ある夜、ピカノから電話がかかった。
ピカチュウ「もしもし?なんだピカノか。」
ピカノ「ようピカチュウ!森で肝試しやらないか?夏と言えば肝試しだろ?」
ピカチュウ「嫌だね!お前、僕が5歳の時に二人で肝試しやって暗い森の中に僕を一人にして怖がらせたじゃないか!」
ピカノ「ちっ。細かいことばかり覚えてやがる。大丈夫だよ!他の奴もいるから。」
ピカチュウ「そうなの?じゃあ行くよ。つきあい悪いと思われるのもシャクだし。」
ピカノ「よし、決まりだな!じゃあ今すぐに森に集合な!」
ピカチュウは森に行くと、いたのは意外なメンバーだった。
そのメンバーとはカラカラ、オコリザル、うめぼし、フシギダネ、ミュウツーの5人だった。
ピカチュウ「カラカラって肝試しなんか好きなの?」
カラカラ「違うよ〜。オコリザル君に無理矢理連れてこられたんだよ〜・・・。」
オコリザル「あぁ?なんか文句あるのか?」
カラカラ「い、いえ!なんにもありませんっ!!」
オコリザルは、一言で言うといじめっこである。特に弱弱しいカラカラを目の敵にしているようだ。
ピカチュウ「うめぼし、フシギダネ、君たちは?」
フシギダネ「いいじゃん、面白いじゃん。なあ、うめぼし。」
うめぼし「んあー。」
相変わらずうめぼしは訳がわからないが、フシギダネはすっかり引きこもり癖が治ったようだ。
ピカチュウ「はあ・・・。で、ミュウツー君、君は?」
ピカチュウが話しかけた男はミュウツー。背が高く、基本的には無口。少し怖いというか近寄りがたい雰囲気を持っているポケモンである。
ミュウツー「私はちょっと愛犬の散歩をしていたらそこでピカノに呼び止められたんだ。」
ピカチュウ「い、犬?ミュウツー君、犬飼ってるのか・・・。その犬がそうかい?」
ミュウツー「ワンちゃんだ。」
ピカチュウ「はい?」
ミュウツー「この犬の名前はワンちゃんだ。」
ピカチュウ「へ、へえ、そうなんだ・・・。(なんて安直な名前だ・・・。)」
この瞬間、ピカチュウの中でのミュウツーの怖そうなイメージが崩れた。
ピカノ「よーし!じゃあこのメンバーで突撃するぞ!!」
企画者のピカノが仕切始める。いつもこの調子でクラスをまとめてくれればどんなに良いだろうか。
ピカチュウ「なに?全員で行くの?それじゃ大して怖くないと思うんだけど。」
ピカノ「いいんだよ!じゃ、さっそく出発だ!!」
ピカノご一行は暗い森の中を進んでいた。
ピカチュウ「でもさあ、こんな森に何かでてくるわけないよな。」
ピカノ「さあ、んなことわからないぜ?」
何かをたくらんでいるようににやにやしながらピカノは言った。
フシギダネ「・・・なあ、それより何か音がしないか?」
フシギダネがつぶやく。
カラカラ「お、音?嫌だなあ、気味の悪いこと言わないでよ・・・。」
ガサガサ・・・
フシギダネ「やっぱり音がするぞ!」
フシギダネが叫んだとたん、何かがピカチュウ達の前に現れた!!
