ピカチュウとプリンは同じクラス(2組)だった。

だが、二人はあまり嬉しそうではなかった。

何故なら。


ピカノ「ハッハッハ!!ようピカチュウにプリン!久しぶりだなあ!」

ピカチュウ「よりによって担任がピカノなんて・・・。最悪だ・・・。」

プリン「ピカチュウ君・・・、頑張ろう・・・ね?」

この男こそ、ピカチュウが恐れていた教師、ピカノである。

ピカノ「どうした嬉しくないのか?お前らと子どもの頃に遊んでやってたのは誰だと思ってるんだ?え?」

ピカノにとっては『遊び』でも、ピカチュウ達にとってはほとんど『いじめ』に近かったのだが。

だが、ピカチュウの体ももう大人と同じくらいに育ってきた今ならまともにけんかもできるだろう。

もう身長もあまり変わらなくなってきたな・・・。

ピカチュウがそんなことを考えているとピカノが生徒に指示を始める。

ピカノ「ほら、とっとと体育館に行くぞ!適当に並んで進め!」

これが彼なりの指示である。


いじめられることが確定したショックでピカチュウには校長の話など、ろくに耳に入っていなかった。

それほどピカチュウはピカノが嫌いだったのだ。

入学式を終え、ホームルームのために教室に戻るピカチュウ。

ピカノ「よーし、ホームルーム始めるぞ!!」

へえ、ホームルームなんかまともにやれるのか・・・。

一番前の席にプリンと座らされたピカチュウは驚いた。

ピカノ「さて、まずはクラスをまとめる奴が必要だな!学級委員を決めるぞ!どうせやりたい奴はいないだろ?俺が勝手に決めていいな?」

嫌な予感が・・・。

ピカノ「よし、ピカチュウ!お前がやれ!!」

ピカチュウ「何でオレなんだよ!!他の奴にやらせろよ!!」

「先生、僕、やりたいです!!」

ピカチュウが更に反論しようとした瞬間、真面目そうな顔つきをした白いポケモンが立ち上がった。

ピカノ「何?珍しい奴もいたもんだ。えーと・・・お前はミュウ君か。ケッ。命拾いしたな、ピカチュウ。」

「ピカ〜ッ!!」

プリン「ピカチュウ君、押さえて押さえて!」

ピカノに十万ボルトをくらわせようとした瞬間、プリンに止められてピカチュウはやっと落ち着いた。

ピカノ「さて、学級委員も決まったし、今日は終わりだ!」

ミュウ「ええっ!?初日っていったらもっといろいろあるもんじゃないんですかっ!!?」

これにはピカチュウでなくてもつっこんだ。

ピカノ「うっせーな。いいんだよ!俺が終わりって言ったんだからとっとと帰れ!!」

やっぱりメチャクチャだ・・。ああ、嫌だ、嫌だ・・・。

ピカチュウは暗い顔をして下校していった・・・。
続く


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