休日の朝、のんびり寝ていたピカチュウはピカノに起こされた。

ピカノ「おーい、ピカチュウ!!大変だ!おきろー!!」

ピカチュウ「まったく、なんだよ朝っぱらから・・・。」

ピカチュウは寝ぼけ眼で外に出てきた。

ピカノ「それがよ、大変なんだ!空からUFOが降ってきたんだ!」

ピカチュウ「は?頭がおかしくなったんじゃないか?」

ピカノ「いや、マジなんだって!とにかくこっち来てみろ!」

ピカノに腕を引っ張られて仕方なくピカチュウは広場に出向いた。あたりは既に野次馬でいっぱいである。

ピカチュウ「うひゃあ、すごい人混みだ・・・。」

ピカノ「ほら、あれがUFOだ。」

ピカノの指さす先にはかなり派手なUFOが転がっていた。


ピカチュウ「うわ、派手だなあ。これ誰かのおもちゃじゃないの?」

ピカノ「そうか?あんなでかいおもちゃあるか?人が乗れるぞ?」

ウイーン


「うわあああああ!!扉が開いたぞ!!」

「な、なんかでてきたああああああっ!!」

「ぎゃあああああ!わあああああああ!!」

他のギャラリーはみんな逃げ、あっという間にその場にはピカチュウとピカノだけになってしまった。

UFOの中から赤い姿をした丸っこい宇宙人(?)が出てくる。

ピカノ「う、宇宙人だ!!やっつけろピカチュウ!!」

ピカチュウ「な、何でボクが!」

うろたえるピカチュウ達を前に宇宙人は口を開いた。

宇宙人「大丈夫だもん、ボクは襲ったりしないもん。」

ピカノ「しゃ、しゃべったぞ!何者だ!!」

宇宙人「君たちから見れば宇宙人だもん。」

ピカノ「ややややや、やっぱり宇宙人か!貴様、目的は何だ!!」

明らかにピカノはビビっていた。

ピカチュウ「みっともないなあ、落ち着けよピカノ。そんなに恐ろしい宇宙人に見えるか?」

確かに容姿はまるまるとしていて、しまらない笑みを浮かべており、全然怖くない。

宇宙人「僕はたまごっち星から来たたまっち。こっちに来たのは文化を伝えることが目的ですもん。」

ピカノ「は?たまごっちっておい!いくらポケモン赤緑と同時期に流行ったからって小説に出てくるなよ!」

たまっち「んなことはどうでもいいもん。」

ピカチュウ「で、文化って何だ?」

たまっち「機械ですもん。ボクは機械をいじるのが得意なんですもん。」

「ソノトオリ。」

飛行機?がピカノに話しかける。

ピカノ「うわ!何だよこの飛行機!しゃべったぞ!」

たまっち「ボクの最高傑作、飛空挺型ロボット『シンタロウMAX』だもん。」

シンタロウ「シンタロウデス。ヨロシクナ。」

ピカチュウ「はあ、確かにこりゃスゴい。」

ピカチュウはたまっちのもっている機械のすごさに純粋に驚いていた。

たまっち「で、この腕時計は一番最高の機能を搭載したボクの会話用メカだもん。」

腕時計「ソノ通り。たまっちを朝起コシタリスルノハ私ノ役目ダ。」

ピカノ「腕時計と会話ねえ・・・。」

それってむなしくないか?

ピカノはそう言いたかったが機嫌を損ねたらそれこそ食われてもおかしくないので口には出さなかった。

たまっち「と、いうわけで僕をこの島に住ませて欲しいもん。」

ピカノ「っておい!どういうわけだよ。」

たまっち「嫌でも住ませていただくもん。」

ピカノ「宇宙人なんて島におけるか。」

これこそ食われても仕方がない発言だが、たまっちは怒った様子もなく勝手に話を続けた。

たまっち「そうか、住んでもいいのかだもん!ありがとうだもん!」

ピカノ「待て!んなこと言ってないだろ!」

たまっち「住まいならこの空き地にたてるから問題ないもん。先住民の皆さんには迷惑掛けないもん。」

ピカノ「お前、俺の話聞いてないだろ!」

頭に血が上っているピカノをピカチュウはなだめた。

ピカチュウ「まあまあピカノ。住ませてあげればいいじゃん。悪い奴じゃなさそうだし。」

ピカノ「そうか?お前少しは警戒しろよ・・・。くそ、なんか腹立つなあ。」

ピカチュウ「じゃあたまっち、僕たちは家に帰るから。」

たまっち「ならシンタロウで送ってあげるもん。」

シンタロウ「ワタシニオノリナサイ。」

ピカノ「いいよ!俺は自分で飛べるから!ピカチュウだけ送ってもらえ!」

ピカチュウ「じゃあそうする。僕の家まで頼むよ。」

ピカチュウはシンタロウの上に乗り、わくわくしながらシートベルトを締めた。

どうやらこのシンタロウ、飛空挺みたいなのは見かけだけで、実際には空飛ぶ全自動バイクみたいなイメージのようだ。

シンタロウ「オーケー。デワ、シュッパーツ。」

ギュイイイイイイイイイン!!

ピカチュウ「な、何だ?何の音だ?」

シンタロウ「キニスルナ。エンジンノオトダ。」

ピカチュウ「えんじん?」

シンタロウ「サイコウソクデイクゾ。シッカリツカマレ。」

キイイイイイイイイイイイイイイイン!!!

ピカチュウ「ええ!?ちょっと最高速って・・・うわあああああああああああ!!!」

シンタロウ「ツイタゼ、ダンナ。ダイジョブカ?」

ピカチュウの家に着いたとき、ピカチュウはあまりの速さに失神してしまっていた。

そんなわけで愉快(?)な仲間がまた島に増えたとさ。
続く


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