「バアアアアアアアアアアーッ!!!オバケだぞおおおおおおお!!!」
ピカチュウ「うわあっ!!!な、なんだなんだ!!?」
そこにでてきたのは、足が一本、巨大な眼が二つ、そしてくちばしと羽を持った化け物・・・。
ピカチュウ「・・・おい、何してんだホーホー。」
ホーホー「ホ、ホーホーではない!!オバケだ!!コワイぞおおおおおお!!」
オコリザル「何をしてんだっつってんだよ!!!」
ホーホー「わ、私はそこのカイリュー(ピカノ)にお前らを驚かすように言われてオバケの変装をして待ち伏せしていただけだ!」
オコリザルに怒鳴られたホーホーはあっさり謝った。
ピカチュウ「ピカノのせいじゃないか!!何かあると思ったんだよ!まったく!!」
ピカノ「あーあ、全部言っちゃって。せっかくの作戦が台無しだ。」
ホーホー「で、もういいか?私は帰らせてもらうぞ。」
ホーホーはネタがバレてしまい、さっさと飛んで帰ってしまった。
ピカチュウ「(あいつ、軍事部隊とか言ってるけど、実際は暇なんだろうなあ・・・。)」
フシギダネ「で、まだ何か仕掛けてるのか?」
ピカノ「ああ、そこにオバケちょうちんとカボチャのオバケを仕掛けておいた。後、古ぼけた笠で作った笠オバケと、浅い落とし穴だろ、それに一つ目小僧の模型もおいといた。あ、そうそうそれと・・・、」
ピカチュウ「いったいいくつ仕掛けてるんだよ!!で、あそこのポケモンのオバケはどうやって作ったんだ?」
ピカノ「ポケモンのオバケ?そんなのあったかな・・・?」
ピカチュウ「ほら、そこの黒っぽい奴・・・。」
そこにいたのは顔色が悪く、足はついてなく、浮いているまさにオバケと呼ぶにふさわしい姿・・・。
ピカノ「ん?あんなの知らないぞ?」
ピカチュウ「じゃああれってもしかして・・・。」
うめぼし&カラカラ「ホ、ホホホホホホホンモノのオオオオオオバオバオバオバオバケ・・・!?」
抱き合いながらビビるうめぼしとカラカラ。
そしてオバケが近づいてくる。
ピカノ「こ、こっちに来るぞ!!」
ピカチュウ「うわあああああ!!」
うめぼし「gかふひqhkdbfjcgぷ@くぃおあふいpg098yp・・・!!」
カラカラ「ママああああああああああああああっ!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
パシャッ!
謎の音があたりに響く。
オコリザル「ってああっ!!てめえ!1組のゴーストじゃねえか!なにしてんだコラア!!」
ピカチュウ「何?あ、本当だ!!」
ゴースト「あ、バレちゃいましたか?実は私、写真部なもんでして、今度『ビックリ顔コンテスト』に応募する写真を撮ってたんですよ。」
しまらない笑顔を浮かべながらゴーストが正体を明かした。
ピカチュウ「写真コンテスト?なんだよそれ!それの為に僕たちを待ってたってわけ!?」
ゴースト「そういうことです。いやー、でもおかげで素晴らしい写真が撮れましたよ!アハハハハ!」
次の瞬間、ゴーストはピカチュウの電撃で気を失ってしまった。
ピカチュウ「くっそー、馬鹿にしやがって。ああビビった。」
フシギダネ「ああ、まったくだ。しかし誰だ?一番最後にとんでもない大声で叫んだ奴は。」
ピカチュウ「うめぼしだろ?」
うめぼし「僕は2番目の『gかふひqhk(以下略)』だけど?」
オコリザル「カラカラじゃねえのか?」
カラカラ「僕は3番目の『ママあああ!!』だよ。」
フシギダネ「ピカチュウとピカノは?」
ピカチュウ「僕は最初の『うわあああ!!』だけだけど?」
ピカノ「俺は『こ、こっちに来るぞ!』としか言ってないぞ?」
ピカチュウ「そういうオコリザルとフシギダネはどうなんだよ?」
オコリザル「最初にゴーストを見破った俺様が叫ぶ訳ねえだろうが!」
フシギダネ「俺は特に何も言ってねえよ。」
ピカチュウ「じゃあミュウツーは?ってあれ?ミュウツーは何処だ?」
フシギダネ「おかしいな、さっきまでそこにいたはずだが・・・。」
ピカチュウ「おーいミュウツー!ミュウツー!!」
ミュウツー「ひいいいいい・・・ワンちゃあああん、コワイよおおお・・・。うわ〜〜〜ん・・・。」
ワンちゃん「ワン!ワン!」
その後、ホーホー隊によって森の隅で愛犬を抱きかかえながらぶるぶる震えている男が発見されたそうな。
続く
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