ある夏の日、珍しくいいかげん担任、ピカノがマジメにホームルームをしていた。

ピカノ「そんな訳で、期末も終わってもうすぐ・・・。」

レオン「夏休みだね!」

ピカノ「馬鹿者!その前に体育祭だ!今日はその出場種目を決める!あとは係りの者、任せた!」

学級委員のミュウと体育委員のワニノコが前に出る。

ワニノコ「えーでは、さっそく決めたいと思いますが・・・。」

ピカチュウ「ねえ、種目って何があるの?」

ピカチュウがたずねる。

ワニノコ「女子は大縄跳び、100メートル走、綱引き、玉入れから2種目。男子は200メートル走、パン食い競争、玉入れ(女子と合同)、障害物競走、騎馬戦、棒取り合戦から2種目出てもらいます。」

ミュウ「じゃ、100メートル走から決めるけどやりたい人いる?」

ピカノ「待て!その決め方には異議あり!」

ここで待ったをかけたのはピカノだった。

ピカノ「こんなんで決めてもしょせん楽な種目に人が集まって結局じゃんけんで決めることになるんだからやっても悲惨なだけだ!」

ワニノコ「はあ、そう言われましても・・・。じゃあどうやって決めるんですか?」

ピカノ「あみだくじがいい。そうだ、あみだにしよう!よし、俺が作るぞ!」

ワニノコ「あの、そっちの決め方の方が理不尽なんじゃ・・・。」

ピカノ「うるさい!面白ければ何でもいいんだ!」

ワニノコの意見も聞かずに勝手にピカノはあみだを作って選ばせた。

レオン「うわ、僕は騎馬戦とパン食い競争だって。ピカチュウ君、君はどう?」

ピカチュウ「ええ、と・・・。・・・ゲッ。」

ピカチュウはあみだの結果を見るなり青ざめた。

ピカチュウ「棒取り合戦と障害物競走だって・・・。」

レオン「うひゃあ、またつらいのに当たったね。」

ピカノ「ハッハッハ。どうだ?こういう決め方も緊張感があって良かろう?」

ピカノは一人上機嫌である。

ワニノコ「あの、先生?クラス対抗リレーはどうします?これは種目数関係無しで出さなきゃならないんですけど。」

ピカノ「ああ、速いのが集まる奴か。そうだな、俺が適当に決めとくよ。」

ワニノコ「いや、適当じゃ困るんですけど・・・。」

ピカノ「大丈夫だって。まあ任せておけ。」


次の日・・・



体育祭の出場種目リストを見たピカチュウはミュウを怒鳴りつけていた。

ピカチュウ「おい!ミュウ!なんで僕がクラス対抗リレーに出ることになってるんだよ!」

ミュウ「ピ、ピカチュウ君!落ち着いて!それはピカノ先生が決めて・・・。」

ピカチュウ「は?ふざけるな!絶対でないぞ!」

ミュウ「そんなこと言ってももう昨日体育委員長にメンバー票を提出しちゃったから取り消しは聞かないよ〜。」

ピカチュウ「な、なんだって!!?」

ミュウ「いいじゃないか、ピカチュウ君だって足速いんだから!」

ピカチュウ「そういう問題じゃない!!」

レオン「おーい、ピカチュウ君!クラス対抗リレーの順番発表をするからこっち来てー!」

レオンに呼ばれたピカチュウはまた青ざめた。

レオン「じゃ、発表するね。女子はキレイハナさん、チコリータさん、ポニータさんの順番。男子はワニノコ君、ミュウツー君、僕、カラカラ君、ピカチュウ君の順に決まったよ。」

ピカチュウ「待ってよ!なんで僕がアンカーなんだよ!」

レオン「そんなこといったってピカノ先生がこれがいいって・・・。」

ピカチュウ「くそ、またピカノか!!あの野郎、覚えてろ!!」

レオン「えっと、じゃ、体育祭がんばってね、ピカチュウ君!」

レオンはにこやかな笑顔でピカチュウにそう言い残すと早々に帰っていった。

ピカチュウ「ぎゃあああああ!!いやだあああああああ!!絶対に休むうううううう!!!」

そして体育祭の日がやってきた・・・。
続く


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