そして迎えた体育祭当日。

ピチューとトゲピーが応援しに行く気たっぷりの為、ピカチュウは休むにも休めなかった。

放送委員のブルーの司会で競技は進行していく。

ブルー「次は男子による棒取り合戦です

「うおおおおおおおーーーーーー!!!」

この競技は乱闘と化していた。

パンチやキックを放つものもいれば、火を吐く奴も岩を投げる奴もいる。

喧嘩の強いピカチュウも電撃で応戦したが、カイリキー率いる黄色(3組)の前に青(2組)は為すすべもなかった。

ブルー「次は男女合同の玉入れです」

ピカチュウの2組からはフーディンやフシギダネが出ていた。

フーディン「くそ、玉が入らない!フシギダネ!ツルのムチで入れるのはいけないのか!?」

フシギダネ「自分の手で入れないとダメなんだって。」

フーディン「ならばあれはいいのかあれは!!」

フーディンの指さす先にはカゴに止まって玉をどんどん入れる鳥ポケモンの姿があった。

フシギダネ「あれは一応手で入れてるからな、いいんじゃないか?」

フーディン「くっそー、こっちにも鳥ポケモンはいないのか!?」

ホーホー「フハハハハハハハ!!困っているようだなインチキ占い師!!」

そこにはどこかで見た鳥ポケモンの姿があった。

フーディン「ああ、貴様はホーホー!!学校まで何しに来た!!」

ホーホー「なーに、今日は我々も貴様らを手伝ってやろうと思ってな。はるばるやってきたのだ。」

フシギダネ「ちょうどいい、鳥ポケモンが欲しかったところだし、手伝ってもらおうぜ?」

フーディン「むう、こいつらに手伝ってもらうのは気が引けるが仕方がない。じゃあ頼む。」

ホーホー「よし、引き受けた!ホーホー隊!!玉を入れろー!!」

次々と玉を入れていくホーホー達。

フシギダネ「おお、すごい!これなら勝てるぞ!!」

ピピーッ!!(笛の音)


リザードン「コラーッ!そこーっ!!何をしているんだあーっ!!」

熱血教師、リザードンが怒鳴った。

ホーホー「ダ、ダメなのか!?」

リザードン「貴様ら、口や足で運んでいるではないか!それは反則だ!!っていうかお前ら、ここの生徒じゃないだろ!」

ホーホー「うるさい!我々ホーホー隊の完璧な作戦を無駄にする気か!!生意気な!やってしまえホーホー隊!!」

次の瞬間、ホーホー隊はリザードンにボロボロにされて追い出されてしまった。

リザードン「青は反則負け!玉入れの勝者は赤(1組)!!」

フシギダネ「そんな殺生な・・・。」


続くパン食い競争はカビゴンが全てパンを食べてしまって中止、騎馬戦はレオンが上で活躍して青組の勝利。女子の競技は特に何事もなく終わっていった。

そんな中、青組のベンチにはプログラム表を見てため息をつくピカチュウの姿があった。

ピカチュウ「あとは障害物か・・・。」

レオン「クラス対抗リレーもね。」

ピカチュウ「そうか・・・。ああ、いやだいやだ・・・。」

ミュウ「ピカチュウ君!そんなこと言ってる場合じゃないよ!」

学級委員のミュウは燃えていた。

ミュウ「いいかい、障害物とクラス対抗で勝てれば我が青組は一気に逆転のチャンスなんだよ!」

ピカチュウ「うわ、すげえ荷が重いな・・・。」

ミュウ「その君がいやだいやだなんて・・・。君はもう少し物事に情熱をもった方がいいよ!!」

ピカチュウ「はいはい、じゃ、障害物いってきまーす。」

ピカチュウはろくにミュウの話を聞かずに障害物競走に進んでいった。

ブルー「次は障害物競走です

相手は1組のエレキッドと3組のゼニガメうめぼしだ。充分に勝機のある相手だ。

ピカチュウ「仕方ない、1位とってやるかな。」

リザードン「ヨーイ、ドン!!」

リザードンの撃ったピストルの音と共に一目散に走るピカチュウ。しかし、走っていると何かが見えてきた。

ピカチュウ「お、障害物か。何の障害物だ?」

ブルー「さあ、最初の障害物、長さ25メートル、水深30メートルの大湖だー!!

