のピカチュウ家。
ピカチュウ「ご、ごめんなさいキレイハナさん。フーディンのおごりだって言うから変だと思ったんだけどさあ・・・。」
ピカチュウは寿司パーティーで使ってしまったお金のことをキレイハナに謝っていた。
キレイハナ「はあ・・・。もういいですよ。悪いのはフーディンですから。」
ホーホー「なんだなんだ?寿司パーティーは終わりか?もっと食わせろ!」
キレイハナ「フクロウさんは少し黙っててください。じゃ、今からフーディンにお仕置きします。」
表情こそすましていたが完全にキレイハナはキレていた。
ピカチュウ「でもどうするの?テレポートしていっちゃったじゃん。」
キレイハナ「フーディンに発信器をつけておきましたから。どうやら今は西地区にいるようですね。」
ピカチュウ「そんな遠いところまで行くの?」
キレイハナ「今からうちの人工衛星でミサイルを撃ち込みます。」
ピカチュウ「なんだってえ!!?」
キレイハナは携帯電話を取り出した。
キレイハナ「発射準備、出来ましたか?じゃ、撃ちなさい!」
ピカチュウ「いくらなんでも死んじゃうよ!?」
キレイハナ「死なない程度に加減してあるから大丈夫です。フーディンはこれくらいやらないと反省しませんから。まったく、占い師の恥です。」
ピカチュウ「周りに誰かいたらどうするんだよ!?」
キレイハナ「ポケモン一体分の範囲のみに集中して撃つことが出来るので大丈夫です。建物などに被害が及ぶようなら私が弁償します。」
ピカチュウ「さ、さすがキレイハナさん。お金持ちに不可能はないな・・・。」
レオン「あ、遠くで何か光った。」
ズドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
キモリ「な、なんだ今の波動砲みたいなのは!天井に穴があいたぞ!!つーか大丈夫かフーディン!!」
ラグラージ「げひゃひゃ!うひゃひゃひゃ!ぐっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
キモリ「こら、笑い事じゃないんだぞラグラージ!」
キレイハナ「どうやら命中したようですね・・・。」
ピカチュウ「ふう、じゃあこれで一件落着なの?」
キレイハナ「いえ、きっと大変なのはこれからです・・・。」
その頃、何処かへテレポートしてしまったユンゲラーは。
ポケモントレーナー「しゃべるユンゲラーだ!珍しいぞ!捕まえろ!!いけモンスターボール!!」
ユンゲラー「ぎゃあああああああ!!変なところに来ちゃったよおおおおおおお!!助けて兄さああああああああん!!!」
大ピンチだったとさ。
続く
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