ピカチュウ達は部活見学をしていた。
ピカチュウ「水泳部なら僕たちもいけるんじゃない?」
レオン「ピカチュウ君泳げるの?」
ピカチュウ「サーフボードなら・・・。」
レオン「それじゃダメじゃん・・・。」
そんなことを言いながらピカチュウ達はある部室に入った。
ピカチュウ「で、ここは何部かな?」
ヨルノズク「ここは囲碁・将棋部ですよ。部長のヨルノズクです。」
レオン「囲碁・将棋・・・?」
見た感じ、部員達は寝そべりながら漫画を読んだりガムを食べたりしている。
レオン「ぼそぼそ・・・(部員の態度としてはあれかもしれないけど結構良さそうじゃない?)」
レオンに耳打ちされたピカチュウは少々悩んだあげく、入ろうと思った。
ピカチュウ「そうだね、ここに」
「ようピカチュウ!!ここに入るのか!!?」
いきなり大きい声でピカチュウを呼んだのは担任教師のピカノだった。
ピカチュウ「うわ!ピカノ!!何でここに!?」
ピカノ「お前なー、先生を呼び捨てにするな!!それに俺はここの顧問だぞ?ここにいちゃ悪いか?」
ピカチュウ「失礼しました!!」
ピカチュウはレオンの腕を引っ張って出ていった。
レオン「何するんだよ!せっかく良さそうな部活だったのに!」
ピカチュウ「だってあのピカノが顧問をやってる場所だぞ!?」
レオン「ピカチュウ君、何でそんなにピカノ先生を毛嫌いするんだい?」
ピカチュウ「だってあいつは昔、かくれんぼをする時に鬼を自らやったはいいがそのあと隠れた僕をわざと3日間も放置して帰ったような奴だぞ!?そんな奴を好きになれるか!!」
レオン「そ、そんなことがあったのか・・・。わかったよ、囲碁・将棋部はやめよう。」
形相を変えたピカチュウの迫力に、レオンはただ従うしかなかった。
ところかわって、また別の部室の前。
ピカチュウ「さて、こっちは手芸部か。何だろう、手芸って。レオン、入ってみようよ。」
レオン「僕は手芸は・・・。」
ピカチュウ「いいからいいから!失礼しまーす!」
ピカチュウはあまりノリ気でなさそうなレオンを連れて教室へ入った。
「あら、見学ですか?」
そこにいたのは手芸部の部長、ムチュールだった。
ピカチュウ「手芸って初めてなんですけどどんな物なんですか?」
ピカチュウは興味津々に聞いた。
ムチュール「手芸というのは縫い物や編み物の事ですよ。やってみます?」
ピカチュウとレオンは編み物の材料を渡された。
二人ともそんなに細かい作業が得意ではないようで、苦戦している。
ピカチュウ「うわ、難しい・・・。レオン、上手くできる?」
レオン「・・・・・・・・・・。」
レオンの反応がない。
ピカチュウ「レオン?ねえ、レオンってば!!」
レオン「んがああああああああああっ!!!やってられっかああああああっ!!!」
レオンは急に編み物道具を投げ、人(ポケモン?)が狂ったように暴れだした。
ピカチュウ「ど、どうしたんだよレオン!!」
レオン「俺はちまちましたことが大っ嫌いなんだ!!こんな部やってられっか!!行こう、ピカチュウ!!」
ピカチュウ「う、うん・・・。」
今度はレオンの迫力にピカチュウが従うしかなくなっていた。
続いて、音楽室前。
ピカチュウ「ここは合唱部だね。あんまり興味ないけど・・・。」
レオン「もうどこでもいいよ。失礼しまーす。」
ドアを開けてさっさと音楽室へ入るレオン。
ピカチュウ「ちょっとレオン!全く、あんな大ざっぱだったとは・・・。」
・
・
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一瞬意識が遠のいたかと思ったら、ピカチュウとレオンは音楽室で倒れていた。
レオン「ん?ここは?合唱部の見学にきてたはずじゃ・・・。」
ピカチュウ「さあ、おかしいな、何か何も覚えてないよ。」
ピカノ「ははは!!よう、ピカチュウ!!合唱部の歌う攻撃にやられたようだな!!」
ピカチュウ「ってうわっ!ピカノ!!どっから出てきたんだよ!!しかも歌う攻撃って・・・。」
ピカノ「そう、俺達がよくプリンにやられてたあれだ!合唱部に下手に近づくとそうやっていつの間にか寝てしまうんだ!」
ピカチュウ「そうだったのか・・・。うかつだった。とんでもない部だな・・・。他の部に行こうか、レオン・・・。」
レオン「そうだね・・・。」
他の部の見学に行こうとするピカチュウ達を急にピカノが引き止めた。
ピカノ「待て待てお前ら!!今、何時だと思ってるんだ?お前らが寝てる間にもう6時半だ!下校時刻だ!帰れ!!」
ピカチュウ「え・・・。」
ピカノに言われ窓の方を振り向いたとき、いつの間にか外は暗くなりかけていた。
レオン「そんな・・・。」
ピカノ「ははははは!!残念だったな!なんなら囲碁・将棋部に来るか?ん?さぼり放題だぜ?」
ピカチュウ「お断りします。」
その後、もう二度とピカチュウ達は部活見学には行かなかった・・・。
続く
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