ピカチュウ「どうやって持ってきたんだよ!!くそ、僕は泳げないのに!」

右横ではうめぼしがすいすいと泳いでいく。左横ではエレキッドがぶくぶく沈んでいく。

立ち止まるピカチュウ。レオンの声が客席から聞こえてくる。

レオン「ピカチュウ君、君、なみのりピカチュウだろ!!ほら、サーフボード!!」

ピカチュウ「おお、サンキューレオン!!」

ピカチュウはレオンに投げてもらったサーフボードでここも何とか突破した。ピカチュウは水ポケモンじゃないので、ルール的にはギリギリオッケーのようだ。

ブルー「さあ、エレキッドが脱落したところで次の障害物、電撃びりびり跳び箱だー!!」

高さはそれほどでもない跳び箱に、電流が流れている。またしてもとんでもない障害物である。

ピカチュウ「脱落ってサバイバルレースかよ・・・。でもこれならふつうに抜けられるぞ!電気ポケモンだから。」

うめぼし「んぎゃあああああああああ!!」

隣でしびれているうめぼしを横目にピカチュウは跳び箱を跳び越えた。

ブルー「さあ、とうとう残りはピカチュウ一人!最期の障害物は燃える網くぐりだ!!

その網はメラメラと音を立てていた。炎ポケモンでもない限り、とてもくぐれそうにない。

ピカチュウ「うわ、この網燃えてるじゃん!!こんなのくぐれるか!!」

ブルー「おおっとピカチュウ、ここに来てリタイアか!?

ピカチュウは再び立ち止まってしまった。

ピカチュウ「・・・・・・・・・。」

じゅ〜・・・


ピカチュウ「な、なんだこの音?」

ブルー「おおっと!!これはラッキー!!網が完全に燃えてなくなってしまったー!!

ピカチュウ「やった!これでわたれる!ラッキー。」

ピカチュウはなんなく1位で完走した。


へとへとのピカチュウをゴールで迎えたのはピカノだった。

ピカノ「ハハハ!よくやったぞピカチュウ!じゃあ次はクラス対抗リレーだ!すぐに始まるから急げよ!」

ピカチュウ「も、もう次の種目!?」

ピカノ「そうだ!男子と女子両方が1位を取れば優勝確実だ!」

ピカチュウ「とほほ・・・。つらいなあ・・・。」

ブルー「次は、男子クラス対抗リレーです。

ざわざわ・・・


ピカチュウ「なんか騒がしいなあ・・・。」

レオン「ピカチュウ君、あれみて!」

たまっち「がんばるもんよ、シンタロウ!」

シンタロウ「ハハハ、マカセテオケー!!」

驚くのも無理はない。走者として控えているポケモン達の中に宇宙人と機械が混じっているのだから。

ピカチュウ「あ、あれはたまっち!!何でお前が学校にいるんだよ!!」

たまっち「なんか楽しそうだったからだもん。因みに入学手続きは済ませたもんよ。だから今は1組でお世話になってるもん。」

ピカチュウ「だからって機械を出していいのかよ!」

シンタロウ「ナンダ?キカイサベツカ?」

たまっち「シンタロウも入学手続きが済んでるもん。」

ピカチュウ「よく校長が許したな・・・。くそ、これじゃあ勝てっこないじゃないか・・・。」

レオン「しかもこっちのメンバーってワニノコ君はともかく他は適当もいいところだもんね。」

ピカチュウ「人ごとみたいに言うなよレオン。それよりもうすぐ始まるよ。」

リザードン「よーい、ドン!!」

第1走者のワニノコは体育委員だけ会って速かったが赤はサワムラー、黄はサンダースという強豪揃いだったため少し差を付けられてしまった。

第2走者のミュウツー君は実はそれなりに速かったが差を埋めるには至らなかった。

第3走者のレオンは精一杯走ったが差は埋められなかった。

第4走者のカラカラ君はいじめられっこだったのでブーイングの中、涙しながら走った。やはり差を付けられしまった。

そして、アンカーのピカチュウにバトンが回った。

と、その瞬間にエンジン音とともに赤のシンタロウがゴールしていた。

ピカチュウは走った。例えビリが決定していても一生懸命走った。

もはやビリのことなど誰も見ていないかもしれない。だが走った。

速く終わって欲しかったから。

こうしてピカチュウは3位でゴールを抜けた。


ピカノ「ったく、女子がポニータの健闘でトップを取ったからなんとか黄を抜いて総合2位だったが・・・何で1位取れないんだよ。」

閉会式終了後、ピカノはいまいち納得がいかずにブーたれていた。

レオン「仕方ないよ先生、あんな機械がいるんだもん。」

ピカノ「そうだなあ、おもしろさ重視で組んだのは失敗だったな。」

カラカラ「おもしろさって・・・うう、ひどいよ先生・・・。」

いじめられっこのカラカラ君は泣き出した。

ピカノ「それよりピカチュウはどうした?」

レオン「ピカチュウ君なら疲れたとか言いながら速攻で帰りましたよ。」

ピカノ「なんだ、せっかく太っ腹の俺がクラス全員にジュースでもおごってやろうと思ったのに。仕方ない、他のみんなだけで準優勝祝賀会でもやるか!」

「わーい!!やったー!!」

そうともしらずピカチュウは家でぐーすか寝てたという・・・。
続く


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