ミュウ「ピカチュウ君!」

ピカチュウの元に白いポケモンがやってきた。

ピカチュウ「うわ、学級委員のミュウか。またどこからわいて出てきてるんだよ!」

ミュウ「あのさあ、最近レオン君の姿を見ないんだけど?」

ピカチュウ「ああ、それがさあ・・・あいつこの前プールでロコンさんとヤドランが一緒にいるところにあってから何か急に引きこもっちゃったんだ。」

ミュウ「ロコンさんとヤドラン君が?それとレオン君となんの関係があるんだい?」

ピカノ「それは恋だな!」

ドラゴンポケモンが割り込んでくる。

ピカチュウ「うわ!ピカノ!お前もどこからわいて出てきてるんだよ!」

ミュウ「先生、恋ってどういうことですか?学問にのみ没頭している僕にはそういうことはよくわからないんですけど?」

ピカノ「うむ、レオンはロコンを好きだったのだがヤドランとロコンがラブラブで一緒にいるところを見てショックを受けたって事だな。」

ピカチュウ「レオンがロコンさんを?そんなそぶりなかったけどなあ・・・。そういえばブースターさんの家に行った時に会ってたけど・・・。」

ピカノ「そのときに惚れたんじゃね?きっかけとしちゃ充分だ。」

ピカチュウ「それにしても、ロコンさんとヤドランがそんなにラブラブって事は無いと思ったけどなあ・・・。」

ミュウ「とにかく、落ち込んでるなら励ましてあげるべきだよ!」

ピカチュウ「またミュウは・・・。余計なお世話だってば。」

ミュウ「ピカチュウ君!君はレオン君の親友だろ!?それなのにそんな態度で・・・、」

ピカチュウ「わかったわかった!でもどうやって励ますんだ?」

ミュウ「うん、今日夏祭りがあることは知ってるよね?それにつれていって元気づけたいと思うんだ!」

ピカチュウ「いいけどさあ、7時にはプリンとその祭りに行く約束があるからそれまでだぞ?」

ミュウ「よし、決まりだね!ピカノ先生もどうですか?」

ピカノ「やなこった。今日はリザードン先生と校長とオレで酒飲みながら花火見る予定なんだから。」

ピカノの返答は冷たかった。

ミュウ「そうですか?じゃあピカチュウ君、5時にレオン君を連れてきてよ。」

ピカチュウ「ああ、わかった。・・・ところで二人とも。」

ピカノ「ん?」

ピカチュウ「・・・ここ、僕の家なんだけど勝手に入ってこないでもらえるかな・・・。」


そして5時半。

ミュウ「ピカチュウ君!30分の遅刻だよ!なにをしてたんだい?」

ピカチュウ「ごめんごめん、レオンがなかなか行きたがらないからさあ。」

レオン「ふう・・・。だって今更祭りなんか・・・。」

レオンは完全にいじけモードだった。

自慢のなびく毛も手入れをしていないようで、もはやボサボサだ。

ミュウ「レオン君!ほら元気出して!お祭りなんだからもっと明るく!」

レオン「はあ・・・。」

ミュウ「ほら、レオン君!金魚すくいがあるよ!わー!やってみようよ!!」

レオン「金魚すくいか・・・。ふう・・・。」

レオンは一人でうるさいミュウに半強制的に金魚すくいをやらされ、仕方なく網を持った。

ミュウ「ほら!レオン君!!すくえたよ!!すごいなー!金魚かっこいいー!!悩みなんかふっとんじゃうね!!」

ピカチュウ「金魚かっこいいってあんた・・・。もうやけくそだね。」

「ミュウく〜ん。」

ミュウ「え?今僕の事を呼んだの誰?」

首を振るピカチュウとレオン。

「ミュウく〜ん。」

ミュウを呼ぶ声は金魚すくいの網の上から聞こえていた。

ミュウ「って、うわあああ!!1組のトサキント君じゃないか!!何故金魚すくいに混じってるんだい!?」

ピカチュウ「1組のトサキント君ってあのおかまの?」

トサキント「いやあねえ。そんなこと言わないでよ〜。あたしはお姉系なのよん♪それよりミュウく〜ん、あたしと一緒にお祭り楽しみましょうよ〜。」

ミュウ「ぼ、僕はレオン君達と一緒に・・・って何をするんだ、やめてくれ!!うわあああぁぁ・・・」

ミュウはトサキントに腕を引っ張られ何処かに連れて行かれてしまった。

ピカチュウ「おい、ミュウ!!まったくもう・・・。レオン、どうする?」

レオン「はあ・・・。え?何か言った?」

レオンはもはやピカチュウの言ってることもほとんど聞こえないようだ。

ピカチュウ「もう、仕方ないなあ。じゃあとりあえず歩こうか?」

サワムラー「うおおおおおおお!!ピカチュウううううううう!!」

ピカチュウ「うわ、1組のサワムラーとエビワラーか。むさいなあ。何か用か?」

サワムラー「うむ、それがな、ブースター見なかったか?」

ピカチュウ「ブースターさん?見てないけど、なに?はぐれたの?」

エビワラー「それ以前の問題だ!俺らがブースターの家に行ったときには既にロコンちゃんと祭りに出かけたとエーフィ姉さんに聞いた!」

サワムラー「その通り!今サンダースとカイリキーも別の場所を探している!くそ、俺たちもブースターと祭りに行こうと思ったのに!!うおおおおおおお!!ブースター!!!」

サワムラーとエビワラーは騒ぎながらどこかに行ってしまった。

ピカチュウ「え?ロコンさんだって!?聞いたかいレオン?ロコンさんはブースターさんと出かけてるんだって!」

レオン「・・・ヤドランじゃなくて?」

ピカチュウ「そうだよ!付き合ってるんだったら祭りなんて絶対一緒に行くだろ?やっぱりプールはたまたまだったんだよ!」

少々強引な理屈だがレオンには充分効果があった。

レオン「・・・たまたま?」

ピカチュウ「そうだよ!!だからレオンが落ち込む必要なんて無いんだよ!!大体、いくら世にも珍しい活発ヤドランでもあの美人のロコンさんが付き合うわけないじゃん!ちょっと遊びに来てただけだよ!」

レオン「そうか、そうだったのか!ハハハ、いやー安心したよ!!」

ピカチュウ「そうだろ?仲はいいのかもしれないけどさ、恋仲じゃないならレオンにも充分チャンスはあるさ!頑張ろうレオン!応援するよ!」

レオン「うん、ありがとうピカチュウ君!」

ピカチュウ「いやーよかった!レオンがやっと元気になってくれたよ!(でも意外と簡単に立ち直ったな・・・。レオンが単純で良かったよ・・・。)じゃあ元気になったところで次はかき氷でも食べに行こう!」

めでたしめでたし。






と、思ったらこの後、ピカチュウはレオンと7時のプリンとの約束を忘れて遊び歩いて後日プリンにさんざんな目にあったそうだ。

やっぱりめでたくないね。
続く


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