急なトラブルでアドリブまみれになってしまった演劇大会。

ピカノ監督の指示で浦島太郎のストーリーはどんどんおかしな方向へと進んでいた。


ナレーション「おむすびを取りに浦島は穴の中に行きました。」

浦島「おむすびやーい。」

ナレーション「すると鬼が宴会をしていました。」

宴会鬼A(サワムラー)「貴様!おどりをおどれ!」

宴会鬼B(エビワラー)「そうだ!おどれ!おどれ!!」

ナレーション「仕方なく浦島は踊りを踊ることにしました。」

浦島「ええっと・・・。ほれほーれ。」

当然、浦島太郎に踊る予定などなかったので、盆踊りっぽいものを踊ってみるピカチュウ。

宴会鬼A「がはは!面白いじゃないか。よし、こぶを取ってやろう。」

浦島「こぶ?」

宴会鬼B「ほれ。よいしょっと。」

浦島「いててててててて!!」

宴会鬼A「む?取れないな。フンッ!!」

浦島「いだだだだだだだだだ!!」

宴会鬼B「くそ!なんだこれは!フンガッ!!」

浦島「いででででででででででで!!!」

宴会鬼A「くそ、しつこいこぶだ!!うおおおおおお!!」

浦島「やめてくれええええええ!!それはこぶじゃなくて電気袋(ほっぺの赤いところ)だよおおおおお!!」

宴会鬼A、B「え、そうなの?」

ナレーション「仕方がないので浦島はこぶの変わりにちょんまげを取ってもらいました。」

浦島「なんだよそれ!嬉しくないよ!!くそー、痛かった・・・。」

とりあえずちょんまげを取られるピカチュウ。もはや浦島なんだか誰なんだかわからなくなってきている。

ナレーション「そして浦島は旅を続けます。なんとそこにはけがをした鶴がいました。」

鶴(ヘラクロス)「うわー!助けてくれー!!」

浦島「助けたくね〜鶴だなあ・・・。」

ナレーション「浦島は鶴を助けてあげました。」

気は乗らないが、ナレーションのとおりに足にかかった罠をはずしてあげるピカチュウ。

浦島「ほら、これで満足か?」

鶴「ああ、ありがとう!このご恩は必ず・・・」

浦島「返さなくていいからね。」

ナレーション「浦島は我が家に帰りました。」

浦島「ええっ!?帰っちゃうの?まあいいや。ただいまー。」

コンコン・・・

ナレーション「ノックの音が聞こえます。」

浦島「やっぱり恩返しに来たのか・・・。今あけまーす。(女性になってもヘラクロスじゃないだろうな・・・。)」

魔女(カラカラ)「ええっと・・・こ、このリンゴを食べないかい?」

浦島「って魔女かよっ!!しかも妙に弱々しいし・・・。今度は毒リンゴか?」

リンゴ(たまっち)「ボクはおいしいもんよー。」

浦島「しかもなんでリンゴがしゃべるんだよ!!」

リンゴ「いいから食べるもん。」

浦島「誰が食えるかこんなオバケリンゴ!!」

ナレーション「浦島はこのリンゴを切っておばあさんと食べることにしました。」

おばあさん(ブースター)「まあ、なんておいしそうなりんごなのかしら。」

浦島「(おばあさんいたのか・・・。)もう、仕方ないなあ。じゃあとりあえず切るぞー。」

スパッ!

浦島「うわあああああ!!本当に切れた!!大丈夫かたまっち!!」

リンゴ「大丈夫だもん。宇宙の力ですぐにくっつくもん。」

浦島「ええ?そうなの?」

ナレーション「中から年頃の男の子が出てきました。」

浦島「どういう原理だ?」

おばあさん「リンゴから生まれたから桃太郎と名付けましょう。」

浦島「だからなんでそうなるんだってばよっ!!」

ナレーション「桃太郎はすくすくと育ちました。」

桃太郎役、レオンが舞台に登場する。

桃太郎(レオン)「浦島さん、おばあさん、鬼退治に行って来ます。」

浦島「桃太郎の鬼は僕が倒しちゃったんだけど?」

桃太郎「ええっ!?どうしよう!?」

ナレーション「仕方なく、浦島太郎と桃太郎は金太郎を倒しに行くことにしました。」

浦島&桃太郎「っておいっ!!!」

ちゃちゃっと裏のセットも外の景色に切り替わる。裏方も大変である。

ナレーション「そこに犬と猿と鶴がやってきました。」

犬(ミュウツーの愛犬、ワンちゃん)「ワン!ワン!」

猿(エレキッド)「ウキー」

鶴「クエー」

浦島「まて!なんでさっきの鶴が混じってるんだよ!!」

鶴「さきほどの恩返しです。金太郎退治に協力します。」

ナレーション「そんなわけで犬と猿と鶴が恩返しで仲間になりました。が、しかし!!そこに!!」

浦島「金太郎か!?」

ナレーション「うさぎが現れました!!」

うさぎ(ロコン)「ああ、なんであなたはそんなに足が遅いの?」

桃太郎「うわあ、かわいいなあ・・・。」

うさぎ「ねえねえ、そこまでレースしない?」

浦島「今それどころじゃないんだけど。」

うさぎ「足が遅いから?」

浦島「そうじゃないけどさあ・・・。仕方ない、犬と猿と鶴、レースしてあげてよ。」

ナレーション「犬と猿と鶴はうさぎとレースしましたがあっさり負けてしまいました。」

ナレーションの一言でレースシーンはカットされてしまった。

うさぎ「だってカメが前回つぶれちゃっていないんだもん。ねえ二人とも、どうすればいいの?」

ナレーション「しかし、浦島と桃太郎はそこにはいませんでした。どうやら犬たちをおとりにして逃げたようです。」

今度は逃げたことにされているので、いったん舞台袖に引っ込むピカチュウとレオン。ナレーションの一言一言をしっかり聞かないと何をすればいいのかわからなくなるので必死である。

浦島「ねえ、まだ続くのかな・・・。」

桃太郎「さあ・・・。でも僕なんかまだ出てきたばかりなんだけど?」


ミュウ「先生!いいかげん元の物語に戻しましょうよ?」

ピカノ「いいんだよ!客はうけてるんだから!!」

演劇大会、次で終幕です。
続く


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